スペシャルなゲソ揚げ … 立呑み「やきや」(荻窪)

荻窪「やきや」の開店時刻は午後4時。その2分ほど前に店に着くと、店の前には10人ほどの開店待ち行列ができていた。
その行列の最後尾に並ぶと、ちょうど午後4時に、店内からカイト君(男性店員)が入口引き戸を開けてくれて開店だ。
一番奥のテーブル席から、順次詰めるような形でお客さんたちが店内へと入っていく。
私もそれに続く位置に立つと、ちょうどまな板前あたりに立つことができた。
この場所は、ちょうど目の前が女将さん。
「あら。珍しいわね」と笑われた。
「初めて開店前の行列に並びました(笑)」
長年通ってるけど、開店前の行列に並んだのは今日が初めてだったのでした。
まずは店の奥のお客さんから、順に飲みものを注文を聞いていって、奥から順に飲みもの出してくれるのだが、なにしろほとんどのお客さんが常連さんなので、改めて注文を聞かれている人はごくわずかだ。
ほとんどのお客さんの飲みものは、注文しないでも自動的に出てくる。
私の前にも、自動的に「ホッピー」(320円)がやって来た。
続いて料理も、奥から順に注文を聞いていき、それをカイト君が紙に集計。
イカ刺〇個、ミミ刺〇個、ゲソ焼〇個……と料理ごとに個数を集計したら、それが女将さんに手渡され、女将さんが作るものと、カイトくんが用意するものに分けて、一斉に調理がスタートする。
私はまずは「珍味わたあえ」(160円)だけを注文したのだが、多くのお客さんは料理を2~3品、まとめて注文しているようだ。
いつもはすぐに出される「珍味わたあえ」も、それぞれの料理が一括して順番に用意されるから、少し時間がかかる。1杯めのホッピーの途中ぐらいで「珍味わたあえ」がやって来た。
その「珍味わたあえ」をつまみつつ、1杯めのホッピーを飲み干して、ちょうど目の前にいるヨーコさん(女性店員)に「ナカ」(160円)をお願いすると、「この時間に、浜田さんがいるのが不思議な感じね」とヨーコさん。
そうそう。同じ店でも、違う時間帯にやって来ると、店内の常連さんも違っていて、なんだか店の空気感も違って感じる。なんだかおもしろいね。
2品めのつまみに「いかみみ刺身」(200円)を注文。今日は『ショウガで』のオプションは付けずに、標準的なワサビのままで出してもらう。
「珍味わたあえ」の残りダレには、ワサビがぴたりと合うのだ。
ちなみにこの「珍味わたあえ」。青森の郷土料理というわけではなくて、昨年亡くなった大将が考案した料理なんだそうな。
大将は酒は飲めないんだけど、酒席に出る機会は多くて、そこで呑兵衛たちの好みや、つまみとなる料理を体得されたんだって。
「珍味わたあえ」も、そういう中から生み出された料理らしい。
青森出身の酒友・ミッチーが、この「珍味わたあえ」のことを、「懐かしい青森の家庭料理」と言っていたので、郷土料理ほどではなくても、似たような感じの家庭料理があって、それがヒントになってるんだろうな。
つまみというと、一般的に塩っけのあるものが多いんだけど、「珍味わたあえ」は甘い味付けなのが面白い。イカワタがたっぷりと入っているのに、イカワタのクセをまったく感じないのもこの料理のすごいところだ。
3杯めのナカには、バット上の残りが少なくなっている「げそ揚げ」(200円)を注文すると、それで売り切れ。
ラストなので、ヨーコさんがお皿に取り分けてくれた。
と、サラッと書いたけど、実は料理を担当するのは女将さんかカイトくん。ヨーコさんが取り分けてくれるのは、かなり珍しいケースなんじゃないかなぁ。少なくとも私は初めてだ。
そんなわけで、今日の「げそ揚げ」は、とてもスペシャルな「げそ揚げ」となりました。
この時点で、午後4時35分。まだ開店から35分しか経っていないのに、バット上に山盛りになっていた「げそ揚げ」がすべて売り切れた。早いなぁ。
4杯めには「自家製塩辛」(200円)。
「自家製塩辛」は仕込むのに日数が必要なので、明後日から連休に入る今だと、もう新たな仕込みはしていなくて、在庫限りで売り切れるんじゃないかというのが私の予想。
昨年の年内営業最終日も、「自家製塩辛」は早めに売り切れてたのだ。
だから、明日(連休前最終営業日)には「自家製塩辛」はない可能性もある。今のうちに食べておかなきゃね。
「自家製塩辛」を食べてる途中で、4杯めのホッピーを飲み干してしまったので、「にごり酒」(270円)を追加注文。やっぱり塩辛には日本酒がよく合うのぉ!
ゆっくりと2時間ちょっと立ち飲んで、今日のお勘定は1,870円でした。どうもごちそうさま。
(次回)19.06.10 平成最後はここで〆る … 立呑み「やきや」(荻窪)
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