野方で人気の大衆酒場 … 炭火焼「きさぶろうのやきとり」(野方)

ゴールデンウイーク連休中の午後3時過ぎ、野方(のがた)にやって来た。
「すっぴん酒場」はまだ開いていないし、「秋元屋」はゴールデンウイークで連休中。
でも大丈夫。野方の街には、他にもいい酒場がたくさんあるのだ。
「すっぴん酒場」や「秋元屋」が開いていると、どうしてもそのどっちか(あるいは両方)に行ってしまうので、こんな日こそ、これまで行ったことがない別の酒場に行ってみよう。
ずいぶん前から気になっていた酒場が、野方駅のすぐ近くにある炭火焼「きさぶろうのやきとり」だ。
野方駅から「すっぴん酒場」に向かうときに、この店の前を通るのだが、いつも大勢のお客さんたちでにぎわっているのだ。

開けっ放しの入口から入った店内は、左手がカウンター席(5席)で、右手がテーブル席。奥にもテーブル席がある他、2階にもテーブル席があるようだ。
店内はすでに多くのお客さんたちでにぎわっているが、カウンター席の一番入口に近い席が空いていたので、今日はそこに座ることにした。

すぐに注文を取りに来てくれたおねえさんに、まずは「チューハイ」を注文する。
この「チューハイ」、通常は320円なのだが、午後6時までのハッピーアワーだと、なんと37.5%引きの200円で飲むことができると、店頭の立て看板にも大々的に謳(うた)われているのだ。
こうなると、最初の飲み物は決まったようなもんだ。

このチューハイが出てくるまでに、1品めのつまみを選ぼうと、目の前のフードメニューを確認すると、なんとそこに並んでいる料理は、ざっと100品以上!
最も安い「もも肉」の焼き鳥(1本80円)から始まって、最も高いのが「カキ鍋」や「マグロ、イカ刺盛り合せ」の600円。100円台、200円台のものが多いのが素晴らしい。
さらに店の壁にも、フードメニューには載っていない短冊メニューがたくさん張り出されていて、すべてのメニューを確認するには、かなりの時間が必要そうだ。

そこで、まず1品めは、ざっとメニューを眺めた時に目に入った「鳥皮ポン酢」(200円)を注文することにした。
「鳥皮ポン酢」であれば、早く出てくるし、ゆっくりと食べることができるので、その間に、次の料理をじっくりと探すことができそうだ。
すぐに出てきた「鳥皮ポン酢」には、鳥皮の他に、春雨、にんじん(春雨と同じ細さにカット)、胡麻が入り、紅葉おろしがトッピングされている。
ここ「きさぶろう」も、お通しがない代わりに、席料100円がかかるようなので、「鳥皮ポン酢」のようなつまみは、お通しの代わりとしても、ちょうどいいですね。

ちなみに、この『席料100円』というのは、「秋元屋」の店主・秋元さんの発案だったと記憶している。
2004年(平成16年)に「秋元屋」をオープンした時に、「いちいち消費税の計算をするのは面倒くさいから」ということで、お客さんひとりにつき、一律100円の席料をいただいて、その分を消費税に充てたのである。
当時の消費税は5%。税抜き合計額が2,000円の場合に、その消費税がちょうど100円となるので、『席料として100円いただいておけば、お客さんもお店も、それほど損はしないだろう』という金額設定だったそうだ。
近くのお店でも、この方式を採用するところが出てきたため、席料があるお店も増えてきたのでした。
その後、2014年(平成26年)に消費税が8%に、2019年(令和元年)には10%に上がったため、席料の考え方は残ったまま、価格の改定も行われ、今に至っているのでした。

ハッピーアワーの「チューハイ」(200円)をおかわりし、2品めのつまみとして、壁の短冊メニューから、「あさり酒蒸し」(250円)を注文した。
出てきた「あさり酒蒸し」は、ちょっと大きめの小鉢にたっぷり。ひとりで飲むにはちょうどいい量だ。
こうして、1品200~300円ぐらいで、いろんな種類を食べることができるのがありがたいですね。
そして今日の最大級の『嬉しい誤算』は、「きさぶろう」はてっきり『焼き鳥屋』だと思っていたのに、そのメニューには、肉も魚も野菜も並んでいて、刺身から、焼き物、揚げ物、鍋物、ご飯物までと、とにかく幅広く、普通の『大衆酒場』か、それ以上のラインナップであったことだ。
さらには、ひとり3,300円で、焼き鳥盛合せ、揚げ物盛合せ、刺身盛合せ、オードブルが付いて、2時間飲み放題の宴会コースまである。
う~む。店の外観からはまったく気付かなかったなぁ。

3杯めの「チューハイ」(200円)をもらって、つまみはこれまた壁の短冊メニューの「めひかり天ぷら」(300円)を注文。
値段からして、メヒカリは2尾くらいかな、と思ってたんだけど、出てきたメヒカリは、なんと5尾!
内臓のほろ苦さに春を感じますねぇ。これは旨いや。
この「めひかり天ぷら」、当然のことながら燗酒にも合いそうだなぁ。
嬉しいことに、入口に最も近いこの席は、すぐ目の前が、お客さんたちへの料理が出される場所だった。
メニューに並ぶ品数が多くて、見るのも大変な状況なのだが、それらが続々と目の前を通過してくれるので、『なるほど。こういう料理なのか!』と実物で確認することができて、とてもラッキーだった。

4杯めの「チューハイ」(200円)には、「五目焼きおにぎり」(170円)を注文。
チューハイのレモンスライスは、おかわりのたびに1切れずつ足されるので、今は4切れ。このレモンの数でも、何杯飲んだかわかるようになっているんですね。

そして出てきた「五目焼きおにぎり」。炭火で炙ったカリッとした表面が旨し!!
添えられたタクアンのコク(旨み)が強くて、このタクアンだけでも、これまたいいつまみになる。
ゆっくりと2時間半ほど楽しんで、チューハイ4杯とつまみ4品でのお勘定は1,820円(支払いは現金のみ)でした。どうもごちそうさま。
ちなみに、店情報の営業時間は、メニューに記載されているとおり『(月-土)16:30-24:00、(日祝)15:00-23:00、無休』としていますが、平日ももっと早くから開いているような気がします。確認ができたら修正するようにしますね。
(食べログ) 炭火焼 きさぶろうのやきとり (焼き鳥 / 野方駅、都立家政駅)
| 固定リンク
コメント