雨が降っても傘いらず … 「赤ひげ 姉妹店」(新開地)

神戸に来ると「赤ひげ姉妹店」。自分の中では、もうすっかり定着した感がある。

奥に向かって細長い店内は、右手の厨房を囲むようにL字のカウンター席があり、左手壁際にもカウンター席が作りつけられている。通路を挟んで両側にお客さんたちが座るような形になるのだ。
店の奥のほうにはテーブル席もあって、グループでやってくるとここに通される。

ひとりの私は、店の奥のほうに進んで、L字の一番奥側、勝手口に近い席に座り、まずは「瓶ビール(大)」(540円)と、マイ定番の「湯豆腐」(190円)を注文した。
ここの湯豆腐は、西日本に多い、出汁で食べるタイプのもの。味は付けずに、そのままいただくのだ。それが旨いんだなぁ。
「赤ひげ姉妹店」、呉の「森田食堂」、そして川崎の「立ち飲み天下」。これら3軒は、特に出汁で食べるタイプの湯豆腐が楽しみで、行けばほぼ毎回いただいています。
豆腐はもちろん、やわらかく味付けされた汁そのものもいいつまみになるので、この湯豆腐だけで大瓶ビール1本を飲み切ることができた。

それはそうと、今年の2月に来たときは、「瓶ビール(大)」は490円、「湯豆腐」は160円だったので、お酒も料理もちょっとずつ値上げしたようだ。それでも全体的には安いけどね。

短冊メニューで掲示される今日の『サービス』の品は、「はまちの造り」(350円)、「ぶりのとろ造り」(400円)、「まぐろ造り」(350円)、「たいの造り」(290円)、「ねぎとろ付出し」(350円)の五品。
いつもカウンター上の壁に張り出されているこれらの品を、立ちあがって見に行ってたら、焼き物担当のおとうさんが、トイレ横の壁にも貼られていることを、ニコッと指差して教えてくれた。

この焼き物担当のおとうさんの他に、揚げ物担当のおとうさん、刺身や煮物担当のおとうさんというベテラン3名が厨房での調理担当で、レジ近くのおでん鍋のところにいる丸刈りのおにいさんが店長さんのようだ。
厨房の外(ホール)は、若い男性ひとり、女性ふたりのアルバイト店員さんが担当している。

今日のサービスメニューから「たいの造り」(290円)を注文し、飲み物は「酒」(350円)を熱燗でもらった。
なにしろ『明石の鯛』にも近い街なので、神戸に来ると鯛をいただくことが多いのです。
今日の鯛も間違いなく美味しいなぁ。

続いて「焼鳥盛合せ」(4本400円)を注文すると、厨房には『とりもり』という符丁で通される。
「ずり(塩)」(100円)、「かわ(塩)」(100円)、「ねぎ身(タレ)」(100円)、「きも(タレ)」(100円)の4種4本セットである。
面白いのは、これらの焼鳥が、今治の焼鳥と同じように鉄板上で焼かれるということ。
この近くの「中畑商店」の牛ホルモン串や、「ホルモン焼 しのぶ」の豚ホルモン串焼も鉄板で焼かれているので、もしかすると神戸もまた、串焼きは鉄板で焼くのが普通なのかもしれないなぁ。
神戸と今治に共通する特徴として、古くから続く造船所がある街ということが言える。昔から、船の材料として使うような厚めの鉄板を、普通に手に入れることができていたのかもしれませんね。

燗酒をおかわりしたところで、新たに入ってきた若いお客さんから「牛ステーキ」(450円)の注文が入った。
「牛ステーキ」の450円という値段は、たまに「とらふぐ唐揚」(480円)や「スルメイカ姿焼」(480円)などが入って逆転されることもあるが、いつもあるメニューの中では、この店での最高級品だ。
「牛ステーキ」の注文が飛んだ途端に、近くに座っていた常連さんからも、「牛ステーキ!? ウソやろ!」と思わず声が上がるほどの一品なのである。
この「牛ステーキ」も、焼き物担当のおとうさんによって、目の前の鉄板で調理されていく。
鉄板の上にのせられたのは、それ用に切り分けられた牛肉4枚。
これがジュージューと焼きあげられていくのだ。こりゃまた美味しそうじゃのぉーっ!
「牛ステーキ」と「焼鳥盛合せ」との差は50円。次に来たときは「牛ステーキ」にもチャレンジしてみようかなぁ。

「焼鳥盛合せ」を食べ終えて、この店の名物のひとつ、『関東煮(かんとだき)』の、「牛すじ」(130円)と「こんにゃく」(100円)を注文した。
先日のブログ記事で、週刊大衆での「レンジでチン煮込み」のことを紹介させてもらったが、最近はコンビニで売っている「牛すじ煮込み」もとても美味しくて、たいていコンニャクと一緒に煮込まれている。
そこで今回の注文も、この組み合わせにしてみたのでした。
「牛すじ」と「こんにゃく」。弾力感の相性がいいね!
そして辛子がすごく効く。その辛子も汁に溶かし込んで完飲した。

ゆっくりと2時間ちょっとの『酒場浴』。今夜のお勘定は2,350円でした。
どうもごちそうさま。

今日の神戸は午後からずっと雨模様ながら、宿泊先の神戸駅近くのホテルまでは『メトロこうべ』の地下街を通ると、傘もささずに帰ることができるのだ。
夕方、ホテルから「赤ひげ姉妹店」に来るときも傘いらずだった。
雨にも風にも負けずに店に行けるということもまた、とってもありがたいことのひとつだと再認識しました。
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