思わず6杯、生ビール … ビヤハウス「オオムラ亜(おおむら・あ)」(呉)
まだまだ呉呑みは終わらない。
今日の4軒目は、ビヤハウス「オオムラ亜」。
この店のルーツは、明治43(1910)年に広島県初のビアホールとして創業した「日英館ビアホール」である。
残念ながら「日英館ビアホール」は、大正10(1921)年に閉店して、何店かに分割された。その内の1軒が、「オオムラ亜」の元となる「オオムラビアホール」だったのだ。
その「オオムラビアホール」も戦災で焼失。
戦後すぐに、現在の場所で復活したのが、「オオムラ亜」の前身であるビヤハウス「オオムラ」だったでした。
「オオムラ」は、父から息子さんへと二代にわたって続いたが、平成22(2010)年末に二代目店主が体調を崩し、1年以上の休店。結局、お店が再開できるほどには回復されず、平成24(2012)年4月に閉店してしまったのです。
この「オオムラ」閉店の危機に、『呉を代表する老舗酒場の灯を消してはならじ』と立ち上がったのが、現在の「オオムラ亜」の店主・實兼亜矢(じつかね・あや)さんでした。
亜矢さんご自身も、近くで居酒屋を経営する店主であり、「オオムラ」の常連さんのひとりでもありました。
ご自身のお店を閉めるというリスクを負ってまで、「オオムラ」を継承されたのでした。
「オオムラ亜」の「亜」は、亜矢さんの「亜」なのです。
午後3時半に開店するこの酒場。飲みものは生ビールしかなくて、1杯が500円。
氷冷で、横に回すスウィングコック式の注ぎ口をもった生ビールサーバーなのが、この店の大きな特徴だ。
スウィングコック式の生ビールサーバーは、現在の生ビールサーバーと比べると旧式と言えるタイプ。この旧式サーバーがある店は、日本に数軒しか残っていないそうだ。
このサーバーから注がれるビールは泡が立ち過ぎるのが難点。この立ち過ぎた泡を、専用のナイフで泡専用のジョッキに移しながら、いいバランスで注いでくれるのがオオムラ流だ。
泡が多い分、できあがった生ビールは、苦みや炭酸ガスの刺激が減って飲みやすくなっている。
この生ビールの飲みやすさが、この店のキャッチフレーズでもある、『グッと一杯! 思わず二杯!』につながるのだ。
そのキャッチフレーズの左下に、「撮影はお断りいたします」という、以前にはなかった注意書きがある。
「何かあったんですか?」
と確認してみると、写真ばっかり撮って、生ビールはずっと置いたままで飲まなかったり、店にいる他のお客さんの顔まで一緒に写したりする人もいたので、やむを得ず「撮影禁止」に踏み切ったとのこと。
3杯めの生ビールに合わせて、「のりチーズ」(300円)ももらった。
新型コロナウイルスの影響もあってか、店内のお客さんは、以前にもよくお会いしていたご常連さんばかり。
「毎晩、家族で集まっとんのと同じような状態なんよ」と店主・亜矢さん。
それは大安心ですね。
そんなご常連さんばかりの状況だったので、店主にもお断りして、写真もちょっとだけ撮らせていただきました。
「のりチーズ」は、その名のとおり「味付け海苔」と「6Pチーズ」のセット。
「6Pチーズ」には、あらかじめ包丁で切り目を入れてくれていて、「味付け海苔」の枚数と同じく、5つに分割できるようになっている。
こうして分割したチーズを、それぞれ海苔で巻いていただくのでした。
他にも「冷やしトマト」、「チーズちくわ」、「花ソーセージ」、「ポールウインナー」、「おさしみかまぼこ」、「きゅうり浅づけ」、「カマンベールチーズ」、「ガンス」、「広島カキ味のり」、「いかり豆」、「ピーナッツ」、「ハギロール」、「わさび豆」、「あられMIX」、「あげいか」などのつまみがあって、それぞれ300円。
久しぶりの「オオムラ亜」だったので、ちょっとマスクを外して、みんなで1枚、記念写真。
みなさん、本当にお元気そうで、安心いたしました。
もっとちょこちょこ、呉に来たいなぁ!
午後7時に閉店するまで、3時間近く楽しんで、生ビールは6杯。
今日のお勘定は3,300円でした。どうもごちそうさま。
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