ご常連客が多い人気店 … 「加賀藤(かがふじ)」(荻窪)
荻窪駅のすぐ近くにある「加賀藤」にやって来た。
店に着いたのは開店時刻から30分後の午後4時半。
入って右側のL字カウンター(12席)は、ほぼ満員状態ながら、かろうじて一番奥の1席が空いていて、そこに座ることができた。
さっそく「ホッピー(白)」(セットで490円)と「特製にこみ(小)」(350円)を注文して飲み始める。
お通しは出ないお店なので、すぐに出される「特製にこみ(小)」が、最初のつまみとしてちょうどいい役割を果たしてくれる。
『小』とは言いながら、ひとり用の土鍋に半分ぐらいの煮込みが出されるので、けっこうボリュームもある。
通常サイズの「特製煮込み」(490円)だと、それだけでお腹がいっぱいになってしまうかもしれないなぁ。
1杯目のホッピーはすぐに飲み切って、「中(なか)」(おかわり焼酎、310円)をもらった。
「加賀藤」という店名からもわかるとおり、ここは東京都を中心とする首都圏に50店舗以上の酒場がある、「加賀屋」系の酒場の1軒だ。
「加賀屋」の第1号店は、1965年(昭和40年)に板橋駅前で創業。店主が石川県の出身だったことから、「加賀屋」という店名になったそうだ。
その店で修業した人が『のれん分け』する形で、都内各地に「加賀屋」が広がっていき、その過程で、「ニュー加賀屋」、「加賀廣」、「加賀藤」といった店名の店も出てきた。
だから、チェーン店ではなくて、それぞれの店でメニューも異なり、それぞれの店ならではの個性や特徴がある。
都内に何店舗かある「三州屋」や、近年では「秋元屋」系のもつ焼き店の広がりに似た感じの展開なんですね。
「加賀屋」系の酒場に共通するのは、『もつ焼き・もつ煮込みが主力メニュー』ということだろうか。
ここ荻窪「加賀藤」の場合は、もつ焼きは、シロ、レバ、タン、ハツ、カシラ、ナンコツ、コブクロ、ガツの8種類があって、それぞれ2本で280円。
店頭には「もつ焼きオススメ5本セット」(700円)や、その5本セットに「特製煮込み」(490円)も加わった「晩酌セット」(1,190円)というメニューも貼り出されている。
卓上のメニューには、『人気 No.1』ということで、「焼肉」(2本320円)が紹介されている。これは『味付けハラミ』のことらしい。
3杯めの「中」とともに、その「焼肉」を注文すると、少し甘めのタレで焼かれたハラミが出てきた。
店の入口のメニューにも『大串もつ焼き』と書かれているとおり、もつ焼き1本が、ずっしりと重い。
ハラミは、モツはモツなんだけど、横隔膜の部分なので、食感も味わいも『ほぼ肉』。
これは美味しいねぇ!
『人気 No.1』の美味しさに感心して、4杯めの「中」には、『人気 No.2』と書かれている「ホルモン」(2本320円)を注文した。
「ホルモン」のほうは、『味付け大腸のうすいとこ!』という説明書きがある。
ほほぉ。こちらはピリッと辛い味付けで、こりゃまたいいねぇ!
そして、これもまた『大串もつ焼き』で、ボリュームもある。
これらのもつ焼きが『2本』セットなのが、ちょっとだけ残念なところだ。1本ずつ注文できたら、もっといろんな種類のものを食べることができるのになぁ。
カウンターにずらりと並んでいるみなさんは、私と同じか、それよりやや年配の、60~70代の男性ひとり客が多いようだ。
みなさん、毎日のように、この店の口開けとほぼ同時にやって来ては、ちょっと飲んで、ちょっと食べて帰っていくのが日課らしい。
店内に置かれているのが『ピンクの電話』(簡易公衆電話)なのも時代を感じますねぇ。
もつ焼き、もつ煮込みが主力メニューながら、日替りの手書き黒板メニューには、「タコブツ刺し」(500円)、「〆鯖酢の物」(450円)、「サンマ開き」(390円)などの魚介類や、「茄子タタキ風」(390円)、「空心菜炒め」(420円)などの野菜類も並んでいる。
短冊メニューの「激辛!!青唐味噌」(150円)にも引かれるなぁ。辛~い味噌を、チビチビとなめるように食べながら、お酒を飲むんだろうなぁ。
ホッピーをソト1・ナカ4で飲み終えたところで、今日は終了。
お勘定は2,410円で、お支払いは現金のみ。どうもごちそうさま。
いやぁ美味しかったなぁ。ご常連が多くて、昔から、この地に根付いた酒場であることがよくわかった。いい店だ!
「ここで毎日飲めるように、健康でいたいよねぇ」という、となりのご常連の言葉が身に染みました。
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