釜石産の魚介で浜千鳥 … 「養老乃瀧(ようろうのたき)」(釜石)

東京から移動して、釜石駅に着いたのは午後7時半過ぎ。
駅近くのホテルにチェックインして部屋に荷物を置き、歩いて15分(1km)ほどの「養老乃瀧」に向かった。
駅の近くにも飲食店がないことはないのだが、なんとなく心惹かれるお店は、「養老乃瀧」もある大町エリアに多いんだなぁ。
しかも今日は、飲み始めるにはもう遅い時間なので、安心安全の全国チェーン居酒屋、「養老乃瀧」に頼ったのでした。

店に着いたのは午後8時過ぎ。
カウンター席あり、テーブル席あり、座敷席ありの店内は120人ほど入れるらしいのだが、入口近くのカウンター席やテーブル席は空いていて、「ひとりです」と入った私も、4人用テーブル席のひとつに案内された。

まずは「養老ビール」(中瓶572円)を注文すると、合わせて出されたお通し(319円)は「ふきの辛煮」(単品319円)。
この「ふきの辛煮」はグランドメニューにもある一品で、フキならではの味と香りに、ピリッとした辛味が加わって、ビールが進む進む。
これはいいですねぇ。

ビールを飲みながら手書きの「当店おすすめ」メニューを確認する。
「養老乃瀧」は全国チェーン店ながら、各店舗で、その土地ならではの名物料理をメニューに取り入れてくれているのがいいところなのだ。
たとえば今治店の「鳥かわ焼」や「若鶏唐揚(センザンギ)」、塩釜店の「浦霞 純米酒」。
そして、ここ釜石店の手書きホワイトボードには、『当店おすすめ』として、「釜石産」と書かれた魚介類がずらりと並んでいる!

そんな中から「本日のおすすめ刺身三品盛り」(1,045円)を注文すると、出てきたのはアイナメ、マグロ、サクラマスの三品盛り。
サクラマス(単品523円)は、産卵期に薄いピンク色の模様が浮かび上がることからそう呼ばれている。
アイナメとサクラマスは、ホワイトボードに釜石産と書かれている。添えられているワカメも、おそらく釜石産の「早採り生わかめ」(単品385円)なんだろうな。
三品の中ではマグロ(単品649円)だけが、グランドメニューにも載っている全国的な刺身だ。
改めて『当店おすすめ』のボードを見てみると、「油カレイ刺身」(528円)が売り切れで消されている。もう少し早い時間に来たら、マグロの代わりにこの油カレイが入って、すべて釜石産になってたのかもしれませんね。

中瓶ビールを飲み干して、『LINEの友だち追加』でもらえる「白鶴(大徳利)」(単品495円)を熱燗でもらう。

刺身に続くつまみとして注文したのは、同じく釜石産の「ヤナギカレイ一夜干」(550円)。
舞鶴に行くたびにいただいているササカレイ一夜干しも美味しいけれど、このヤナギカレイ一夜干しも、負けず劣らず美味しいではないか!
そう思って調べてみたら、ササカレイもヤナギカレイも、標準和名はヤナギムシガレイ。西日本ではササカレイ、東日本ではヤナギカレイと呼ばれているんだそうな。
なるほど、同じ魚だったんですね。どうりで美味しいはずだなぁ。

「白鶴」燗酒の後は、いよいよ釜石の地酒「浜千鳥」だ。
全国チェーン店ながら、釜石の地魚のみならず、釜石の地酒も置いてくれているところが嬉しいではありませんか。

7種類の「浜千鳥」が選べる中から、今日は「浜千鳥 特別純米酒」(300ml瓶、1,254円)を注文した。
去年来たときも思ったんだけど、釜石の居酒屋は、飲み物の値段がちょっと高めなんだなぁ。
というか、首都圏の酒場の飲み物の値段が安いから、それ以外の地方のお酒の値段を高く感じてしまうのかもしれません。

自分が入るのと同じ頃に店に入ってきて、カウンターで飲んでいるお客さんの角ハイボールのペースが半端ない。
私が中瓶ビールを飲んでる間に、ハイボールを4杯!
その後も同じようなペースで、ハイボールをグイグイと飲みながら、料理も食べる食べる食べる。
飲むも、食べるも、どちらも大量にいけるタイプの呑兵衛さんだ。
私が「浜千鳥」を注文する頃に、お勘定をして席を立ったのだが、ハイボールを10杯以上は飲んでたなぁ。もしかすると15杯ぐらいになってたかも。
こんなペースでハイボールを飲む人、初めて見た!
このお店の大常連さんのようで、そんなハイペースでハイボールをおかわりしても、店員さんは誰も驚かないというのも面白かったなぁ。

「ヤナギカレイ一夜干」を食べ終えたところで午後10時。
「焼おにぎり」(2個330円)などの炭水化物系で〆にするか、それとももう一品、釜石らしいつまみをもらうか、ちょっと迷って、釜石産の「ホヤ天ぷら」(528円)を注文した。

ホヤは、「ホヤ刺身」(528円)と「ホヤ天ぷら」があって、これまた迷ったんだけど、「ホヤ天ぷら」にしてみた次第。
新鮮な魚介類をいただく場合、刺身も天ぷらもどちらも美味しい。同じ食材でも、冷たい刺身と、熱々の天ぷらとでは、それぞれ味わいが異なるのがいいのだ。
今回、初めていただいた「ホヤ天ぷら」。予想どおり、刺身でいただくのとは違う、新たな旨みを発見することができました。

ところで、手書きメニューにある「サクラマス山漬焼」(523円)。この読み方がわからないので、お勘定をお願いしたついでに店のおねえさんに聞いてみると、『やまつけやき』と読むとのこと。
魚を山のように積み上げ、上下を入れ替えながら数日かけて塩漬けにする製法で、魚の保存性を高める効果と共に、旨みを引き出す効果があるんだそうな。
こちらではごく一般的な料理で美味しいらしく、「今度はぜひ」とおすすめいただいた。

2時間半ほどの酒場浴。今夜のお勘定は4,268円でした。どうもごちそうさま。
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コメント
浜田さん、ようこそ岩手へ
養滝を選ぶところ、このチェーン特性をお知りですごい。
釜石は地物の魚 たぶんマグロもうまいですよね。
一つ訂正させてください。
アイナメですが、エゾアイナメではないと思います。エゾアイナメを出すなら、ドンコと書きます。
関西の方でいうアイナメ:アブラメ(籾なくし)だと思います。沿岸の方の方言では、ネウ:根魚といいます。
海鞘の天ぷらは、つくるのにコツがあるのと、生きが良くないと、香りが臭くなります。
また、釜石に来た際には、京花さんをお勧めします。花巻の温泉で板長をした人なので、岩手の海、山、野の味を知っています。価格も安い。
投稿: PONTA | 2023.09.16 15:59
コメント、ありがとうございます。>PONTAさん
記事中のアイナメの部分を修正いたしました。
「京花」のご紹介も、ありがとうございます。
「かまりば」の一番奥(海側)ですね!
次の機会には、ぜひ伺いたいと思っています。楽しみです!
今後も年に1回ぐらいの頻度で釜石に伺うことができそうなので、いろいろと教えてください。
釜石のみなさんが、毎日のように飲んでいるような酒場に行ってみたいです。
ぜひよろしくお願いします!
投稿: 浜田信郎 | 2023.09.16 21:10