〆は猪鍋焼きラーメン … 居酒屋「葉牡丹(はぼたん)」(高知)他
(前編からの続き)
高知にやって来て、昭和27(1952)年創業の老舗酒場「葉牡丹」で飲んでいる。
地酒「松翁」(280円)で「よせ鍋」(772円)をいただきつつ、カウンターの中のおねえさんに、「鰹ハランボ塩焼きはあるんですか?」と聞いてみたところ、今はカツオが入らないんだそうな。
そのため、タタキなども、やむなく冷凍カツオを使っているとのこと。だから鮮度が要求される塩タタキはなくて、普通のタタキのみ。値段も1,045円と、通常(1,200円)よりも安く提供されている。
最後は「鰹ハランボ塩焼き」(475円)で〆ようと考えていたのに、これは残念だ。
それじゃぁと3本目の燗酒と一緒に注文したのは「煮込みトーフ」(178円)。
カウンターの奥のほうに座ると、煮込みや豆腐の鍋がすぐ目の前にずっと見えているので、大いに引かれてしまうのでした。
「煮込みトーフ」はホルモン煮込みの出汁で炊いた豆腐で、他にもシンプルに「豆腐」(178円)という名称のお湯で温めた豆腐もある。(未確認だけど冷奴もやってもらえるんじゃないかと思う。)
鍋ものの並びに、「湯どうふ」(660円)の短冊メニューも出されている。これはきっと鍋ものとしての湯豆腐でしょうね。ちなみに鍋ものはすべて3月末までの季節限定商品である。
それにしても、この「煮込みトーフ」もやっぱり旨いねぇ。
さっきの「よせ鍋」に入っていた豆腐とはまた違う。
同じ豆腐なんだけど、それを煮込んだホルモン煮込みの出汁と、寄せ鍋の出汁が違うからなんだろうなぁ。
メニューの『高知の珍味』のところに載っている「マイゴ」(712円)ってなんだろうなぁ?
ちびちびとお酒を呑みながらも、それが気になって気になって仕方がなかったんだけど、この記事を書くのにあたって、改めて調べてみると、これは貝。高知での呼び名がマイゴ貝で、標準和名はダンベイキサゴ。九十九里ではナガラミという名称で知られているそうだ。
ナガラミは聞いたことがあるなぁ。
この貝は『海の宝石』とも呼ばれていて、 味はサザエ、食感はアワビなんだって!
黒板メニューには『のれそれ有 あさりなし』という表記もあるが値段が書かれていない。
ここは川エビ唐揚げが880円だったり、生タコが1,045円、カンパチ刺が1,210円だったりと、『安いものは安く、高いものは高く』というメリハリのついた値付けなので、値段が書かれていないものを注文するのは、ちょっと怖いのだ。
安いほうを見ると、1本95円からの串揚げや、一人前2本で166円からの串焼きなどもあるんだけどね。
6時を回った頃には、座敷やテーブルは満席になった。カウンター席にだけ空きがある状態だ。
私も午後6時半には席を立った。
ゆっくりと2時間ちょっとの酒場浴。今宵のお勘定は2,726円でした。どうもごちそうさま。
「葉牡丹」を後に、ホテルに向かってトコトコと歩きつつ、周辺の飲食店を見て回る。
と、その時! 『鍋焼きラーメン』の文字が目に飛び込んできた。
『鍋焼きラーメン』は、高知市の西側にある須崎市発祥の名物料理で、須崎市内はもちろん、今では高知市内にも何軒か『鍋焼きラーメン』を提供してくれるお店があるのだ。
以前から『鍋焼きラーメン』もぜひ食べてみたいと思っていたので、お腹は空いてないんだけど食べて帰ろう!
お店は「くろちゃん食堂」。年配の女将さんが一人で切り盛りされていて、店内はテーブル席が3卓10席と、カウンター席にもひとり座れるようだ。
壁にずらりと並んだ短冊メニューは、ほぼ丼物と麺類。
入口近くの冷蔵陳列ケースに、おかずのお皿と各種ビールが並んでいるので、そこからおかずを取ってきて、ご飯と組み合わせたりすることもできるようだ。
飲み物は他には見当たらないので、このビールしかないんだろうなぁ。
「鍋焼きラーメン」(550円)は『トリしょうゆ味』と『いのししみそ味』の2種類が選べる。
須崎の元祖とも言える『鍋焼きラーメン』は鶏がら醤油ベースらしいんだけど、ここ「くろちゃん食堂」では『高知初』として『いのししみそ味』のほうを推してるみたいなので、そちらを注文した。
待つことしばし、受け皿にのった一人用の土鍋で「鍋焼きラーメン(いのししみそ味)」がやってきた。
テーブル上で女将さんがフタを取ってくれると、たちまち立ち上る大量の湯気。ツユはまだグツグツと泡立っている。
もともと出前のときにラーメンが冷めないようにと、鍋に入れて届けるようにしたのが『鍋焼きラーメン』の始まりだそうなので、出来立てをその場でいただく「鍋焼きラーメン」は、超がつくほどの熱々状態なのだ。
麺を箸で持ち上げて、フーフーと吹き冷ましながらちょっとずついただく。
具材は、猪肉のチャーシューが数切れに、薄くスライスした竹輪も数切れ、そして生卵と刻みネギなんだけど、生卵はツユの熱さにゆるやかに火が通りつつある。
猪肉のチャーシューは、豚肉に比べるとちょっと硬い感じがするが、まったくクセはないなぁ。美味しい。
具材が少ないので、〆のラーメンとしてもぴったりだ。
お腹に余裕があったら、残った汁にお店自慢の「玄米ごはん(小)」(120円)を投入して、おじや風にしていただいたりすると、これまた美味しいんだろうなぁ。
午後7時半にはラストオーダーの時間を迎え、店頭の灯りも消えた。
私もお勘定の550円を支払って店を出た。
こうして大満足のうちに高知での初日を終えたのでした。明日からも楽しみじゃ!
・「葉牡丹」の店情報 (前編) / 「くろちゃん食堂」の店情報 《YouTube動画》
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