イカ大根の予感が的中 … 立呑み「やきや」(荻窪)

11月も下旬に入った。
ということは、そろそろ「やきや」のイカ大根が始まるんじゃないか?!
そんな予感に誘われて、仕事帰りに荻窪に向かった。
店に着いたのは午後4時半。
いつものように、店内はすでに満員状態ではあるが、L字カウンターの長辺の真ん中あたりに、ちょうど一人分の空きがあり、そこに立つことができた。

まずはいつものように「ホッピー」(白セット360円)をもらって、それを作りながらメニューを確認する。
よしっ! イカ大根の上に貼られていたシールがなくなっている。
「イカ大根、始まってますか?」
念のために聞いてみると、
「今日から始まったのよ。よくわかったわねぇ。イカ大根の匂いがした?」
と笑う女将さん。
そうでしたか。今日からですか!
予感は正しかったなぁ。
さっそくその「いか大根」(350円)を注文した。

どーんと出された「いか大根」は、大きな大根が二切れに、一緒に煮込まれたイカ下足が添えられている。
どうよ、このボリューム!
今どき、おでん屋でも大根1個が200~300円という店がほとんど。
その大根が2個ですからねぇ!
これで去年と値段が変わらず350円というのがありがたい。
すぐに1杯めのホッピーを飲み干して、「ナカ(焼酎おかわり)」(170円)をもらう。

「やきや」は、今月(2022年11月)に入って値上げしたそうで、イカ料理はほぼ全品が290円となった。
イカ料理で290円じゃないのは、「げそわさ」の250円と、この「いか大根」の350円という2品だけ。
これまで短冊メニューで出されていた「いか焼」(290円)は、今回から通常メニューに仲間入りしたようだ。
「めかぶ」、「みそきゅうり」、「漬物」、「冷奴」の4品は、値段変わらず220円だ。
飲み物のほうは値上げせず、価格据え置き。
「どっちも値上げしたら申し訳ないものねぇ」
と女将さんは言うものの、値上げをしてもまだ安いよね。
もともと「やきや」の価格設定は、原価計算等に基づく厳密なものではない。
2018年に亡くなった大将(創業店主)が、「この値段なら自分も飲みに行くだろうな」という、客側の目線で価格設定したのが始まりで、それ以降の値上げのときにも、その思いが女将さんに引き継がれているのである。
我われ呑兵衛にとっては嬉しい限りですが、お店がずっと続いてくれることのほうが、もっともっと大切なので、あまり無理をしないでくださいね。
2杯のホッピーを飲んでも、まだ「いか大根」は食べ終わらず、さらに3杯めとなるナカをおかわりした。

とそこへ、他のお客さんから、今日の短冊メニューとして出されている「イカとんび」(290円)の注文が飛んで、焼き台に火が入ったので、私も「イカとんび」を便乗注文した。
「イカとんび」というのは、イカの口のこと。
中にある歯に相当する黒い部分(カラストンビ)は取り除かれていて、くるっと真ん丸な肉の部分だけを串に刺して焼いてくれる。
1串に6個、一人前は2串なので、この「イカとんび」だけで、なんと12匹分のスルメイカが使われているのである! ぜいたくな一品だよねぇ。
だから通常のメニューには入ってなくて、仕入れられた時だけ、短冊メニューが出されるんだろうな。
焼き台の上に載った生の状態だとけっこう大きいのに、火が入るにつれて、だんだん小さくなっていく。その分、イカの旨みもギュッと凝縮されていくんですねぇ。
この「イカとんび」で、ソト1・ナカ4となる4杯めのホッピーも飲み終えた。
いつもなら、ホッピーを1ラウンド終えたこの時点でお勘定をしてもらい、『1時間半ほど立ち飲んで、今日のお勘定は1,510円でした』となるところなんだけど、久しぶりの「やきや」なので、今夜はもうちょっと楽しんで帰りたい。

2ラウンドめとなる「ホッピー」(白セット360円)と、それに合わせる「いか刺身」(290円)を追加注文した。
「いか刺身」には、通常はワサビが添えられるんだけど、今日は「いか刺身は生姜でお願いします」と注文して、ワサビを、おろし生姜に変えてもらった。
ワサビでいただくのも、生姜でいただくのも、どっちも美味しいので、その日の気分で選んでいる。
刺身そのものは、「いか刺身」か「いかみみ刺身」(290円)が選べるが、1回の来店で、ひとりで注文することができるのは、どちらか1つだけなので気をつけましょう。

今日は「いか刺身」のほうを選んだので、焼き物を「いかみみ焼」(290円)にして、ホッピーのナカももらった。
「いかみみ焼」は、スルメイカのエンペラ(ヒレ)の部分を焼いたもの。
左右につながった、三角形の大きな形のまま焼きあげて、お皿に盛るときに細く切り分けて、マヨネーズも添えて出してくれるのだ。
このマヨネーズの上に、七味唐辛子を振りかけて、それをつけながら食べるのが美味しいんだなぁ。
午後6時を回ったところで、店を手伝うヨーコさんもやって来て、女将さん、カイトくん、ヨーコさんという、この店のフルメンバーが勢ぞろいした。
そのヨーコさんに、2ラウンドめ、3杯めとなるナカのおかわりをお願いする。

そしてつまみは、満を持しての「自家製塩辛」(290円)の注文である。
他にはない優しい味わいの「自家製塩辛」は、ここ「やきや」でしか食べることができない大名物の逸品なのだ。
『最後は絶対に自家製塩辛!』と、店に入った時から決めていた。
本当はホッピー1ラウンドで他のつまみを食べ終えて、最後に「自家製塩辛」を注文するのに合わせて「酒一杯」(280円)を熱燗でもらって、さらにもう1回、その燗酒をおかわりするぐらいのペースがちょうどいいのだが、今日は2ラウンドめのホッピーに入ってしまっているので、燗酒はあきらめた。
そうそう。その「酒一杯」も、これまでの「北の誉」(辛口〈赤ラベル〉)が、2022年10月で出荷終了となったため、「富貴」に変更になったそうだ。
「にごり酒」(300円)のほうは変わらず、「にごり酒 親玉 北の誉」が提供されている。

最後にもう1杯、ナカをもらって、2ラウンドめのホッピーを飲み終えた。
そして気がつけば、もう4時間も立ち飲んでいる!
電車なんかだと10分ほど立ってるだけでも疲れるのに、立ち飲みのときは疲れを感じないんだなぁ。まったく不思議なり。
立ち飲んだ時間のみならず、飲食した量のほうも、ホッピーがソト2・ナカ8に、八戸産のイカ料理は5品と、いつも「やきや」に来てるときの倍ぐらい。
そしてお勘定も3,250円と、これまたいつもの「やきや」の2回分ぐらいでした。

「いか大根」で始まって「自家製塩辛」で〆と、思いっきり「やきや」を堪能することができて、本当に良かった。
美味しかったなぁ、楽しかったなぁ。どうもごちそうさま!
(次回) 24.01.03 仕事納めの自家製塩辛 … 立呑み「やきや」(荻窪)
(食べログ) やきや 荻窪店 (立ち飲み居酒屋・バー / 荻窪駅)
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