牛ホルモン串で超満腹 … 「中畑商店(なかはたしょうてん)」(神戸)
東京で「もつ焼き」というと豚モツを焼いたものだが、関西の「ホルモン」は牛モツのようだ。
そんな牛モツの串焼き(ホルモン串)が人気のお店が神戸にあるということを知って、神戸市内での仕事が終わったあと、同行者と3人でその店にやって来た。
店に着いたのは午後5時前。先客はおらず、店主ご夫妻が、店の奥のテレビでのんびりとニュースを見ている状況。
入口を入るとすぐ目の前が、焼き台前のカウンターで、我われ3人はそこに案内された。
メニューはとってもシンプルで、ホルモン串は、「ホルモン(肺)」(1本70円)、「アバラ(カルビ)」(1本140円)、「シンゾー(ハツ)」(1本140円)、「レバー(肝)」(1本140円)の4種類のみ。
飲みもの(酒類)も、「ビール」(大瓶600円、小瓶400円、生ビール500円)、「チューハイ」(400円)、「日本酒」(400円)とシンプルだ。
さっそく「生ビール」(500円)を3人前注文すると、すぐに店主がホルモン串を焼き始め、生ビールが到着するより先に、ホルモン串が焼き上がってきた。
ホルモン串は、いったん焼き終えたものがスタンバイされていて、お客が来ると、それを鉄板で焼き直して出してくれるので、出が早いのだ。
ちなみに我われが注文したのは生ビールだけで、ホルモン串は特に注文はしていない。
お客が来ると、次々に焼き直しては焼き台前に造りつけられた金属トレーに並べてくれるので、好きなものを好きなだけ取って食べるというのが基本のようだ。
向かって左からホルモン、シンゾー、アバラ、レバーの順。
まずは一番人気のホルモンを手に取って、横に置かれたタレに、どっぷりとくぐらせてからいただく。
ホルモンは牛の肺。東京では「フワ」と呼ぶことが多いのだが、こちら神戸では「バサ」と呼ぶそうだ。
東京では「フワ」は煮込みの材料として使われることが多く、串焼きには出会ったことがない。
その名のとおり「ふわふわ」と軟らかいのが「フワ」の特徴なんだけど、ここの「バサ」は、鉄板上に並べて、店主が両手に持ったコテでジュージューと押しつけながら焼き上げるからか、とってもいい弾力感に仕上がっている。
そして何よりも、ニンニクのよく効いた、この甘辛いタレがいいよね! 何本でも食べられそうだ。
並んだ順に、ホルモン→シンゾー→アバラ→レバー、左に戻って、またホルモン→シンゾー→アバラ→レバーと食べてるうちに、すぐに生ビールも飲み干して、同行のAさん、Yさんは熱燗(400円)を、私はチューハイ(400円)をもらった。
熱燗は「白鶴」の1合瓶で出されるんだけど、実はこれはガラス瓶だけを再利用したもので、中身は「賀茂鶴」とのこと。
氷入りのサワーグラスで出してくれるチューハイのほうは、「樽ハイ倶楽部」(ウォッカサワー)でした。
みんながどんどん串を食べるもんだから、焼き直しできる串が底をついてきて、生から焼き上げてくれる串も登場した。
特にレバーは、生から焼き上げたものが美味しいですねぇ!
みんなの串を取るスピードが遅くなったところで、ちょっと味変してみようと、皿の「センマイ(生)」(700円)と「ミノ(焼)」(850円)を注文した。
いやぁ、この「センマイ(生)」も美味しいこと! 口の中がすっきりとリフレッシュされた。
ミノは焼き終えてから「塩にしますか? タレにしますか?」と聞いてくれる。ここのタレが美味しいので、ミノにもタレをかけてもらった。
さすがは上ミノ。コリッとしていながらも軟らかい弾力感と味わいがすばらしい!
さらに飲みものもおかわりを続け、串も食べ続け、食べた後の串を入れるための竹筒に、串が入りきらないほどになった。
閉店時刻の午後7時が近づいてくると、店主ご夫妻は、奥の小さなテーブルで納豆をおかずに晩ごはんである。関西でも納豆を食べるんですねぇ。
ちなみに店主ご夫妻は小豆島(香川県)のご出身。
大阪で暮らしていた20代半ばに、この店を居抜き物件として手に入れ、開業されたそうだ。それ以来、今年で54年である。
そろそろ閉店時刻というところでお勘定をお願いすると15,450円。ひとり当たり5,150円にもなって我われもびっくり。
というのも、食べログ等のネット情報では、ひとり1,000~1,999円の予算というのが、この店の評判だったからだ。
しかしながら、よく飲み、そしてよく食べたもんねぇ。
3人で、酒類を13杯、ホルモン串を70本ほど、そしてホルモン皿を2人前。
これだけ飲み食いすれば、それくらいになって当然だ。
牛ホルモンだけで超満腹になった幸せな夜でした。
やぁ美味しかった。どうもごちそうさま!
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