昼から飲める激安酒場 … 立呑み「晩杯屋(ばんぱいや)野方店」(野方)
朝から猛暑の日曜日。「エアコンの取り換え工事があるから、しばらく家を出てて」と言われて、仕方なく(心の中では大喜びしながら)出かけたのは、野方の立呑み「晩杯屋」である。
その営業時間は午後1時から10時半までの9時間半。年中無休なのもうれしいところだ。
家の近くには、午前中から飲める酒場は見当たらないので、こうして午後の早い時間から飲める店が貴重なんですね。
店に着いたのは午後1時40分。
奥に向かって細長い店内は、2列平行の立ち飲みカウンターが伸びていて、左手壁際には立ち飲みテーブル4卓(その内1卓は簡易的なもの)が、店の奥に向かって並んでいる。
平行カウンターの一番手前がお勘定用のレジで、店の最奥部が厨房スペースになっている。
開店から40分ほどたったこの時間、平行カウンターの両側に、それぞれ3人ほどの先客がいて、立ち飲みテーブル席は、ご夫婦らしい一組のみで、ゆったりとした状態。
まずは「ホッピーセット(白)」(370円)を注文すると、店のおねえさんが、「今日のお魚は、奥のホワイトボードに書いています」と教えてくれた。
そのホワイトボードに並んでいるのは、「ウマヅラハギ刺し」(250円)、「黒ダイ刺し」(250円)、「イワシ刺し」(250円)、「チコダイ塩焼き」(310円)、「生ウニ」(490円)の5品。
その中から、先頭に書き出されている「ウマヅラハギ刺し」を選ぶと、醤油皿に肝もたっぷりと盛られてやってきた。
なんとねぇ! 250円という値段からして、ほんの数切れの刺身を想像していたのだが、こんもりと、ひとかたまりになるぐらいの量だ。7~8切れはあるだろうか。
さっそく肝入りの醤油皿に、醤油を入れて、刺身に肝をたっぷりと絡めながら、最初の一切れをいただく。
っくぅ~~~っ。うまいのぉ!
ハギにはやっぱり肝醤油だね!
そしてグビッと濃いめのホッピーだ。濃いめを指定したわけではないんだけれど、けっこうたっぷりと焼酎が入っているのがうれしいね。
最初のホッピー1杯を飲み終えて、「中」(230円)をもらうと同時に、「チコダイ塩焼き」(310円)を注文した。
「晩杯屋」では、「チュウハイ」が250円のところ、「ホッピーセット」は370円、「中」が230円と、他の店と比べてホッピーのお得感が少ない。
「チュウハイ」を4杯飲むと1,000円で、ホッピーを外1・中4(最初のセット+中3杯)で4杯飲むと1,060円と、なんとホッピーのほうが高くつくのだ。その分、「中」の焼酎の量が多いのかもね。(未確認です。)
「ウマヅラハギ刺し」も食べ終えて、『チコダイ塩焼きがなかなか出てこないなぁ』と思い始めたころ合いで、やっと「チコダイ塩焼き」がやってきた。
なんと! 小さいとは言え、尾頭付き、丸々一尾の塩焼きではありませんか!
えぇ~~~っ! と驚きながら、その身に箸を入れ、最初の一口をいただく。
おぉ。焼きたて、できたてで熱々のチコダイは、その身も厚くてとても美味しい。
これが310円でいただけるなんて、さすが「晩杯屋」じゃのぉ!
店のおねえさんに、「これが310円って、すごいですね!」と声をかけると、「310円は、晩杯屋ではリッチ価格なんですよ(笑)」という回答。
たしかになぁ。100円台のつまみが多いもんなぁ。
印刷された「本日のオススメ」に並ぶ料理は、全部で52品。最も安いのが「揚げにんにく」の90円で、最も高いのが「くじらベーコン」と「うなぎ串(2本)」の490円だ。
品数でいうと、100円未満が1品で、100円台が39品、200円台が8品、300円台が2品、そして400円台が先ほどの2品。
圧倒的に100円台が多いので、52品全体の平均価格も179円と、100円台におさまっている。これぞ「晩杯屋」、これこそ「晩杯屋」というつまみの値段ですね。
それでいて、この「チコダイ塩焼き」のように、注文を受けてから調理して、できたて熱々で出してくれるのが素晴らしい。
その「チコダイ塩焼き」の上側の半身を食べ終えたところで、3杯目となる「中」(230円)をもらう。
今日の店内は女性ばかり3人で切り盛りされていて、奥の厨房にひとり、カウンター内にひとり、そしてカウンターの外にひとりが常駐している状態。常連さんたちとも、親しげに言葉を交わしながら、ニコニコと働いている。
チェーン店と言えども、酒場は結局、人同士のつながり。常連さんとお店の人たちとの、いい関係性が構築されているから、店内の空気がやわらかいんだろうな。
お店の人は曜日によって違うそうなので、曜日ごとの特徴もあるのかもしれませんね。
「チコダイ塩焼き」も食べ終えて、3品目のつまみとして「納豆オムレツ」(180円)を注文すると、「オムレツひとつぅ~っ!」と厨房に通された。なるほど、これ以外にはオムレツ系の料理はないようだ。
出てきた「納豆オムレツ」は、やっぱりできたての熱々。スプーンも添えられている。
そのスプーンで、「納豆オムレツ」のど真ん中を、フワッとすくい上げると、トロリとやわらかい玉子の中には、納豆がたっぷりだ。
いやいや。これまたいいつまみですねぇ。
なんだか今日は感心してばっかりだ。
「納豆オムレツ」が残り半分ぐらいになったところで、4杯目となる「中」(230円)をもらって、「外」(瓶のホッピー)を注ぐと、ちょっとだけ「外」が残った。なるほどなぁ。頑張れば外1・中5でいける分量なのか。
最後は汁ものが欲しくて、「アラ汁」(110円)をもらって締めくくる。
西日本エリアでの、旨みたっぷり、具たっぷりのアラ汁に慣れているからか、ここのアラ汁は旨いんだけどちょっと出汁が薄く感じてしまう。具もちょっと少なく感じるなぁ。
あくまでも西日本と比較しての問題で、これはこれで十分に美味しいんだけどね。しかも、110円と安価なのもうれしいではありませんか。
久しぶりの「晩杯屋」、初めての野方店で、2時間ちょっと立ち飲んで、今日のお勘定は1,910円。
ホッピー4杯(外1・中4)に、つまみが4品で2千円に届かないというのが素晴らしい。さすが「晩杯屋」である。
しかも、店のおねえさんたちが明るくて、常連さんたちもとても楽しそうに過ごしているのがいいなぁ。
初めて来たけど、すごくいい酒場でした。どうもごちそうさま。
エアコンの工事も、そろそろ終わっているころかな。
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