にっきーさんちの台所 … 大衆酒蔵「酒一番(さけいちばん)」(中洲川端)
博多にやってきて、にっきーさんにぜひ連れて行ってもらいたい大衆酒場があった。
にっきーさんが『わが家の台所』と呼ぶほど行きつけにされている、大衆酒蔵「酒一番」である。
店は福岡市地下鉄・中洲川端駅の1番出口から歩いて1分ほどのところにある。
いつも満席の大人気店で、ふらりと行っても入れないことが多いそうだが、今日は事前ににっきーさんが予約しておいてくれたので、すんなりと入ることができた。
そしてにっきーさんがキープしている芋焼酎「龍門滝」(2,200円)を、にっきーさんはソーダ割りに、私はお湯割りにして乾杯すると、最初のつまみとして注文した「もちうお煮付」もすぐに出てきた。
ちなみに「もちうお煮付」のモチウオというのはイボダイのこと。
これは、日替りのおすすめホワイトボードに書き出されている料理の中の一品だ。
にっきーさんも含めて、毎晩のようにやってくる常連さんたちは、この店の定番メニューはほぼ食べつくしていて、ボードに書き出されている日替り料理を注文することが多いそうだ。
この日替りメニューがあるから、毎日通っても飽きることがないんですね。
「酒一番」は席料もお通しもなし。
「焼とり」が1本90円。一品料理も、「チーズ」、「納豆」、「もろきゅう」などの260円から始まって、千円を超えるものは「刺身盛合」、「鴨鍋」、「鴨すき焼」の1,250円ぐらいだ。
焼酎のボトルキープも900ml瓶が2,200円と安く、その上、それを割るための水やお湯は無料なので、毎日のように通えるんだそうな。
だからこそ、単身赴任のにっきーさんにとって、この店が『わが家の台所』となるわけですね。
にっきーさんは、転勤先のこちらの上司のオススメで、新たなお住まいのすぐ近くでもある「酒一番」にやってきたそうだ。
そして、毎晩気軽に寄れる値段はもちろんのこと、まるで博多のお母さんが作ってくれたような家庭的な味にどっぷりとはまり、この店に足しげく通うようになった。
その様子が、にっきーさんのブログ、「アル中ハイマー日記」で紹介されるもんだから、私も気になって気になって仕方がなかったのだ。
『博多に行ける機会があったら、にっきーさんにお願いして、ぜひ連れて行ってもらおう!』
ずっとそう思っていたのが、今回、やっと実現した次第。
コロナ禍で、いろんな店を探し歩けないということもあったようだが、新しく赴任した先で、自宅近くにこんな大衆酒場があれば、絶対に通ってしまうだろうなぁ。
私が横浜に単身赴任していたときの、「はまや食堂」(2015年に閉店)のことを思い出した。
にっきーさんは、昔から行きつけの酒場をとても大事にされてきた。
東京にいたときの「御天」(井草本店)、札幌のときの「第三モッキリセンター」などがそう。
ここ「酒一番」も、そんな酒場の仲間入りをしたんですね。
続いていただいたのは「おきゅうと」(370円)だ。
「おきゅうと」は福岡市の郷土料理で、エゴノリという海藻を干して、煮溶かして、プルンと固めたもの。
これを食べやすいように細くスライスしたものを、この店ではシンプルに醤油+おろし生姜で食べさせてくれた。
刻みネギやカツオ節、すり胡麻などもトッピングされている。
昔は朝ごはんの定番だったそうだが、今はこうして酒場のおつまみとしても楽しめるんですね。
「酒一番」の創業は昭和38(1963)年4月。私が博多で過ごした学生時代(1980年ごろ)には、すでに営業をしていたわけだ。
その頃は、わざわざ中洲まで飲みに出かけるということは、ほとんどなかったので、「酒一番」の存在も、にっきーさんのブログで見るまでは知らなかったなぁ。
まことにもって残念なり。
ひとり鍋が充実しているのも「酒一番」の大きな特長のひとつ。
メニューには、「鴨鍋」(1,250円)、「鴨すき焼」(1,250円)、「かきどて」(720円)、「ふぐちり」(730円)、「もつ鍋」(760円)、「水たき」(670円)、「すき焼」(620円)、「カレー鍋」(650円)、「キムチ鍋」(720円)、「とんちり」(550円)、「いわしちり」(670円)、「みそ鍋」(380円)、「湯豆腐」(380円)という13種類の鍋ものがラインナップされており、すべて1人前から注文することができる。
そんな中から、にっきーさんが注文してくれたのは、この店の名物という「カレー鍋」(650円)である。
鍋ものは、ガス台ではなくて、固形燃料で温めるタイプ。
初めていただく「カレー鍋」ながら、カレーが嫌いな人はまずいない。
ほんわりと優しいスパイス風味が、食を進めてくれますねぇ!
鍋の後には、うどんを入れたり、ごはんを入れたり、さらにはごはん+チーズでリゾットにしたりして楽しめるそうだ。
この店の唯一の欠点は、いつもほぼ満席なので、思いついたときにふらりと立ち寄るのが難しいところぐらいだろうか。
でもこれは、人気がある酒場には共通することですね。
こんな酒場が、家から数分のところにあることが、なんともうらやましい限りでした。
どうもごちそうさま。
博多の人気酒場に来ることができて本当に良かった。ありがとう、にっきーさん。
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