豆腐、牛スジ、ねぶと … 洋食・おでん「自由軒(じゆうけん)」(福山)

自宅や職場がある東京以外の地域で、もっとも訪問頻度が高い酒場がここ「自由軒」だ。
しまなみ海道沿いの島々や、さらにその先の今治方面への出張が多いので、ここ福山が新幹線から乗り換えるポイントになっているのだ。

今日も今日とて、コの字カウンター席の左奥に座り、まずは「大ビール」(630円)と、おでんの「豆腐」(150円)、「スジ」(330円)からスタートした。
ほぼ毎回、最初の注文はこの3品なのだ。すっかり自分の定番になってしまっている。
「大ビール」は大瓶ビールのこと。アサヒとキリンが選べるので、今回はアサヒスーパードライにした。
おでんは基本的に1品が150円。「スジ」(牛スジ)の330円と、「ロールキャベツ」の300円だけが例外的な価格設定である。
他のおでんはすべて丸皿に一緒盛りにしてくれるのだが、「スジ」だけは小鉢についでくれる。
出汁だけで煮込まれているおでんには、基本的に味はついておらず、丸皿や小鉢に取り分けた後、汁を切って、自家製の味噌ダレか生姜醤油をかけていただくのだ。
私はここの味噌ダレが好きなので、たいてい味噌のほうを選んでいる。
先日、姫路に行ったときに、『姫路おでん』の存在を知った。「おでんに生姜醤油をかける」というのが『姫路おでん』の特徴。ただし、こちらは味のついた出汁で煮込まれていて、それに生姜醤油の味をプラスするというもの。これもこれで美味しかった。
ここ「自由軒」のおでんの味付けに生姜醤油が使われているのは、姫路となんか関係があるのかなぁ?
「豆腐」と「スジ」を食べ終えたところで、カウンターの中のおねえさんに、「今日はネブトはおる?」と確認する。
「おる?」というのは、「いますか?」ということ。本来ならば「今日はネブトはありますか?」と聞くところなのだが、ネブトがない場合に、店のお姉さんが、「ごめん。今日はネブトがおらんのじゃ」と返してくれることが多いので、いつからかこっちも「おる?」と聞くようになったのでした。
「おるよ。ネブト、ひとつねぇ~~っ!」と、厨房に注文を通してくれるお姉さん。あぁ良かった。今日はおった。

おでんの「豆腐」と「スジ」を食べた後、「ねぶと」(400円)がおったらネブトもいただく。これもまた定番の流れだ。
ちなみにネブトというのは、瀬戸内海の小魚のひとつで、テンジクダイ、メンパチ、イシモチなどとも呼ばれている。体長が3~5センチぐらいしかないのだが、硬い骨のある大きな頭を切り落として唐揚げにするため、実際に食べられる部分は、その体長の半分ぐらいになってしまうのだ。
この小さな魚体に、旨みがギュッと詰まってるんですねぇ!
こりゃ燗酒だな。大瓶ビールを飲み終えたところで、「日本酒」(380円)を熱燗で注文した。

「日本酒」の銘柄は、地元・福山の「天寶一」。注文を受けてから、おでん鍋の横に付いている燗づけ器で、燗をつけてくれる。
ネブトまでのルーティンが終わったら、ここから後はその日の好みで気になったものをいただく。なにしろ店内にずらりと張り出されている短冊メニューの品数が多いので、まだ食べたことがない料理も多いのだ。

そんな中から選んだのは、これまた好物のひとつ、「キムチ納豆」(330円)だ。
キムチ、納豆、刻みネギを小鉢に盛って出してくれるので、これを自分でグリグリとかき混ぜていただく。

これは自宅でもマネすることができるので、家呑みの時もときどき作って楽しんでいる。
お酒が進むこのつまみに、熱燗もおかわりした。

最後にもう1品、と注文したのは「ごぼう空揚」(330円)。
久しぶりに注文した料理なんだけど、ゴボウのほんのりとした甘みがたまらない。

これは焼酎だね。「麦焼酎」(380円)をロックでもらった。
今回もまた、2時間近くゆっくりと過ごさせてもらって、お勘定は3,310円。
やぁ、美味しかった。よく飲んだ。どうもごちそうさま。
(次回) 22.07.16 大雨の影響が残るなか … 洋食・おでん「自由軒(じゆうけん)」(福山)
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