自家製・今夜の酒泥棒 … やきとん「たつや」(沼袋)

久しぶり。沼袋「たつや」である。
来るたびに新しい料理やお酒に出会うことができて、とってもワクワクするもつ焼き屋なんだけど、いかんせん、新型コロナウイルスが出てきて以来、店の営業時間と、私の勤務時間がズレてしまって、なかなか来ることができずにいたのでした。

店の営業時間が変わったわけではない。私の勤務時間が、一時間半ほど早めにタイムシフトした勤務になったので、仕事が終わって、沼袋~野方あたりに戻ってくるのは午後4時過ぎ。午後5時開店の沼袋「たつや」は、まだ開いていない時間帯なのだ。
今日は所用で遅くなり、沼袋駅に到着したのは午後5時半。
ここぞとばかりに「たつや」にやって来たのでした。

カウンター席の一角に座り、「ホッピーセット」(460円)からスタートする。

最初のつまみは決まっている。「冷製の盛り合わせ」(550円)である。
これは昔風に言うと「もつ刺身」なんだけど、2015年(平成27年)から、豚肉や内臓を生食用として販売・提供することが禁止されたため、この「冷製」という低温調理法が前面に出てきたのでした。
変わった直後こそ、「これはなんちゃってレバ刺だ!」なんて悪態をついてたんだけど、食べ慣れてくると、冷製は冷製で、これまた美味しい。生とは違うものの、冷製ならではの良さがあるのだ。
しかも、今日の「冷製盛り合わせ」は、「れば刺」「たん刺」「がつ刺」という、自分好みの部位の三点盛り。実に嬉しいですねぇ!

ホッピーの「おかわりナカ」(300円)をもらって、続いては『焼きもの』の注文だ。
さっき、私の近くに入ってきた、いかにも常連さんらしきお客さんが、「焼きもの、おまかせで6本お願いします」と注文していたのを聞いて、私もそれに倣って、「こっちは4本。おまかせでお願いします」と注文。何が出てくるか楽しみだなぁ。

「たつや」の店主・藤井龍成(ふじい・たつなり)さんは、野方「秋元屋」で店長を務めた後、2010年(平成22年)3月に、ご自身の店「たつや」を開店した。
それから12年。今や東京を代表する大人気もつ焼き店の1軒だ。

そんな、いわゆる『秋元系』のもつ焼き屋なので、真っ先に出てくるのは味噌焼きかと思いきや、なんと「あぶら」(130円)のタレ焼きだった。
う~ん。久しぶりに食べた「あぶら」。これは旨いねぇ!!

2本目は「ちれ」(130円)のタレ焼き。これも間違いない。
このブログにも何度か書いたが、昔は「ちれ」はそれほど得意じゃなかった。プニプニ、クニュクニュとなんとも頼りなげな噛み心地が、あまり好きじゃなかったのだ。
ところが、野方の「すっぴん酒場」で、ちょっと良く焼き系の「ちれ」に出会って、「ちれ」そのものが持つ美味しさに、改めて気が付いて、すっかり好物に変わっていったのでした。

一皿で同時に出された3本目と4本目は、「ねぎま」(160円、写真手前)と「みと」(180円、写真奥)の味噌焼きだ。いやぁ、満を持しての味噌焼きですねぇ!
「ねぎま」は、『やきとん』ではなくて、『焼き鳥』。鶏もも肉と玉ねぎを交互に刺して焼き上げたものだ。ここ「たつや」には、『やきとん』も『焼き鳥』もあるのだ。
「たつや」の味噌ダレ、『焼き鳥』にも合いますねぇ!
初めて食べたのが「みと」。どこの部位か教えてもらったのに忘れてしまった(爆)。アブラっぽい食感から、筋肉っぽい食感まで、複雑に混じり合っていて、これは面白い! 今回は味噌焼きで出してくれたけど、醤油や塩も合うそうだ。

さらに「おかわりナカ」をもらって、「たつや」に来たら、忘れてはならない逸品、「もつカレー」をもらう。
ただし、普通の「もつカレー(パン付き)」(440円)にすると、それだけでお腹がいっぱいになってしまいそうなので、今日は「たつやのポテサラもつカレーがけ」(310円)を注文した。
「ポテトサラダ」も「もつカレー」も、どっちも食べることができて、量的にもちょうどいい。
他にも「うずらの玉子もつカレーがけ」(270円)というメニューがあったり、お好みの串にプラス110円で「もつカレー」をトッピングしてもらうこともできる。

ソト1・ナカ4の4杯目となる「おかわりナカ」に合わせるつまみは、「けいらさんちのしいたけ串」(220円)。
もともと鉄っちゃんだった店主は、今も日本の各地に出かけていっては、その地の美味しいものを発見し、仕入れてくる。
このしいたけは、北海道の計良(けいら)さんという方が育てているものなんだそうな。しっかりと肉厚で、旨みも強くて美味しいねぇ。

ここで飲み物も食べ物もちょうどなくなって、普通であればお勘定をするタイミングなのだが、久しぶりの「たつや」なので、もうちょっと飲み食いしていきたい。

燗酒二合「玉風味」(770円)と「いくらと塩辛おろし」(380円)を注文すると、合わせて『やわらぎ水』も出してくれた。
新潟・魚沼の「玉風味」は、ここ「たつや」では定番の日本酒といっていい。

「いくらと塩辛おろし」は、手書きの『本日のもつやすめ』メニューの中に、『今夜の酒泥棒』として紹介されていて、お店の自家製なんだそうな。
こりゃ本当に、日本酒にはぴったりのつまみだなぁ。
チマチマとつまみながら、ゆっくりと熱燗を楽しむ。

最後に、〆のつまみとして注文したのは「はらみポン酢」(380円)だ。
スライスした豚ハラミに、玉ねぎスライスがたっぷりとのっている。

これまたいいですねぇ。「たつや」のつまみにハズレなしだ。
たっぷりと3時間近く楽しんで、席料110円が加わって、今夜のお勘定は4,680円。
Suicaでピッと支払って、店を後にした。どうもごちそうさま。
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