ブラジル国民食で飲む … 「ユリショップ(Yuri Shop)」(弁天橋)
3年ぶりにやって来たのは、鶴見にあるブラジル料理店、「ユリショップ」。
これまではランチタイムにしか来たことがなくて、夜に来るのは初めてだ。
店に入るとそこはコンビニのような造りになっていて、ブラジルの食品や雑貨が売られている。
その店舗部分を通り過ぎて店の奥に進むと、食堂スペースになっているのである。
食堂スペースには、4人掛けのテーブル席が10卓ほど並んでいて、日曜、午後5時半の店内には、先客が二組10人ほど。
一組は男性2人客で、もう一組は2家族らしき8人連れ。
全員が日系ブラジル人の方らしく、店内にはポルトガル語が飛び交っている。
「いらっしゃいませ」と迎えてくれるわけでもなく、席に案内してくれるわけでもないので、自分で適当に空いている席に座り、テーブル上に置かれているメニューをじっくりと確認する。
メニューは大きく3つに分かれている。
「セットメニュー(定食)」、「一品メニュー(つまみ)」、そして「サンドイッチ」だ。
日本の場合は『一品料理』に、ごはん、みそ汁、漬物などを足したものが『定食』になっていて、一般的には『一品』よりも『定食』のほうが高いんだけれど、ここのメニューはというと、ライス、フェイジョン、フライドポテト、サラダが付いた『定食』よりも、『一品』のほうが高いのが面白い。
たとえば、メニュー冒頭の『牛肉ステーキと玉ねぎ炒め』の場合、『定食』が1,300円なのに対して、『一品』は1,500円。他の料理も、ほぼこのくらいの差である。
確認したわけではないが、『定食』よりも『一品』のほうが量が多いんだろうなぁ。それしか考えられない。
しばらく待っても誰も来ないので、厨房との間のカウンターのところに男性店員さんが来たのを見計らって、そこに行って、「生ビール」(450円)と「フェイジョアーダ」(1,800円)を注文すると、7番と書かれたリモコンのようなものを渡してくれ、すぐに生ビールも出してくれた。
お店の人から積極的に注文を取りに来てくれないのがこの店のやり方のようで、お店の人を呼ぶか、あるいは先ほどのカウンターのところで注文するのが暗黙のルールのようである。
(ブラジルにいるときは、どのお店に行ってもちゃんと注文を取りに来てくれたので、このルールは、「ユリショップ」だけの独自のルールのようだ。)
1杯めの生ビールを飲み終えるぐらいのタイミングで、手元の7番のリモコンが振動し、赤いランプがチカチカと点滅した。
これが料理ができあがった合図らしい。
この合図が出ると、本来は自分でカウンターのところに取りに行かないといけないようだが、今日はたまたま女将さんがカウンターの近くにいたので持ってきてくれた。
おぉ~っ。久しぶりのフェイジョアーダ。懐かしいなぁ。
しかも日本のフェイジョアーダは、見た目もすごく美しい。
大きなメインプレートには、ライス、コウビ、ファロッファ、ヴィナグレッチ、サラダが盛りつけられていて、それとは別の、丼状の器にフェイジョアーダ。
ライスは、ブラジルでも普通に食べられるのですが、向こうは長粒米で、油で炒めた米で炊くからか、できあがりも粘りっけがなくてパラパラ。
このパラパラごはんと、フェイジョンやフェイジョアーダの相性がいいんですねぇ。
残念ながら、ここ「ユリショップ」のライスは、日本風の粘りっけがあるごはんでした。
コウビというのは、ケールのこと。炒めたケールを添えるのが、フェイジョアーダの定番。カレーライスに必ず福神漬けが添えられるようなものでしょうか。
ファロッファは、キャッサバ芋の粉をあぶったもの。
特にこれといった味もなくて、カリカリとしたものなんだけど、ブラジルでは肉料理には必ずファロッファが添えられるほか、フェイジョンやフェイジョアーダのように、ライスと混ぜて食べる料理にも、ほぼ必ずファロッファが付いてくる。
ファロッファは日本では有料だけど、ブラジルではほぼすべての店で無料サービスなので、これをガンガンとかけることで、カロリー的な満足度を増しているのかもしれません。
ヴィナグレッチは、玉ネギ、トマト、ピーマン、パセリなどの野菜を細かく刻んで、オリーブオイルやお酢と混ぜ合せた、ブラジルでは定番の野菜ソース。
シュラスコのような焼肉にかけることが多いんだけど、フェイジョアーダにも合うんですね。
そしてフェイジョアーダは、この店のメニューの説明では、『黒豆、豚肉、牛肉、スモークソーセージの煮込み』のこと。
ブラジルのフェイジョアーダには、干し肉や燻製肉、リングイッサという生ソーセージ、豚の耳や鼻、足、尾、皮なども使われていることが多いんだけど、ここのはモツなどは使わず、精肉だけの煮込みのようである。
すぐに生ビールもおかわりし、ライスと混ぜたフェイジョアーダに、たっぷりとファロッファを振りかけながらいただく。
さっきも書いたとおり、精肉だけのとっても上品なフェイジョアーダだけど、これはこれで美味しいなぁ。
個人的には豚モツなどもたっぷりと入った、もつ煮込み風のフェイジョアーダが好きなんだけど、ある程度の量が出ないと、鮮度の点で、モツを使うのは難しいんだろうなぁ。
特筆ものはヴィナグレッチ。日本の野菜はとても美味しいので、その野菜で作ったヴィナグレッチも、本当に美味しい。感動ものだなぁ。
最後は、「カイピリーニャ」(700円)を『セン・アスーカ(砂糖抜き)』でもらって締めくくった。
ゆっくりと2時間ほど、ブラジルの飲食とポルトガル語にどっぷりと浸って、今日のお勘定は3,400円で、支払いは現金のみ。
やぁ美味しかった。どうもごちそうさま。
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