労働者の酒場で湯豆腐 … 「プロ酒場」(姫路)
「プロ酒場」。すごい店名だ。
『プロフェッショナルな店主が営む酒場』かと思いきや、実は『プロレタリアアート(労働者)のための酒場』を目指して、戦後すぐに開店した時に初代店主が付けた名前なんだそうな。
『労働者のための酒場』。仕事帰りに毎日のように立ち寄れる酒場を愛する私にとっても、ピッタリな店名ですねぇ。
これはぜひ行ってみなければ!
ということで、午後5時の開店時刻と同時に入店。
店のおねえさん(三代目の女将さんかな?)に「ひとりです」と告げると、「ここにどうぞ」とカウンターの入口側から2番目の席を指定してくれた。
厨房の様子を見ることができる、いい席のようだ。
最初の飲みものとして、アサヒ、キリン、サッポロが選べる「大びんビール」(620円)を、サッポロで注文すると、すぐにサッポロ生ビール黒ラベルが出された。
まずは1杯、グィッ~~ッと、のどを潤す。
ッカァーッ。うまいのぉ!
いつ飲んでも、きょう最初のこの1杯が一番うまい。
そしてつまみ。事前の調査で1品めのつまみは決めている。
メニューにも『名物』と書かれた「湯豆腐」である。
「湯豆腐」は、『大』(500円)と『小』(300円)の2種類が選べるところ、今日は『小』を選択した。
『大』があまりにも多くて、他のつまみが食べられなくなったら残念ですもんねぇ。
卓上のメニューには、『やっぱり出汁。プロ酒場は毎朝、昆布とカツオ、水素水で丁寧にお出汁を作っています。その出汁を使ったメニューをご紹介します』と書かれていて、「湯豆腐」(大500円)・(小300円)、「豚汁」(300円)、「かす汁(冬季限定)」(大400円)・(小300円)が書き出されている。
とそこへ、カウンター越しに、小鉢に盛られた「湯豆腐(小)」が出された。
「湯豆腐」と言っても、首都圏でよく出されるような、ポン酢醤油をつけて食べるタイプではなく、出汁そのものに味がつけられている『スープ豆腐』タイプ。
この汁(スープ)が旨いんだなぁ。
「よかったら黒七味をかけて食べてみてください」と出してくれた黒七味が、ビシッとした味の締まりを醸し出してくれるのも嬉しいところ。
飲み始めの最初のつまみとしてピッタリだ。
ちなみに「湯豆腐(大)」のほうだと、小鍋に固形燃料付きで出されて、ずっと熱々でいただけるようだ。
この「湯豆腐(小)」で、大瓶ビールを飲み切って、続いては「たいあら炊き」(400円)と「播州一献本醸造」(500円)を燗で注文した。
今はマグロとサーモンが全国区になった感があるが、我われの年代だと、東はマグロ、西はタイという印象が強かった。
だから今でも、西日本に来ると、ついタイを注文してしまうのだ。
ここの「たいあら炊き」は、身が硬くなるぐらいまでしっかりと煮込まれていて、骨にへばりついている身まで、すべてを美味しくいただくことができる。
これは嬉しいねぇ。
しかも量もすっごく多いもんだから、半分も食べないうちに、最初の燗酒は飲み終えて、「白鶴(二合)」(740円)を熱燗でもらった。
「白鶴」も灘(兵庫県)の酒である。
店内には、ご常連らしきお客さんたちが、ひとり、またひとりと入ってきた。
新開地の「赤ひげ姉妹店」もそうだけど、ここもカウンターの一人客同士が賑やかに話したりすることはほとんどない。黙食だ。
知ってる人がいると、入ってきた時に挨拶はするんだけど、その後はそれぞれが静かに飲んでいる。
失礼ながら関西というと、いつでもどこでも、ものすご~くしゃべりまくっているイメージがあったんだけど、まったくそんなことはない。
もしかするとこれが兵庫県の酒場の特徴なのかなぁ。
「白鶴(二合)」の熱燗を飲み切っても、まだちょっと「たいあら炊き」が残ってる。爆発的に長持ちするつまみだなぁ!
しかも部位によって、いろんな食感が味わえるのが『あら炊き』のいいところだ。
大瓶ビールと、燗酒が合わせて3合に続いては、芋焼酎「黒霧島」(400円)をロックでいただいて〆とした。
ゆっくりと2時間ちょっと楽しんで、今夜のお勘定は3,010円。
PayPayで支払って店を後にした。どうもごちそうさま。
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