関門海峡を眺めながら … AKAMA「布久亭(ふくてい)」(下関)
下関出張の楽しみがフグ(河豚)料理。
こちら下関ではフグとは呼ばず、「福」につながるようにと「ふく」と呼ぶ。
一昨年、昨年と、2年連続で「旬楽館」で、ふく料理をいただいた。
今年はその「旬楽館」の2号店として、2018年10月にオープンしたAKAMA「布久亭」にやってきた。
まずは「生ビール(中)」(600円)をもらって乾杯すると、すぐに出される「源氏コース」(8,500円)の1品めは、見た目も鮮やかな「ふく煮こごり」である。
「旬楽館」が唐戸市場の近くの、古びた路地の中にあるのに対して、こちら「布久亭」は、関門海峡に面して建っており、海峡を行き交う船や関門橋を眺めながら食事をすることができるのだ。
2品めは「とらふく菊盛」(上の写真が一人前)。
中心に向かって少し肉厚にカットすることで、甘みと弾力を一段と味わえるようになっているそうだ。
添えられている細い細い「安岡ねぎ」が、下関の「ふく料理」の決め手。
このネギを、薄い刺身でくるりと巻いていただくのです。
こうなると、やっぱり日本酒だね。
地元の魚には地元のお酒。
山口には、萩の「東洋美人」、岩国の「獺祭」「五橋」「雁木」、宇部の「貴」など、全国的にも有名なお酒がそろっている。
なかなか1種に絞り込めないので、「東洋美人」「獺祭」「貴」の3種類を1杯ずつ盛り合わせた「山口銘酒 利き酒セット」(1,300円)をいただいた。
コースの3品めは「ふくみぞれ煮」。
店名「AKAMA布久亭」の頭に、「AKAMA(あかま)」とついているのは、この店のすぐ山側に「赤間神宮」という安徳天皇ゆかりの神社があるからのようです。(未確認)
4品めは「ふく唐揚げ」。
身の弾力感が強いからか、この唐揚げがまた旨いんだなぁ。
それにしても、目の前で見る関門海峡は、まるで大きな川のよう。
潮流は最大で10ノット(時速20キロ弱)に達することもあるそうだ。
潮が流れている方向に進んでいる船は速いけど、反対向きの船の遅いこと遅いこと。
5品めの「ふくちり鍋」の準備が始まったところで、「ふくひれ酒」(850円)をもらった。
「ふくひれ酒」は、熱々燗のお酒の中に、焼き上げた「ふくひれ」を入れて、香ばしさと旨みを移したもの。
ふたをして蒸らした後、ふたを取る瞬間にマッチの火を近づけて、アルコール分をポッと飛ばします。
こうやってアルコールを飛ばすことで、熱々燗のお酒にもかかわらず、むせることなく飲めるようになるんですね。
あぁ~、とっても贅沢な美味しさです。
「ふくちり鍋」は、まずは「ふく」の身の部分をつぎ分けてくれた。
「ふくちり鍋」は、好みでポン酢、紅葉おろし、安岡ねぎを加えていただきます。
安岡ねぎは、ここでもいい役割を果たしてるなぁ。
「ふく」の出汁で、しっかりと煮た豆腐や野菜類もできあがった。
「ふくひれ酒」もおかわりだ。
と言っても、「ふくひれ酒」そのものをおかわりするわけではなくて、中に入れる熱燗のお酒だけをおかわりしてくれる。
「ふくひれ」は、2杯めでもいい味が出るのだ。
味にこだわる人は、1杯めで「ふくひれ」の味と旨みがお酒に移ったら、「ふくひれ」はふたの上に引き上げておいて、これを2杯め以降に使うんだそうな。
こうすることで、1杯めの旨みが強くなり過ぎず、2杯めも美味しくなるんだって。次の機会にはそうしてみよう。
6品めは、5品めの続きでもある「ふく雑炊」。
一緒にお漬物も出してくれて、雑炊も漬物も、これまたいいつまみになり、さらにお酒が進むのでした。
最後(7品め)は甘~いデザートで〆。
今年も美味しい「ふく」のコースをいただけて幸せでした。
どうもごちそうさま。
〔この日の関連情報〕
下関での宿泊先は「ヴィアイン下関」。
ここでの朝食がなんとも贅沢だ。
きんぴらごぼう、お刺身二点盛り、鯨ベーコンのぬた、塩さば、河豚皮サラダ、稲庭うどん、ごはん、味噌汁(昆布、豆腐、ねぎ)、漬物(タクアン、しそわかめ)というのがその内容。
感染防止のため、ごはんのおかわりはできないそうで、席に着いたときに、
「普通盛り、大盛り、特別山盛り。どれにしましょうか?」
と聞いてくれる。
残念ながら、それぞれがどのくらいの量かわからないので、感覚的に申告するしかない。
私は普通盛りでお願いした。
この記事を書くにあたって、改めてホテルのHPを確認してみたところ、この朝食、1,100円と、お値段もけっこう高め。でも朝から美味しかったです。
そしてこの日、2020年11月11日は、記念日制定後、10回目となる「立ち飲みの日」でした。
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