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ステーキの盛り合わせ … 「カフェ・ド・セントロ(CAFE do CENTRO)」(日比谷)

ステーキの盛り合わせ


 ブラジル料理「カフェ・ド・セントロ」のステーキ。

 いつもピッカーニャ(イチボ500g、3,200円、以下すべて税別表記)にするか、アウカトラ(ランプ600g、2,180円)にするか、とっても迷うのだ。

 そこで今日は、ピッカーニャ・ハーフ(250g、1,900円)と、アウカトラ・ハーフ(300g、1,300円)を盛り合わせてもらうことにした。

 つまりピッカーニャとアウカトラのハーフ&ハーフである。(冒頭の写真の、向かって左がピッカーニャ、右がアウカトラ。)

 赤身なんだけど脂分が多くてやわらかい(マグロに例えると中トロ的な)ピッカーニャと、しっかりとした赤身のアウカトラ。

 この両者をいっぺんに食べ比べることができるのが、うれしいではありませんか。

 4人でやって来た今日は、4人中の2人が、当店初訪問。

 ブラジル料理も、これまでシュラスコ(ブラジルでの発音はシュハスコ)ぐらいしか食べたことがないということだったので、まずは私のオススメの品々を注文した。

 「ブラジルMIXサラダ」(680円)は、いろんな野菜に加えて、パウミット(ヤシの新芽)とベテハーバ(赤カブ、ビーツ)が入っているのが大きな特徴。

 「タピオカ芋のカリカリフライ(マンジョッカ・フリッタ)」(580円)は、キャッサバ、マニオク、マンジョッカ、マカシェイラなどとも呼ばれる芋を、ポテトフライ同様に、細く切り分けてフライにしたもの。

 茎を地中に刺すだけで、どんどん生育するので、ブラジル中でとてもよく食べられている。

 この芋があったからブラジル人が怠けものになったと言われているほどの食材なのだ。

 この芋の根茎から製造したデンプンがタピオカである。それゆえ、この芋のことをタピオカ芋と呼んでいる人もいる。

 「揚げタコのさっぱりビネガーソース(ポウヴォ・フリット・アオ・ヴィナグレッチ)」(580円)は、この店で人気ナンバーワンのおつまみ(ペティスコス)だ。

 ブラジルでもタコは食べる。このタコ食文化は、植民地だった時代にポルトガルから入ってきたらしい。

 ただ、揚げたタコは、ブラジルにいるときは食べたことがなかったなあ。ゆで冷ましたタコを使った、酢ダコみたいな料理が多かった。

 この揚げタコにも、ブラジルではモーリョ・ヴィナグレッチ(略してヴィナグレッチ)と呼ばれる、トマトや玉ネギ、ピーマンなどを細かく刻んで酢、オリーブ油、塩などと一緒に和えたビネガーソースがかけれらている。

 このヴィナグレッチ、ブラジルでは肉料理を始めとして、いろんな料理に使われる。

 日本の飲食店での醤油のように、テーブル上にあらかじめヴィナグレッチが置かれている店もあるぐらいなのだ。

 「干し鱈のコロッケ(ボリーニョ・ジ・バカリャウ)」(6個500円)と「鶏肉のコロッケ(コシーニャ・ジ・フランゴ)」(6個480円)は、それぞれ干しダラの身と、鶏肉が具材として入っているコロッケだ。

 ここの店のは、残念ながらごく少量の干しダラ、鶏肉しか入っていなくて、コロッケ感が強い。

 ブラジルで食べると、「ボリーニョ・ジ・バカリャウ」の中には干しダラがぎっしりと入っていて、「コシーニャ」にもほぐした鶏肉が、それとわかる形でびっしりと入っている。そもそも、コロッケ1個ずつの大きさが、もっと大きい。

 いろんな料理が、ブラジルで食べるよりも美味しいこの店ながら、このコロッケ類だけが、ブラジルにちょっと負けてるかもねえ。日本人の好みに合わせたのかな。

 でもそれは、ブラジルのものと比較した場合のことであって、ここの店のコロッケは、この店のコロッケとして、とっても美味しいのですよ。だから毎回食べてます。

 飲みものは最初に「生ビール(ショッピ)」(プレミアムモルツ、500円)で乾杯したあと、キープしているカシャーサ「ベーリョバヘイロ・ゴールド」(サトウキビから造った蒸留酒)に、カットライム(350円)と、細かく砕いた氷をもらって、ブラジル定番のカクテル、「カイピリーニャ」に移行。

