カタメンで締めくくる … 台湾料理「第一亭(だいいちてい)」(日ノ出町)

「第一亭」で飲んでいたら、創業店主の長女の桜田富美枝さん(二代目)がお店に来られて、厨房に入った。
現在、「第一亭」の厨房は、次女・木村雪枝さんの息子さんが、三代目として調理を担当していることが多いので、調理場に立つ富美枝さんの姿を拝見するのは久しぶりだ。
ここぞとばかりに「五目ヤキソバ(かたい)」(通称『カタメン』、800円)を注文して、お姉さんに作ってもらった。
「五目ヤキソバ」は、まず麺を揚げて、五目餡を作ってと、その工程が多いのだ。
三代目のような派手な鍋振りはないのだが、まったく無駄のない焼き方で「五目ヤキソバ」ができあがっていく。
これはもう長年の職人技と言ってもいいんだろうなぁ。
「はいどうぞ」と出してくれた「五目ヤキソバ」の美味しそうなこと!
だれもが注文する超名物的な裏メニュー、『野毛のペペロンチーノ』こと、「パターン」(600円)も確かに美味しいんだけど、こうして手間ひまをかけて作った「五目ヤキソバ」は、「パターン」とはまた違う『旨さの奥行き』があるように感じるんだなぁ。
ちなみに大人気の「パターン」が、いまだに裏メニューであり続けているのは、『「パターン」は賄いであって店の料理ではない。手間がかからない簡単な料理はメニューにしない』という創業店主の方針に基づいているんだそうな。

このコクのある「五目ヤキソバ」に合わせて、すっきりとした「ハイボール」(500円)を注文した。

木曜日の今日、横浜での仕事を終えて「第一亭」にやって来たのは午後6時。
テーブル席にはお客さんが多いものの、カウンター席にはまだ空きがあって、奥の角のあたりに座ることができ、「ビール」(キリンクラシックラガー中瓶、550円)と「チートのしょうが炒め」(650円)からスタートした。

『チート』というのは豚の胃袋のこと。
これも昔から人気のメニューだが、ドラマ『孤独のグルメ』で紹介されてから、さらに人気が急上昇した。
私自身は、なんといっても「ホルモン炒め」(650円)が、ここ「第一亭」で最も好きな料理なんだけど、それでも何回かに一度は、この「チートのしょうが炒め」も食べたくなるんだなぁ。

「チートのしょうが炒め」で中瓶ビールを飲み切って、「老酒(ラオチュウ)」(650円)を燗でもらうとともに、「豚耳軟骨」(550円)を注文した。

「豚耳軟骨」は、細くスライスした豚耳に刻み白ネギをトッピングし、特製ミソを添えて出してくれるもの。
横浜駅近くの「豚の味珍(まいちん)」の豚耳ともまた違う味わいで食べていて楽しい。
ここ「第一亭」の料理も、「豚の味珍」の料理も、他の店で同じようなものに出会ったことがなくて、横浜に来る楽しみのひとつにもなっている。
家の近くにこういう店がないかなぁと探していてチェックしているのが西荻窪の台湾料理「珍味亭」だ。
「珍味亭」なら「豚の味珍」の豚料理の元祖となった中国の豚料理や、同じ台湾料理の「第一亭」と共通するような料理が食べられるのではないかと強い期待を抱いているところです。

その「豚耳軟骨」を食べ終わるころに、お姉さん(富美枝さん)がお店に来られて、冒頭でご紹介したような「五目ヤキソバ」への流れとなったのでした。
ちなみに今回は「五目ヤキソバ(かたい)」(800円)のほうを選びましたが、「五目ヤキソバ(やわらかい)」(800円)や、汁そば(ラーメン)版の「五目そば」(800円)もあります。
なお富美枝さん、雪枝さんの弟で、創業店主の長男のシンガーソングライター“masa中山”こと中山政彦さんは、2018年(平成30年)に「第一亭」の2階にワインバー「J.J.returns」を開店し、そこの店主をされています。

ハイボールをおかわりして、2時間ほどの酒場浴。今日のお勘定は4,200円でした。
どうもごちそうさま。
| 固定リンク | 0
コメント