ホルモン鍋から屋台酒 … 焼肉・なべ「ほらふき」(呉)他

1週間の三原への出張を終えて呉へ。三原から呉まではJR呉線で2時間弱の行程なのだ。
呉駅前のホテルにチェックインし、トコトコと歩いて向かったのは、この店でしか食べることができない、独自のホルモン鍋が大人気の「ほらふき」である。

店に着いたのは午後6時半。
ひとりで店を切り盛りしている二代目女将に「あら、お久しぶり」と笑顔で迎えていただいた店内は、左手の小上がりに6人用の座卓が2つ。右手には4人用のテーブル席が2つ並んでいて、全体で20人ほど入ることができる。
先客は、小上がりの手前側に、会社帰りらしき4人連れのグループ客が一組のみ。
ひとりの私は右手奥のテーブル席に案内され、まずは「生ビール」(600円)をもらって喉を潤した。

追いかけるように出してくれた「付け出し」(100円)は「ピーマンとじゃこ炒め」。
呉には「音戸ちりめん」という名産品もあるほどなので、この「ピーマンとじゃこ炒め」も美味しいこと!
しかも生ビールによく合うではありませんか!

「ひとりじゃけぇ、『石鍋』にする?」
と女将が声をかけてくれるところを、
「暑いなか、駅からここまで歩いて来たんで、『石鍋』の前に、まずは『セン刺し』(700円)をお願いします。」
とセンマイ(牛の第三胃)の刺身を注文した。
自家製の赤いタレが添えられた「セン刺し」。見た目は辛そうに見えるんだけど、食べてみるとそんなに辛くはなくて、酸味が効いたいい味わいなんだなぁ。

「ピーマンとじゃこ炒め」に「セン刺し」という絶妙なつまみに、あっという間に1杯めの生ビールを飲み干してしまい、すぐにおかわりをもらった。

女将のお母さん(初代女将)がこの店を開いたのは、今から35年ほど前と言うから、昭和の終わりの頃だろうか。
新入社員だった私が呉にいたのも、昭和58(1983)年から、昭和63(1988)年までの、昭和の終わりの5年間だった。
その当時の私はまったく気付いていなかったけれど、同じ頃に、ここ「ほらふき」も創業していたんですねぇ。

店の看板メニューである「ほらふき鍋」(1人前2,900円)は、初代女将が家庭料理として考案し、ずっとご自宅で食べていたものを、「ほらふき」の創業を機に、店でも出すようになったもの。
ホルモン(牛腸)、ハチノス(牛の第二胃)といった牛モツのみならず、白菜、ネギ、タマネギ、もやし、えのきなどの大量の野菜に加えて、天ぷら、豆腐、もち、うどんが、ドーンとうず高く山のように盛られていて、1人前で、大のおとな3人が満腹になるほどの量なのだ。

生ビール2杯で、暑さもおさまったところで、「酎ハイ」(500円)をもらって、いよいよ「石鍋」(1人前1,500円)を注文した。

テーブルに埋め込まれたコンロの上に、もやしが山盛りになった「石鍋」が置かれる。
「石鍋」はホルモン(牛腸)の他に、ネギ、タマネギ、もやしが盛られた鍋で、こちらであれば、ひとりでもなんとか食べることができるのでした。

クツクツと煮て、もやしの山が平らになってきたら、そろそろできあがり。

鍋から直接だとすごく熱いので、ちょっとずつ小鉢に取り分けながらいただきます。

そして「酎ハイ」もおかわりだ。

「石鍋」を食べ終えた後に、鍋に残っているスープが、いかにも美味しそう。
これを味わうために、『鍋の追加食材』の中から「豆腐」(300円)をもらって、スープ豆腐としていただくことにした。

予想どおり、この店の鍋は汁まで旨いのぉ~~っ!

ゆっくりと2時間半ほど楽しんで、「ほらふき」のお勘定は5,200円でした。どうもごちそうさま。

「ほらふき」を出て、堺川沿いの屋台街へと足を向ける。
『あれれ? なんだか屋台の並び順が変わってるなぁ』と、ちょっと戸惑いながらも、すぐに「一二三」を見つけ出すことができた。
娘さんに加えて、お父さんも店に出られている。
しかも、外の席はお客が多いけど、屋台の中の席は空いているようだ。良かった。

「こんばんは。ご無沙汰してます!」
と中に入り、まずは自分の定番である「いいちこ水割」(450円)をもらう。
お父さんの『焼酎は濃くないと美味しくない!』という方針に基づいて、グラスの8~9割ぐらいまで焼酎がつがれ、残る1~2割の部分に水を入れてくれるのだ。
この『ほぼロック』の「いいちこ水割」が、たしかに美味しいんだなぁ。

「ほらふき」の石鍋でお腹がいっぱいなので、つまみには「ナスビ」(400円)をもらう。
ここの「ナスビ」は、注文を受けてから作ってくれるナスの塩もみ。
これがまたすっきり、さっぱりとしていて、私のような酔っ払いにぴったりなのだ。

サービスでちょこっと分けてくれたのが、おでんの天ぷらを鉄板で焼いたもの。
七味唐辛子がたっぷりとかかっていて、ピリ辛でとても旨い! いいですねぇ!

思わず麦焼酎の水割りもおかわりだ。
お母さんが出ていないのが残念だけど、娘さんが「一二三」の営業を続けていてくれることがありがたいですよねぇ。

さっくりと1時間ほどの屋台酒。
お勘定は1,300円でした。どうもごちそうさま。
堺川沿いには公衆トイレがたくさんあるので、屋台の客もまったく困らない。さすが呑兵衛タウン、呉ですねぇ!
・「ほらふき」の店情報 (前回) / 「一二三」の店情報 (前回) 《YouTube動画》
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