瀬戸田レモンカクテル … バー「おち」(瀬戸田)

出張で瀬戸内海の生口島(いくちじま)にやって来た。
しまなみ海道の島々に出張するときは、歩いて行ける範囲に飲食店が少ないこともあって、行く先々の会社の宿舎に泊まらせてもらうことが多いのだ。
それらの宿舎には夕食も付いていて、お酒もいただくことができる。しかもとてもありがたいことに、どの宿舎も、すごくいい夕食や、すごくいいお酒を出してくれるんですねぇ。
今回の宿舎もそうでした。
だから、ここに滞在していて何も困ることはないんだけれど、せっかくこの島に来たので、島の酒場にもできればちょっと立ち寄ってみたい。
そんな思いで、宿舎でお酒付きの夕食をいただいた後、午後8時半過ぎに、ひとりでふらりと島の飲食店街に出かけてみたのでした。

向かったのは宿舎から歩いて20分ほど、瀬戸田港(せとだこう)の近くの『しおまち商店街』の中にあるバー「おち」である。
奥に向かって細長い店内は、L字カウンター12席。
先客は海外からの旅行者らしきカップルが一組だけ。
そのお二人がカウンター中央部に座っているので、私はその奥の、店主の立ち位置らしき場所の前に座らせてもらった。
卓上にはメニューは見当たらず、店内を見渡してもメニューはない。

しかしながら、カウンター内の棚には、いろんなお酒がずらりと並んでいる他、私のすぐ横、カウンターの外の棚には、各種焼酎も並んでいる。
まずは無難にということで、「ジンリッキー」を注文すると、「この季節、ライムがないんですよ」と店主。
なんと! そんなこともあるんですねぇ。
でもここはレモンで有名な瀬戸田である。
「瀬戸田レモンでいけますか?」と聞いてみると、1個だけ残っているとのことで、まずはそれをお願いした。

「ジンリッキー」のライムが瀬戸田レモンに代わった『ジンとレモンとソーダ水』。
砂糖が入らない瀬戸田レモンの「ジンフィズ」とも言えるかもね。

すぐに出してくれたチャームは、チョコ、ピーナッツ、サラダせんべい。
先客のカップルは、スイスから来られたサイクリストだそうだ。しまなみ海道ができてから、サイクリストが多いですもんねぇ。
店主もブロークンながら、普通に英語で会話しながら、好みに合わせたお酒を作っているのが素晴らしい。さすが観光地だ。

すぐに1杯めの「ジン瀬戸田レモン」を飲み切って、2杯めのおかわりをお願いするときに、「ジンの代わりにカシャーサで作ってもらえますか?」とお願いしたところ、「ピンガね」と言いながら、大量のボトルの中から店主が掘り出してくれたのが「イピオーカ」だ。
あららぁ~っ。これは懐かしいなぁ。
「イピオーカ」も、ブラジルから帰国してからは初めてかもしれない。
そのイピオーカ+瀬戸田レモン+ソーダが、間違いなく美味い!
こりゃいいねぇ。

「イピオーカ瀬戸田レモン」をいただきつつ、店主と会話を交わす中で、ブラジルにいた時に、ブラジルの東北地方(ノルデスチ)で造られたカシャーサ「ピトゥ」に、ブラジルレモンをちょいと絞り入れた、『焼酎の梅割り』ならぬ『カシャーサへのちょっとレモン搾り』をよく飲んでいたこと。その「ピトゥ」が、スーパーに並んでいる同じ量のミネラルウォーターよりも値段が安かったことなどをお話させてもらった。

スイスからの先客がお勘定をして席を立ち、客が自分ひとりになったところで、冒頭でご紹介したような店内の写真などを撮らせていただいた次第です。
午後10時過ぎまで、1時間ちょっとの酒場浴。今夜のお勘定は2,500円でした。
お酒が1杯1,000円ずつで、チャームが500円ってところかな。

「どうもごちそうさま。瀬戸田に来たらまた寄らせてください」とお礼を言うと、
「きっと忘れとるけん、次に来たら『ブラジル』と言ってね(笑)」と店主。
ビシッと渋いオーセンティックなバーでした。
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