なかなか元に戻らない … やきとん「すっぴん酒場」(野方)
会社の帰りに「すっぴん酒場」にやって来た。
店内の先客は大常連のSさん。私もその手前側に立ち位置を決めると、何も注文しなくても、すぐに「黒ホッピー」(450円)と「お通し」(200円)のお新香が出される。
さっそくSさんと乾杯を交わし、一口めのホッピーをキューッと吸い込む。
ッカァ~~~ッ。仕事終わりのこの一杯がうまいねぇ!
これまでに何度も繰り返してきた、この冒頭のフレーズ。
さかのぼること2年半ほど前、新型コロナが登場するまでは、ここ「すっぴん酒場」に毎週のようにやってきていたのだ。
当時、足しげく通っていたのが、ここ野方の「すっぴん酒場」と荻窪の「やきや」、そして高円寺の「ほんずなし」だった。
平日(月~金)の仕事の帰りは、必ずどこかの酒場に立ち寄って、ひとしきり飲んでから家に帰るのが当時の生活のリズムだったのだ。
そのかわり、飲むのは1日1軒だけ。午後8時半ごろには家にたどりついていた。
この飲み方を勝手に『横に倒したハシゴ酒』なんて呼んでいたものだっだ。
月~金の5日間のうち3日は、「すっぴん酒場」のもつ焼き、「やきや」のイカ料理、そして「ほんずなし」の青森料理となるもんだから、自由になるのは残り2日のみ。
この残りの2日を、これら3軒以外の酒場に行く日にしていたのでした。
ところが!
新型コロナが見つかり、2020年4月7日に東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県に緊急事態宣言が発令され、4月16日には対象範囲が全国に広がった。
学校も休校になり、私の会社も在宅勤務になった。通勤がないので、帰り道での酒場への立ち寄りもできない。
多くの酒場が休業となり、「ほんずなし」は閉店してしまった。
最初の頃こそ、『あぁ、早く外で飲めるようにならないかなぁ』と、いつもいつも思っていたのだが、人間はまさに習慣の生き物。そんな暮らしが1ヶ月を超えて続くうちに、家飲みが生活習慣としてしっかり根付いてしまった。
2021年9月30日に4回目の緊急事態宣言が明けたときには、『これでいよいよ外飲みも復活できるか!』とちょっと喜んだのだが、年末にはオミクロン株による新規感染者が増えてきて、年明けには全国の広い範囲に「まん延防止等重点措置」が適用された。
出張が多い仕事なので、地方に出かけたときはその地方の酒場を楽しむことができていたのだが、このほぼ全国的な「まん延防止等重点措置」で、出張先でも普通には飲めなくなってしまったのが残念だったなぁ。
その「まん延防止等重点措置」も2022年3月21日をもって終了したが、今に至っても新規感染者は顕著には減っていないし、GWの終わり頃からはむしろ増加傾向にあるようだ。
そんな状況下でも、「すっぴん酒場」、「やきや」には、店が営業している時は、多くの常連さんたちが毎日のように通われていたそうだ。
先日、今治の居食屋「声聞」に伺ったときも、女将さんが「毎日毎日、来る人は決まってるのよ。わが家の続きみたいなもんなんじゃろうね」と笑いながら話してくれた。
おそらく、地域に根付いた大衆酒場の多くがそういう状況だったに違いない。
それに比べると自分は、営業再開後も2ヶ月に1回ぐらいのペースでしか、「すっぴん酒場」や「やきや」などの行きつけだった酒場にも行けてないなぁ。出張が多い仕事とはいえ、かなり残念な状況だ。
ところで「すっぴん酒場」は、緊急事態宣言が解除され、営業を再開したときに、何品かの品を値上げした。
主なところでは、100円だった「もつ焼き」の最低価格が150円になり、「お通し」の値段も150円から200円になった。
品物と引換の現金払い(キャッシュ・オン・デリバリー)なので、現金の受け渡しがしやすいように、もともとの価格設定が50円ピッチだった。だから『ちょっと値上げする』という場合でも、50円単位で上げるしかないのでした。
ここに来たらいつも注文する「れば」「ちれ」「しろ」(各150円)と「もつ煮込み」(450円)はもちろんのこと、今日は「さがり」「はつみみ」(各150円)、「ハラミナンコツ」「あぶらにんにく」(各150円)もいただいて、「黒ホッピー」はソト1・ナカ4(最初のセット450円+ナカ250円を3杯)。
ゆっくりと2時間ほど立ち飲んで、キャッシュ・オン・デリバリーの総支払額は2,900円でした。どうもごちそうさま。
(次回)22.08.27 準備中に飲むのも楽し … やきとん「すっぴん酒場」(野方)
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