当地で人気の大衆酒場 … 「赤ひげ(あかひげ)姉妹店」(新開地)
東京駅を昼過ぎに出発する新幹線に乗ると、午後3時には神戸に到着する。
新開地駅近くのホテルにチェックインして荷物を置き、出かけたのは新開地商店街(アーケード街)の中にある大衆酒場、「赤ひげ姉妹店」である。
入口こそ狭いが、店内は奥に向かって長く伸びていて、右手は厨房に沿ったカウンター席に、左手は壁に作りつけられたカウンター席になっている。店の奥のほうにはテーブル席もあって、全体では45席ほどあるようだ。
早い夕方なのに、店内はすでに大勢の酔客たちでにぎわっている。
私もカウンター席の一角に腰をおろし、さっそく「瓶ビール(大)」(490円)と「たいの造り」(280円)を注文した。
私自身が愛媛の出身で、30歳ぐらいまではずっと西日本エリアに住んでいたということもあって、『刺身と言えば鯛』というイメージが強い。
出張で西日本側に来ると、どうしても鯛の刺身を注文したくなってしまうのでした。
それにしても、この立派な鯛の刺身が280円というのは素晴らしい!
料理の品書きは、壁全面に短冊で貼り出されている。(この写真は、そのほんの一部です。)
そのほとんどは100円台、200円台で、たまに300円台があると「高っ!」と感じてしまうほどだ。
すべてを見ることは難しいが、今日発見することができた最も高いメニューは、「牛ステーキ」の400円だなぁ。
2品めのつまみとして、1本90円の焼鳥を「盛合せ(4本)」(360円)で注文。
私が座った、カウンター席の奥のほうが、ちょうど焼き台の近くだったので、焼鳥を焼く様子も見ることができた。
ここの焼鳥は、今治の焼鳥のように、鉄板の上で、焼鳥の上にも鉄板の重りをのせて焼くスタイル。
焼鳥の盛合せは、洋食屋さんのような銀色のお皿で提供された。
味付けは「ずり」と「皮」が塩焼き。間にモヤシをはさんで、「ねぎ身」と「きも」がタレ焼きで出された。
たまたま座った右手カウンター奥側のこの席は、どうやらご常連席の様子である。
ここからカウンター越しに料理が出され、店内に運ばれていくのだが、ご常連たちはその料理の出を邪魔しないように、フッと自然に身をかわしている。
その常連さんたちは、店に入って来た瞬間に、他の常連さんたちとサッと一言、二言の挨拶を交わすものの、あとは黙って、各人の酒と料理に向きあっているのだ。
右どなりの常連さんは「カニ身の酢のもの」(250円)一品をつまみに、焼酎を何杯も飲んでるし、左どなりの常連さんにいたっては、つまみなしの「ビール(大)」だけである。
この1本のビールが、とっても長持ちしていて、店の売り上げにはちっとも貢献していないようだ(爆)。
焼鳥を食べ終わり、「さかなのあら煮」(280円)と「酒」(330円)の熱燗を注文した。
すぐに出される「さかなのあら煮」。
小鉢にたっぷりのこの量で、280円というのが嬉しいではありませんか。
「赤ひげ姉妹店」、呑兵衛の強い味方だなぁ。
熱燗は灘の「白鶴 上撰辛口」。
この店が「赤ひげ姉妹店」というからには、もう1軒、別の「赤ひげ」があるわけで、それが新開地駅を挟んで、道路の向こう側の商店街の入口角にある「赤ひげ(本店)」だ。
ここ「赤ひげ姉妹店」は座って飲める酒場だが、もうひとつの「赤ひげ(本店)」のほうは立ち飲みのようである。
骨ぎわの身を、チマチマとせせるようにいただいていると、1本めの燗酒はあっという間になくなって、2本めをもらう。
「さかなのあら煮」。お酒をどんどん進めてしまう、とっても罪なつまみですなぁ!(笑)
そして最後に、つまみ(兼)〆の一品として、「和そば」(210円)を注文した。
これは「そば」に「おあげ」が入った、関東で言うところの「きつねそば」である。
ほんのりと甘みがある薄味の出汁は、麺を食べ切った後もいいつまみになる。
さすが関西の出汁ですねぇ。
ゆっくりと2時間ほど楽しんで、今宵のお勘定は2,280円でした。どうもごちそうさま。
「赤ひげ姉妹店」。いい店を知ることができたなぁ。
そしてここが、私の2021年の『酒場はじめ』となりました。
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