当店名物!ぬた盛合せ … 酒処「かみや」(荻窪)

荻窪の老舗「酒処かみや」の不動の名物料理が「ぬた盛合せ」(540円)。
ところが! 私自身、何度か「かみや」に来ているのに、20年ほど前に一度だけ「ぬた盛合せ」を食べたっきりで、ほとんど記憶に残っていない。
今日は絶対に「ぬた盛合せ」を食べようと、来る前から強く心に決めていたのだ。

店に着いたのは午後5時前。
4時半の開店から、まだ30分も経っていないのに、店内にはすでに大勢の先客がいる。さすが当地の人気酒場ですねぇ!

奥に向かって細長い造りの店内は、入口の近くがテーブル席で、そこを突っ切って店の奥に進むと、右奥の厨房の前が5人分のカウンター席になっている。
一番手前と、真ん中の3番目の席には先客がいたので、私は一番奥の5番目の席に座った。
以前はカウンターは6席だったと思うんだけど、1席減らして、その分、ひとり当たりのスペースをゆったりとさせたのかな。

まずはキリン一番搾り、キリンラガー、キリンクラシックラガーの3種類が選べる大瓶ビール(670円)を一番搾りで注文した。
キリンラガーとキリンクラシックラガーの両方があるのも面白い。
両方をもらって飲み比べてみたい気もするが、ひとりで大瓶2本というのは、ちょっとしんどいなぁ。今度、誰かと一緒に来たときにやってみよう。

すぐに出された「お通し」(200円)は、大きめにカットされた3切れの竹輪。横にワサビ漬けが添えられている。

この店では、飲み物メニューは印刷されたものが卓上に置かれているのだが、料理のメニューは、すべて日替りの短冊メニューで、壁やカウンターの上部に掲示されている。
これがけっこう数が多いので、すべてを見るのは大変なのだが、今日は1品めとして頼む料理も、すでに決めている。

それは、昭和30(1955)年に創業した当時から変わらぬ味という、伝統の「もつ煮込み」(420円)だ。
ビールと、昔ながらの「もつ煮込み」でグングンと気持ちを高めていってから、名物の「ぬた盛合せ」に突入しようという腹づもりなのだ。
ックゥ~~ッ。予想してたとおり、この「もつ煮込み」は旨いねぇ。
他に「牛すじ煮込み」(560円)や「肉豆腐」(530円)なども短冊メニューに並んでいて気になるところだ。

「もつ煮込み」で大瓶ビールを飲み切って、いよいよ今日の主役である「ぬた盛合せ」(540円)と、それに合わせる「富貴2合」(630円)を熱燗で注文した。
すぐに出される「富貴2合」。
ちなみに「富貴1合」は350円なので、2合で注文すると1割引きってことですね。

さぁ来た! 「ぬた盛合せ」だ。
この店の「ぬた盛合せ」の人気の理由は、そのネタの豪華さと豊富さにある。
今日は、マグロ、ホタルイカ、シャコ、トリ貝、ホタテ、タコ、キュウリ、ワカメ、ミョウガ。どうですか!
添えられている練り辛子を酢味噌に溶かしつつ、1品ずつ大切に魚介類をいただいていく。
うぅ~~~んっ!
思わずうなってしまうほど旨いっ! そして燗酒が進む。
これはすごいなぁ。自分が知ってる限り、日本一ぜいたくで美味しいヌタだよなぁ!
もしかすると醤油で食べる刺身よりも、こっちのほうが美味しいかもしれない。

実はこの店には「海の幸盛合せ」(820円)という看板メニューもあって、これまた立派な刺身の盛り合わせをいただくことができるそうなのだ。(画像は「荒夜の酒場ハンター」より)
「ぬた盛合せ」や「海の幸盛合せ」が、こんな値段で提供できるのは、昔から店主自らが市場(晴海→豊洲)に出かけ、旬の安くて良いものを仕入れているからなんだそうな。
次回はぜひ「海の幸盛合せ」も食べてみよう!

そんなわけで、刺身は次回に先送りして注文したのは、店頭の看板メニューにも書き出されていた「いわし塩焼」(380円)だ。
カウンター内の厨房は、3世代らしき男性陣(二代目、三代目、その息子さん)と、大女将らしき女性(二代目の奥様)の、合計4人で大奮闘中。どんどん料理が作られていく。
この調理の様子を見ることができるのは、カウンター席だけの大きな特典だ。
それにしてもこのイワシ。丸々と脂ものってて旨いねぇ。
このところ、サンマにはほとんどお目にかかったことがなく、イカの値段も高止まり。
こんな美味しいイワシが、今後も獲れ続けてくれることを祈るばかりだ。

午後6時を回ると、店内はほぼ満席になった。
そこへ新たにカウンター席に入ってきた常連さんが、「ホッピーセット」(670円)を注文した。
店に入った時に飲み物メニューを見て、『ホッピーセットが670円(ナカ340円+ソト330円)って高いなぁ』と思ってたんだけど、その常連さんに出された「ホッピーセット」を見て、大いに納得した。
ナカ(焼酎)は、受皿に載せられた1合グラスにたっぷりと、受皿に溢れるほど注がれている。それに加えてソト(瓶のホッピー)に、ホッピーを作るための氷入りのジョッキ。このセットだけで、ソト1ナカ3でいけそうだ。
となると、1杯あたり223円。これはむしろ安いぞ!
そんなわけで、私も「富貴2合」の熱燗に続いては、「ホッピーセット」を注文した。

「いわし塩焼」をつまみに、ホッピーを予想どおりソト1ナカ3で飲み切って、ゆっくりたっぷりと2時間ちょっとの酒場浴。
お勘定の3,510円をPayPayで支払って店を出た。どうもごちそうさま。
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