関東煮をつまみに乾杯 … 大衆食堂「稲田屋(いなだや)」(福山)
東京駅から新幹線で3時間半。福山駅に到着した。
駅前のホテルにチェックインした後、同行者たちと3人で出かけたのは、福山駅から歩いて10分ほどのアーケード商店街の中にある大衆食堂「稲田屋」だ。
福山と言えば、洋食・おでんの「自由軒」も人気が高いんだけれど、火曜日の今日は残念ながら定休日なんだな。
到着した「稲田屋」の店内は、天然木の長テーブルが7~8台ぐらい並んでいて、その両側にベンチシート型の椅子が置かれている。
そこに相席で座っていく仕組みだ。
ギュッと詰めると、全体で50人ぐらいは入れるだろうか。
我われが入ったときには、先客もポツリポツリと2~3名しかおらず、3人で1卓を囲むことができた。
まずは生ビール中ジョッキ(600円)をもらって乾杯し、つまみはこの店の名物である「関東煮」(1本160円)を、ひとり3本ずつ注文。合わせて「ねぎ(きざみ)」(100円)も1つもらっておいた。
「関東煮」は、牛モツの串煮込み。醤油とザラメで、猛烈に甘いのがこの店の「関東煮」の大きな特徴だ。
大正8(1919)年創業のこの店のメニューに「関東煮」が加わったのは、昭和の初めごろのことらしい。
きっとお店の誰かが、東京下町の串煮込みを食べ、その味の印象でこの店の串煮込みを作ったんだろうな。
お店の人に聞いてみたことはないんだけど、「関東煮」という料理の名称が、そのことを示しているように思うのです。
この店の「関東煮」には、牛腸(シロ)のみの串と、牛腸と牛肺(フワ)の両者が刺さっている串の2種類が存在する。
シロのみのほうは、色合いが白っぽいので「白」。フワも一緒に刺さっているほうは、フワの黒い色合いから「黒」と呼ばれたりしているようだ。
「3本ずつ」とお願いすると、各人のお皿にはそれぞれ、「白」を2本、「黒」を1本、盛り合せてくれた。
この串を手にもって、直接食べてもいいんだけれど、さっきも書いたとおり、この店の「関東煮」は猛烈に甘い。
私はいつも、串に刺さっている牛モツを、全部はずしてバラバラにし、その上から「ねぎ(きざみ)」をかけて、卓上に置かれている一味唐辛子を思いっきりかけて、かき混ぜてからいただくことにしている。この食べ方ががうまいんだ。
ここの一味唐辛子は、たっぷりとかけても、それほど辛くならないんだよなぁ。
もしかすると、一味唐辛子の辛さが、煮込みの猛烈に甘い味つけに負けてるんだろうか。
さらに「肉皿」(650円)や「冷やっこ」(150円)、「漬物」(150円)などをもらって、飲みものは「酒 上撰」(400円)の冷や(常温)に切り替える。
この店の「酒 上撰」、銘柄は福山の「
同行者2名のうち、1名は今日が初めての「稲田屋」だ。
世の中には、もつ煮込みが好きじゃない人もいるので、「どうかな?」とちょっと心配したが、この店の「関東煮」は気に入ってもらえたようだ。
そこで改めて「関東煮」をひとり2本ずつと「ねぎ(きざみ)」を1皿、追加注文すると、今度は「白」と「黒」を1本ずつ盛り合せてくれた。
今日は本数だけ言って、おまかせで盛り合せてもらったが、注文するときに、「白を3本、黒を2本」といったように、明確に種類と本数を指定することも可能です。
追加の「関東煮」も食べ終えたところで、同行のお二人は〆の麺類に突入するという。
ここは「肉うどん・そば」(600円)が名物なんだけど、さすがにそこまでは食べられないらしく、ひとりは「かけうどん」(450円)を、もうひとりは「かけそば」(450円)を注文した。
〆の麺類を極力控えるようにしている私は、最後にもう一度、「関東煮」の白と黒を1本ずつもらって〆ることにした。
最初に3本、追加で2本、そして〆にまた2本で、今宵は合計7本の「関東煮」をいただいた。
さっくりと1時間ちょっと楽しんで、お勘定は3人で8,420円(ひとり当たり2,807円)なり。
どうもごちそうさまでした。
ひとり3本ずつの関東煮 / ねぎ(きざみ)をもらって / 牛モツにかけ、一味もたっぷり
ひとり2本ずつ、関東煮を追加 / ねぎ(きざみ)も追加 / 一味唐辛子もかけて
酒 上撰(天寶一) / 〆の「かけうどん」 / 〆の「かけそば」
私は〆に関東煮をもう2本 / 残ったネギをかき集めて〆る / ごちそうさま!
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