西武新宿線酒場巡り3 … 居酒屋「満月(まんげつ)」(鷺ノ宮)
「せっかくの鷺ノ宮なので、ぜひもう1軒!」
と向かったのは、鷺ノ宮駅からもほど近い路地の中にある居酒屋「満月」だ。
ここは鷺ノ宮でも一番のディープな酒場。
深夜まで開いているとあって、いろんなところで飲んできた酔客たちの終着駅的な場所でもあるのだ。
私自身、この店に初めて来たのは今から16年前、2002年5月の深夜のことだった。
当時私は横浜に単身赴任していて、金曜日のその日、仕事で遅くなって鷺ノ宮駅に着いたのは日付も変わった午前0時20分だった。
で、前々から気にはなっていたんだけど、入ったことがなかった「満月」に突入したのだった。
こんな時間でも店内は大にぎわいで、お客さんと一緒に店主ご夫妻も飲んでいて、まるで親戚の家の茶の間で飲んでるような感じ。
その日は結局、午前2時ごろまで飲んで帰宅した。
それ以来、鷺ノ宮エリアで飲み終わると、最後にこの店に来ることが多いのでした。
ディープな雰囲気のお店だから、ディープなお客が寄って来るのか、ディープなお客が多いからお店もディープな雰囲気になったのか。そのあたりの真相は、今となっては知る由もない。
2014年末に創業店主であるオヤジさんが亡くなって、今は息子さんで二代目のアキラくんが中心になって店を切り盛りしている。
その影響か、お客さんも若い人が多くなって、昔ほどのディープさはなくなったけれど、今もなお鷺ノ宮を代表する名酒場であることは確かである。
店内は漢字の「四」の形をしていて、真ん中が厨房。「四」の字の左上の部分と、右上の部分に出入り口がある。
昔はこの「四」の字の真ん中に壁があって、その左右が2軒の店だったんだそうだ。
当時の「満月」はその片側だけ。もう半分はラーメン屋だったんだって。
そのラーメン屋が廃業したときに、残り半分も「満月」にして、真ん中の壁を取り払って、今の形になったのでした。
今夜は「四」の左側のすぺーに入って、3人で小さなテーブル席を囲んだ。
Yさんと私は「トマトジュース割り」(350円)を、Wさんは「日本酒」(1合350円)をもらって乾杯だ。
料理は、大皿に盛られてカウンター上に並んでいる他、壁のメニューとしても貼り出されているので、現物を見るか、メニューを見るかしながら注文の品を決めていく。
いただいたものは「玉子とじ」(300円)、「油あげなっとう」(300円)、「ウインナー炒め」(350円)の3品。
これらをつまみに飲んでるうちに、Wさんから、「ぜひYさんに『江古田コンパ』をご紹介したい」という話が出てきた。
「江古田コンパ」は、昭和43(1968)年に創業した老舗バー。
カクテル中心に安価な飲み物を提供し、女性が来店しやすいような配慮をすることにより、それに釣られた男性客も増える、というやり方で運営するのが『コンパ』という業態。
1970年代に流行ったそうだが、今もなお残っているのは、「江古田コンパ」ぐらいでしょうか。
すでに10時半に近い時間であるため、私はそのまま、ここ「満月」で飲み続けることにして、「江古田コンパ」に向かって出発するお二人を見送った。
ここまでのお勘定は3人で2,000円(ひとり当たり667円)でした。
私はさらに2杯めとなる「トマトジュース割り」をもらい、つまみは目の前の「ラッキョ」(300円)にするか、〆も兼ねた「豚キムチ炒め」(300円)にするか、ちょっと迷って、「豚キムチ炒め」をもらうことにした。
けっきょく午後11時過ぎまでくつろいで、追加のお勘定は650円なり。どうもごちそうさま。
居酒屋「満月」 / 日本酒、トマトジュース割り / 壁のメニュー
(次回)19.06.12 地元の酒場でハシゴ酒 … 居酒屋「満月(まんげつ)」(鷺ノ宮)他
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