 そして冒頭でご紹介したステーキの盛り合わせが登場した。

 ステーキはひと口大に切り分けて、これにもまたモーリョ・ヴィナグレッチと、キャッサバ芋の粉を炒めて作るファロッファという粉をかけていただく。

 ヴィナグレッチとファロッファは、肉料理には付きもののような調味料なのだ。

 調味料とは言うものの、ヴィナグレッチと違って、ファロッファには特に味はなくて、カリカリ、パサパサとした食感が加わるだけ。でも芋の粉だけあって、カロリーは高い。

 その昔、今ほど大量に肉が食べられなかった時代に、ファロッファでカロリーや満腹感を増量していた名残りが、ずっと残ってるんじゃないのかなあ。

 私自身、ブラジルに赴任した当初は、ファロッファはあまり好きじゃなかったんだけど、ブラジルで過ごすうちに、なんとなく肉にはファロッファをかけて食べるのが普通になってきた。

 日本に帰国すると、ファロッファがなくて、なんだかちょと物足りない。

 ファロッファを置いている店なんて、すごく限られてますもんねえ。

 なので、ここに来ると、必要以上にファロッファをかけて食べるようにしているのでした。

 「牛テールの柔らか煮(ハバーダ)」(1,580円)は、「ブラジル・バゲット(パン・フランセーズ)」(300円)と合わせて注文。

 骨ごと煮込まれた牛テールは、肉がホロホロとほぐれて食べやすい。

 骨にへばりついている肉が、これまた美味いんだな!

 と、ここまでが私が一押しの品々。

 本当は他にも「フェイジョアーダ」(小880円)、「ムケッカ」(小1,280円)、「ブラジルソーセージと玉ねぎソテー」(580円)など、一押しの品は数々あるのだが、4人だとこれ以上は食べられそうにないので断念。

 しかし、一押しでなくても、この店の料理で「ハズレ」と感じる品には出会ったことがない。

 ここからあとは、「さっぱりピクルス」(380円)、「ポルトガル産オリーブ盛」(380円)、「ミナスチーズ」(500円)、「海老とアボカドのパウリスタサラダ」(580円)など、チマチマとしたものをつまみながら、大いに飲む。

 「カイピリーニャは、ガツンと効き過ぎるから」ということで、K田さんが注文した「ブルガルレモンサワー」(480円)。横からちょっといただいてみたら、これも美味しくてびっくり。

 「ブルガル(BRUGAL)」は、カリブ海の島にあるドミニカ共和国で作られたラム酒。カリブ海エリアで売上ナンバーワンなんだそうな。今度、じっくりと飲んでみよう。

 最後は、「チーズとハーブのパステウ」(300円)と「カルネセッカ(干し肉)とクリームチーズのパステウ」(300円)でビシッと〆る。

 このパステウにも、やっぱりヴィナグレッチが付いてくるのがうれしいね。

 今夜も1本、カシャーサのボトル「ベーリョバヘイロ・ゴールド」(700ml、2,800円)を追加してのお勘定は、4人で19,307円(17,880円+消費税)。ひとり当たり4,800円ほどでした。どうもごちそうさま。

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ブラジルMIXサラダ / タピオカ芋のカリカリフライ / 揚げタコのさっぱりビネガーソース

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鶏肉のコロッケ / 干し鱈のコロッケ / カイピリーニャの準備

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肉にはファロッファとヴィナグレッチ / 牛テールの柔らか煮 / ブラジル・バゲット

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さっぱりピクルス / ポルトガル産オリーブ盛 / ミナスチーズ

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海老とアボカドのパウリスタサラダ / 2種のパステウとヴィナグレッチ / 今宵のメンバー

店情報前回

《平成30(2018)年4月6日(金)の記録》

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受信: 2018.07.15 11:41

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