また1軒、名店の灯が … もつ焼「ホルモン」(沼袋)

沼袋のもつ焼きの名店、「ホルモン」が2019年6月21日(金)をもって閉店する。
『閉店のお知らせ』
平素よりお引き立ていただきありがとうございます。
突然ですが、6月21日をもちまして、お店を閉店させていただきます。
昭和38年、東京オリンピックの年にオープンしてから、親子二代にわたってご愛顧を賜りましてありがとうございました。
心から御礼申し上げます。
ホルモン 店主
店頭にはそんな張り紙が出されている。
店主が膝を悪くされて、手術をされることになったそうで、術後のリハビリなども含めると2~3ヶ月かかりそうとのこと。
確たる後継者もいらっしゃらなかったこともあり、このタイミングでお店を閉める決心をされたそうだ。
ここ数年、名酒場の閉店が続いているが、また1軒、名店の灯が消える。
木場の名店「河本」も、7月いっぱいで営業を終えるとのこと。
両店の閉店は残念でならない。
「ホルモン」に私が初めて来たのは平成13(2001)年8月のこと。
そのときは、現在の店主とともに、先代の女将さん(店主のお母さん)も働いておられた。
それ以来、18年。店主が同郷(愛媛県出身)ということもあって、この店には本当にお世話になった。
閉店が決まっている店は、いつもとは違うお客さんたちも集まって来て、普段とは違う酒場の雰囲気になってしまうため、あまり行かないようにしている。
それ以前の、普段営業のときの自然な姿を、心の中に留めておきたいからだ。
でもここ「ホルモン」には、どうしてももう1度、来ておきたかった。
実は「たつや」の前に、「ホルモン」を覗いてみたんだけれど、そのときはびっしりと満席。このところずっと、こんな状態が続いているとのことだった。
そこで「たつや」を出た後、午後8時前に、改めて「ホルモン」にやってきた次第。
今度は、かろうじて1席が空いていて、そこに滑り込むことができた。
この時間帯の店内には、常連さんたちの姿も多くて安心した。
「焼酎」(250円)をもらって、まずは「煮込」(350円)と「おしんこ」(120円)をもらう。
この店に来たら、「ちょい焼き」(レバ、コブクロ、各1本130円)を食べねば。
「ちょい焼き」という名のとおり、豚の生食禁止より前は、本当にちょい焼きで出してくれていた。
今も、その頃のままの名称が使われているが、その実態は「よく焼き」で、味付(生姜醤油+刻みねぎ)だけが以前と変わらない。
残念ながらレバはすでに売り切れていたので、「ちょい焼きコブクロ」を2本、焼いてもらった。
そして「焼酎」もおかわりし、梅割りにしていただく。
「ホルモン」系の各店(現在でも残っているのは練馬の「金ちゃん」ぐらいか)の特徴のひとつが、焼き台に続く二の字の平行カウンターの存在と、ちょっと醤油の味が効いた濃厚なタレだろう。
もつ焼きのネタで、この店ならではのものが、「おっぱい」「あぶら」「ひら」(各120円)である。
早い時間から大勢のお客さんたちでにぎわったため、色んな部位が売り切れていて、「おっぱい」「あぶら」「ひら」の中で残っているのは「ひら」だけだった。
その「ひら」を1本、タレで焼いてもらって〆とした。
1時間半ほどの「ホルモン」。お勘定は1,350円でした。どうもごちそうさま。
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