とんぼしび造りで若戎 … 大衆割烹「いはや」(津)
津での三夜め。今日は津駅前のビルの地下にある大衆割烹「いはや」にやって来た。
知ってる店でも、誰かから教えてもらった店でもないんだけれど、駅前の飲食店街をうろうろしていて、その古びた感じ(←ほめ言葉です)に、なんとなく引かれた次第。
店内はL字のカウンター席と、その奥に座敷席があって、けっこう広い。
その広い店内に、午後5時半の今、先客はカウンター席の奥に一人だけ。
私はL字の手前側中央部あたりに座り、まずは中瓶ビール(500円、以下すべて税別表記)を注文すると、「アサヒ、キリン、どちらにしますか?」と聞かれたので、キリンをもらった。
ビールは、特に「これ!」という好みの銘柄がないので、キリンとアサヒはだいたい順番に。たまにサッポロがある店にあたると、サッポロをもらってみるようにしている。
ビールと一緒に出されたお通しは、タコとワカメとキュウリの小鉢。
カウンターの中に食器棚の前には、今日の短冊メニューが並んでいる。
鯵(あじ)造り、鯛(たい)造り、かんぱち造り、平目造り、とんぼしび造り、めじまぐろ造り、〆さば、鯵(あじ)塩焼、……などなど。
値段は書かれていないんだけど、カウンター上に置かれた冊子式のメニューには、やっこ(250円)、生野菜(400円)、月見(380円)、もずく(350円)、漬物盛合せ(300円)、穴子柳川(650円)、茶碗むし(450円)、出し巻玉子(550円)、たこ酢(500円)などが並んでいるので、それほど高い店ではなさそうだ。
「とんぼしび、ってどんな魚なんでしょう?」
目の前の大将に、そう聞いてみると、
「ビンチョウマグロです。この辺(三重県)では昔からよく食べられていたんですよ」
という返事。さっそくその「とんぼしび造り」をいただいた。
こういう地元の魚をいただくときは、絶対に地元の日本酒と合わせるべきだ。
ビールも残りわずかになっていたので、「清酒1合」(450円)を熱燗で注文すると、地元・伊賀の地酒「若戎(本醸造)」を1合瓶で出してくれた。
おぉ~っ。
一昨日の「作」(鈴鹿)、昨日の「寒紅梅」(津)が、わりとスッキリ系だったのに対して、今日の「若戎」はズッシリ系ですねぇ。これもいい。
東京にいるとホッピーやチューハイをいただくことが多いけど、日本の各地に出張に出かけると、九州以外ではほぼ日本酒。その日本酒がまた美味いんだなぁ。
「とんぼしび造り」に続くつまみは、「しらす玉〆」。
これも今日の手書きメニューの中の一品だ。
その名のとおり、シラスを玉子で閉じた料理なんだけど、旨みがすごいっ!
燗酒にぴったりのつまみである。
店内にはお客さんが一人、また一人と入って来るが、みなさん常連のひとり客。ボトルでキープしている焼酎を飲んでいる人が多い。
燗酒をおかわりする。
お店は大将の他に、調理を担当しているおじさんが一人と、料理やお酒を運ぶ女性が二人。
けっして愛想がいいとは言えない店なんだけど、その分、ゆっくりと静かに飲むことができてありがたい。
たまたまなのかもしれないけれど、入って来る常連さんたちのほとんどが「串かつ」(350円)を注文するもんだから、私も思わずその「串かつ」を注文した。
出された「串かつ」は3本が1人前で、1本が豚肉、1本が魚、そして残る1本が玉ネギ&獅子唐だ。
なるほどなぁ。この3本で350円というのは、たしかにコストパフォーマンスが素晴らしい。だから人気があるんだろうなぁ。
ところで、店に入ってきた時から気になってたんだけど、大将のハチマキに刺しているその柿の実はなんなんでしょう?
「ちょっとでも明るくしようと思ってね(笑)」
と大将。これは大将のトレードマークで、季節ごとに、その時期の草花をハチマキに刺してるんだそうな。面白いねぇ。
午後8時まで、2時間半ほどゆっくりとして、今日のお勘定は3,498円(3,180円+消費税)でした。
ということは価格表記がなかった「お通し」「とんぼしび造り」「しらす玉〆」の3品で、税別1,480円だったってことですね。
「お通し」が350円、「とんぼしび造り」が680円、「しらす玉〆」が400円といったところだろうか。(あくまでも推測です。)
いずれにしても、価格表記がないものについても、やっぱりそれほど高くはなかったってことですね。
ごちそうさまでした。美味しかった。
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