献杯・木村喜久代さん … 台湾料理「第一亭(だいいちてい)」(日ノ出町)

2019年3月31日。野毛の「武蔵屋」のおばちゃんこと、木村喜久代(きむら・きくよ)さんが亡くなった。97歳だった。(神奈川新聞の記事→その魚拓)
小さいおばちゃんこと、妹の富久子さんも昨2018年11月に、94歳で亡くなったそうだ。
今日、4月7日は、おばちゃんのお通夜。
式場にはご親戚のみなさんや、「野毛武蔵屋 三杯屋の奇跡」で、おばちゃん役を演じた五代路子さんをはじめ、おおぜいのみなさんが集まっていた。
私自身が「武蔵屋」に初めて行ったのは、今から19年前、2000年10月6日のこと。
看板ものれんもなくて、外から見たら酒場とはわからない。店内には品書きもなくて、土瓶から注がれる1杯ごとの燗酒に、つまみとなる定番の料理が付いてくる。
こんな酒場は初めてだった。
この酒場を知ったことで、「酒場浴」という酒場の楽しみ方に出会うことができた。
そしてそれが、その後の居酒屋巡りの原点ともなったことは、「古典酒場 VOL.12 FINAL号」(2013年5月20日、三栄書房)の特集「古典酒場、ボクの原点」にも載せていただいた。
その後、横浜に単身赴任したこともあって、「武蔵屋」にも足しげく通っていたのだが、ブラジルへの単身赴任からの一時帰国していた、2014年12月3日に訪問したのが最後となり、その翌年の2015年7月31日、私がブラジルにいる間に「武蔵屋」は閉店した。(ブラジルブログでの記事、神奈川新聞の記事→その魚拓)
「武蔵屋」の閉店に立ち会えなかったのは残念だったが、その後、2017年7月9日に開催された、おばちゃんの95歳の誕生日をお祝いする会に出席させていただくことができ、お元気そうなおばちゃんにお会いすることができた。
顔色もよく、しっかりとスピーチもされていたので、軽く100歳越えをして、まだまだその先までもと思っていたのですが……。急な訃報に驚いた次第です。
お通夜の会場にだれか知ってる人がいたら、おばちゃんのことを語り合い、懐かしみながら、一緒に献杯しようと思っていたのだが、会場の待合室が奥まった造りになっていることもあって、残念ながら知り合いに出会うことはできませんでした。
式場を出て、桜が咲きほこる大岡川沿いを野毛の街に向かう。
日ノ出町エリアに入ると、「第一亭」が営業中だったので、迷わず「第一亭」に入った。
日曜日も、店内は満席近いにぎわいになっているものの、カウンター席の奥のほうが空いていて、そこに座ることができた。
まずは「ビール」(キリンラガービール中瓶、550円)をもらって、ひとり静かに「武蔵屋」のおばちゃんに献杯する。
つまみには「ホルモン炒め」(600円)をもらう。
「ホルモン炒め」は、豚の腸を炒めたもの。
この店には豚の腸を炒めた料理が2種類あって、もう一つは「もつ炒め」(600円)だ。
生の腸を炒めて味噌で味付けたのが「ホルモン炒め」。湯通しした腸を炒めて醤油で味付けたのが「もつ炒め」なのだ。
その「ホルモン炒め」の皿に残った味噌ダレ。これを残すのはもったいないと「冷やっこ」(300円)と「月桂冠」(400円)の常温を注文したところ、なんと「冷やっこ」が売り切れ。
「このタレをつけて食べたら美味しそうなもの、なんかないかなぁ?」
と調理場のおにいさんに聞いてみると、
「トマトなんか、いいんじゃないですか」
とすすめてくれて、その「トマト」(300円)をいただいた。
真っ赤に熟したトマトがいかにも美味しそう。これを残った味噌ダレに浸しながらいただきました。
お酒が、「武蔵屋」の定番だった「櫻正宗」ではなくて、「月桂冠」なのがちょっとだけ残念だけど、同じ日本酒ということでお許しいただこう。
さっくりと1時間弱の献杯タイム。お勘定は1,850円でした。どうもごちそうさま。
このあと、「武蔵屋」があった場所にも行って、少し野毛の街を散策して帰ったのでした。
ごちそうさま / ハルさんもお通夜に出席 / 「武蔵屋」があった場所
(次回)20.05.07 ニンニクの日にパタン … 台湾料理「第一亭(だいいちてい)」(日ノ出町)
| 固定リンク | 0
コメント