瀬戸内の魚をつまみに … 洋食・おでん「自由軒(じゆうけん)」(福山)

出張先へと移動する途中で福山である。
四国(今治方面)や、しまなみ海道の島々へ出張する場合、ここ福山が中継点となることが多い。だから福山に来る機会が多いのだ。
そして福山に来たら必ず立ち寄りたいのが、福山駅から徒歩5分ほどのところにある「洋食」と「おでん」が看板メニューの「自由軒」だ。
その創業は昭和33年(1958年)というから、創業60年を超える老舗である。

店内はコの字カウンター20席程度の小ぢんまりとした空間。2階に座敷席もあるのだが、今は1階のみの営業で、2階は使っていない。
カウンター席の奥が厨房スペースで、全体がつながった一連の空間になっているため、カウンター席に座っていても、厨房の様子を伺うことができる。
カウンター側は2人、厨房側は3人ぐらいで切り盛りされている。

入口を入ると目の前がコの字の頭の部分で、そこに四角いおでん鍋が据えられている。今日はそのおでん鍋の前に座った。
日曜日の昼どきとあって、店内はほぼ満員で、多くのお客さんが昼から飲んでいる。

私もまずは「大ビール」(大瓶ビール、630円)をアサヒでいただいた。(「大ビール」は、アサヒの他にキリンも選ぶことができる。)

この店での最初のつまみは決まっている。
いつも必ず、おでんの「スジ」(330円)と「豆腐」(150円)をいただいているのだ。
この店のおでんは、出汁(だし)だけで煮込まれていて、味は付いていない。これに自家製の味噌ダレか、ショウガ醤油をかけていただく。私は、ほぼいつも味噌ダレにしている。

甘みがあって濃厚な旨みの味噌ダレは、府中味噌をベースに、ゴマ、チンピ(ミカンの皮)、ケシ、アサ、サンショウなどを加えて作ったものなんだそうな。
これらは七味唐辛子の材料でもあるので、当然のように七味唐辛子との相性も良い。
七味唐辛子をたっぷりとかけて、豆腐の上にスジを一切れずつのせながら、一緒にいただく。これが旨いんだなぁ。
毎回いただいているのに飽きることがない。

大瓶ビールを飲み終えて、続いてはこの店で「麦水(むぎみず)」と呼ばれている、麦焼酎の水割り(380円)をいただく。
「麦水」には、「レモン」、「梅干」、「何も入れない」が選べるが、いつも「何も入れない」をもらっている。(レモン、梅干は有料です。)

つまみには「ねぶと」(400円)を注文。
「ねぶと」は、「メンパチ」「テンジクダイ」「イシモチ」とも呼ばれる小魚で、夏場(5~9月頃)が旬。
硬い耳石(じせき)がある頭部を切り落として、胴体部分を唐揚げにしてくれるのだ。
小イワシも旨いが、ネブトも旨い。
瀬戸内海の小魚には、ハズレがないのぉ!

午後1時を過ぎるとお客さんも減ってきて、店内にも空席が目立つようになってきた。
緊急事態宣言の間(広島県は2021年5月16日から6月20日まで)、お酒を出さずに営業されていたそうで、お客さんたちがまだ完全には戻ってこないんだそうな。いずこも同じ状況のようだ。

「麦水」(380円)をおかわりして、つまみには「あらだき」(550円)をもらう。
「あらだき」と一緒に煮込まれてる大根が旨い。瀬戸内海の魚の旨みがたっぷりだ。

この「あらだき」は、今日の手書きホワイトボードメニューの中の一品。他には「玉ネギ天」(450円)、「れんこん天」(450円)、「アスパラ天」(450円)、「竹の子天」(450円)、「ふぐ皮」(450円)、「いわし煮付」(550円)、「竹の子煮付」(330円)、「サヨリフライ」(500円)、「酢れんこん」(330円)、「里芋煮付」(330円)、「ちいちい酢味噌」(450円)、「やきなす」(330円)、「昆布としいたけ煮付」(330円)といった品々が書き出されている。
ここには今が旬の季節ものが並んでいることが多いので、毎回、必ず確認するようにしているのだ。

1時間半ほどゆっくりと過ごさせてもらって、今日のお勘定は2,820円でした。
どうもごちそうさま。
(次回) 22.06.04 豆腐、牛スジ、ねぶと … 洋食・おでん「自由軒(じゆうけん)」(福山)
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