初めてのレモンサワー … 立呑み「やきや」(荻窪)
「お勘定をお願いします」
自分のレシートを指差しながら、ヨーコちゃん(店を手伝っている女性)にそうお願いした。
ヨーコちゃんは、「はーい」と返事してくれたものの、なにしろ今夜は大忙しなので、お勘定をするにも、少し時間が必要なようだ。
待つことしばし。
「お待たせしました」
にっこりと微笑みながら、ヨーコちゃんが「いかしょうが棒」(200円)を手渡してくれた。
「あれれ? これ私の? お勘定をお願いしたんだけど……」
「えっ? そうだったんですか。しょうが棒のほうを指差してたものだから、てっきりしょうが棒の注文かと思ってしまいました」
「いや大丈夫。もらいます、もらいます。飲みものはレモンサワーをお願いします」
というような経緯で、おそらくこの店では初めてとなるレモンサワー(280円)をいただいたのだった。
私はレシートを指差したつもりだったのが、ヨーコちゃんの視点から見ると、それがちょうどカウンター上の「いかしょうが棒」を指差しているように見えたんだろうな。
今夜は仕事がちょっと長引いて、荻窪に到着したのは午後7時半ごろ。
『この時間帯なら、「やきや」も空(す)いてるかもしれない』
なんて思いながらやって来たのだが、なんと「やきや」は『超』が付くほどの満員状態。
一瞬、今夜は諦めようかと思ったのだが、入口付近のお客さんがお勘定をしているのが見えたので、そのお客さんと入れ替わる形で店に入ることができた。
すぐに「ホッピー」(320円)と自家製塩辛(200円)をもらってスタートする。
いやあ、前に来たのが3月20日のことだから、実に20日ぶりだ。
実は3月末にも、店の前まではやって来ていた。すると店は臨時休業で、入口引戸には「都合により4月1日まで休ませていただきます」という張り紙が出ていたのだった。
『4月1日まで休みということは、4月の第1週は、開店を待ちわびた常連さんたちで、普段以上に大変なことになるな。それが落ち着いた4月の第2週あたりに行くことにするか』
そんなことを思いながらその日は帰路につき、満を持して、4月第2週に入ったばかりの今日、「やきや」にやって来たのだった。
しかし店内はびっしりと超満員。まったく落ち着いてないじゃないか!
近くにいた常連さんに状況を伺ってみると、なんと! その臨時休業が1週間延びて、昨日(4月8日)までがお休みだったそうなのだ。
そして今日は、まさに常連のみなさんたちが待ちに待った「やきや」再開の当日。
ドンピシャで、お店の再開の日にやって来てしまったんですね。それでこんなに混んでいたのか。
その後もお客さんはどんどんやって来て、店の外には空席待ち…… もとい、空き空間待ちの小さな行列までできている。
ナカ(160円)をおかわりして、「いかみみ刺身」、「げそ揚げ」、「珍味わたあえ」(各200えん)は、すでに売り切れているので、「いか刺身」(200円)をもらった。
これだけのお客さんが入ると、さすがに売り切れるのも早いですねえ。
「いか刺身」は、「自家製塩辛」残りワタの中に、ワサビと醤油を投入し、よ~くかき混ぜていただく。このワタ・ワサビ醤油がいいんだな。
さらに3杯めとなるナカをもらって、「いかげそ焼」(200円)を注文。これもまた、ときどき食べたくなる味なんだなあ。
いつもはホッピーをソト1・ナカ4でいただいて、料理もナカの数と同じく4品をいただいて帰るんだけれど、今夜は待ってるお客さんも多いみたいだからソトを注ぐ量をちょっと多めにして、ソト1・ナカ3を、料理3品で飲み終えた。
で、冒頭のお勘定をお願いするシーンになった次第である。
大勢のお客さんで、とにかく店中がざわついている中での、ヨーコちゃんとのコミュニケーションミス。
でもそのおかげで、いつもと同じく4杯と4品をいただくことができたとともに、4ヶ月ぶりぐらいに「いかしょうが棒」をいただくことができたし、初めてのレモンサワーをいただくこともできたのでした。
その意味では、むしろ「ありがとう、ヨーコちゃん」ですね。どうもごちそうさま。
3月末の「やきや」の張り紙 / 今夜の「やきや」 / ホッピー
自家製塩辛 / いか刺身 / 塩辛のワタにワサビと醤油を混ぜて
| 固定リンク
コメント