くじら刺身で靴を待つ … 大衆割烹「だるま」(小山)
夕方4時。「だるま」の女将さんから携帯電話に着信。
「もしもし。『だるま』です。靴を間違えた人からの連絡はまだないんだけど、
昨夜、「だるま」で飲んだ後、さあ帰ろうとしたら、なんと自分の靴が見当たらない。
おそらく誰かが間違えて履いて帰ったんだろう。
出張中なので他の靴は持っていないし、夜も遅いしで、どうしようかと困っていたら、店の靴箱の奥に、『2年ぐらい前に誰かが忘れて帰ったまま取りに来ない』という黒い革靴があって、ちょうどサイズも合ったので、とりあえずそれを借りて帰っていたのだ。
「間違えたお客さんが来られたら連絡するから、連絡先の電話番号を書いておいてね」
ということで、女将さんから渡されたメモ用紙に、私の携帯番号を書いて手渡した。その番号に、女将さんが連絡してくれたのだ。
小山市内での仕事を終えて、午後6時半、「だるま」に顔を出した。
「靴を間違えた人がやって来るかもしれないから、しばらく座敷で飲みながら待ってみます。もしその人が来られたら、新しい靴は返品できるでしょ?」
と申し出て、冷蔵庫からエビスビール大瓶を取り出して、今宵も一緒に来てくれたAさんと一緒に、昨日と同じ座卓で飲み始めることにした。
すぐに出される今宵のお通しは「冷奴」。2品めのお通しは昨日と同じく「もろきゅう」である。
どうやらこの「もろきゅう」は、この店定番の名物料理でもあるようだ。いや、きゅうりが名物というわけではない。一緒に出される味噌が、まさにミソなんだ。
この味噌は、自家製の調合だそうで、ピリッと辛い。これがお酒に合うんだな。
ホワイトボードに手書きされた今日のメニューは、ほぼ昨日と同じ。違うのは15品中の2品ほど。
「しめさば」(800円)と「やき蛸」(550円)が無くなって、代わりに「つぶ貝」(650円)と「くじら」(800円)が入っている。
今日はその「くじら」と「いかげそから揚げ」(500円)を注文した。
すぐに出てきた「くじら」の美味しいこと。
ショウガ醤油やニンニク醤油でいただくのも、もちろんいいのだが、もろきゅう用に自家調合された味噌でいただく「くじら」がすばらしい!
この店にやってきたら、ぜひこの食べ方を試してみてください。
ビールに続いては、小山の地酒「
揚げたて熱々の「いかげそから揚げ」もやって来た。
でも、靴を間違えたお客さんはやって来ない。
酔いがさめたら、「あれ? 自分の靴じゃないぞ」と気付きそうなものなんだけどなあ。
もしかすると間違えた人も出張者で、もう小山の近くにはいないんだろうか。
「鳳凰美田」をおかわりしながら、2時間ほど飲んだところで、あきらめて席を立つ。
今宵のお勘定は二人で5千円(ひとり2,500円ずつ)なり。
お店にはたいへん申し訳ないんだけれど、新品の靴をいただいて帰ることにした。
「本当にごめんなさいね。これに懲りずにまた来てくださいね」
と女将さん。いやいや、女将さんやお店のせいではないですし。ここまでしていただいて、逆にありがとうございました。
どうもごちそうさま。ぜひまた来たい、地元の人たちの集会所のようなお店でした。
お通しのもろきゅう / くじら / くじら用の薬味(しょうが&にんにく)
くじらに味噌をのせて / いかげそから揚げ / いただいた新品の靴
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