« 店情報: 居酒屋「ぴんぽん」(気仙沼) | トップページ | 仕事納めの自家製塩辛 … 立呑み「やきや」(荻窪) »

マグロのモツも旨いぞ … 居酒屋「ぴんぽん」(気仙沼)

Dsc01151a

 初めて食べた「チン刺」(385円)は、マグロの心臓の弁の部分。

 「心臓の弁がこんなに大きいの?!」とビックリする大きさだ。

 一枚の弁を薄く切って開いているから大きいんだそうな。

 刺身皿には酢味噌が添えられ、それとは別に胡麻油+塩の小皿も出してくれて、「お好みでどうぞ」って。どっちで食べても美味しいではないか!

 これまで豚モツ、鶏モツ、牛モツはよく食べてきたけれど、魚のモツは、魚卵と皮ハギの肝ぐらいで、それ以外はほとんど食べたことがなかったよなぁ。

 改めてその旨さと、プリッとした食感に感動した。

Dsc01136a

 今宵訪問している酒場は、気仙沼で1981年(昭和56年)に創業したという居酒屋「ぴんぽん」。

 2011年(平成23年)3月11日の東日本大震災で、店の1階は壊滅的な被害を受けたものの、2階で仮営業をはじめ、2014年(平成26年)には1階での通常営業を再開したそうだ。(「Syupo」の記事より。)

 私自身、気仙沼にやって来たのは今回が初めてだ。

Dsc01148a

 「どこでもどうぞ」と言われて、カウンター席の一番手前に近い席に座ると、まず目の前の置物に驚いた(笑)。

Dsc01146a

 気を取り直して「瓶ビール」(605円)を注文すると、「アサヒ、キリン、サッポロがありますが」とのことで、今日はサッポロを選ぶと、サッポロ黒ラベルの中瓶と一緒に出されたのは、グラスではなくてジョッキ。

 泡が立つように、ちょっと上から、ドドォ~~ッと勢いよくビールを注いでいただきました。

Dsc01144a

 ビールで喉を潤してから、おもむろに壁の手書きメニューを確認する。

 そして注文したのが冒頭でご紹介した「チン刺」だったのだ。

 それにしても、この「チン刺」をはじめ、「鮪星焼」、「タラチョ」、「コワダ煮」など、名前を見ただけでは何だかわからない料理も多い。

 気仙沼の人たちには当たり前にわかる名称なんだろうなぁ。

Dsc01152a

 「これも食べて」と、大将がカウンター越しに出してくれたのは、「サヨリの骨の唐揚げ」。

 これがもう、ビールにぴったりのつまみで、本当にありがたい。

Dsc01153a

 店内は入口に近いこのカウンター席の奥にテーブル席の間(ま)があり、さらにその両側に座敷席もあるようで、店全体では50席ほど。

 開店時刻の午後5時には、私も含めて5人ぐらいしかお客がいなかったが、少し経つと予約の電話がひっきりなしにかかってきて、その度に大将が「刺身の盛り合せだけ用意しておきますので、あとは来てからお願いします」と対応している。

 なるほどなぁ。常連さんたちは予約電話で席を確保しておいてからやって来るんですね。

 しかもそうすることで、到着と同時に刺身も出されるので、待つことなくつまみにありつくことができる。

 お通しがない当店ながら、予約の電話を入れておくと、刺身の盛り合わせがお通し代わりになるってことですね。

Dsc01155a

 ビールを飲み終えて、「麦焼酎」(385円)を水割りで注文すると、ジョッキにたっぷりの麦焼酎水割りを出してくれた。

 ッカァ~~ッ。焼酎が濃いねぇ!

 呑兵衛にとっては、すごくありがたい水割りだ。

Dsc01157a

 つまみには「鮪星バター」(385円)をもらう。

 『星』というのは、心臓のことなんだそうな。

 つまり「鮪星バター」というのは、マグロの心臓のバター焼きということ。

201006211830368fa

 本マグロの心臓は、人の手ぐらいの大きさで、普段は船の上でさばかれてしまうため、なかなか目にすることがないもののようだ。(写真は「旬のお魚情報満載 寿がやブログ」の記事より。)

240f49f9c9a

 そして我われ哺乳類の心臓が二心房二心室なのに対して、マグロも含む魚類の心臓は一心房一心室という単純な造り。写真の白い部分が心房で、赤い部分が心室だ。(写真は「横浜中央市場 まぐろ問屋【八清】」の記事より。)

 先ほどいただいた「チン刺」、『心臓の弁』も心房のところなんだろうな。

 「鮪星バター」には、白い部分も赤い部分も、両方とも使われている。

Dsc01159a

 麦焼酎の水割りをおかわりし、続いては「鮪卵子煮」(385円)を注文した。

7e23d779b6a

 魚体が大きいだけに、マグロの卵も卵巣自体は大きいんだけれど、卵の一粒一粒はタラコなどの卵の大きさとそれほど変わらない。(写真は「天然まぐろの焼津屋」HPより。)

Dsc01160a

 違うのはその卵を包んでいる袋の部分の厚みだろうか。

 ここがしっかりとしていて、ちょっと薄めのシロ(豚や牛の腸)のような食感なのだ。

 つまり、この「鮪卵子煮」だけで、魚卵とシロを一緒にいただいているような感じなのである。こんなモツは初めてだねぇ!

Dsc01162a

 こうなると『マグロの胃袋の煮込み』だという「コワダ煮」(385円)も気になって、これも追加注文した。

 う~~~む。予想どおり、これも間違いのない食感と旨さである。

 マグロのモツ。なんでもっと世の中に広まらないんだろうなぁ。

 産地だけでしか食べられていないのが、もったいなさ過ぎる。

Dsc01168a

 3杯めとなる麦焼酎水割りをもらって、〆のつまみは「アラ汁」(330円)だ。

Dsc01172a

 これまた魚のカブトなども入った『魚のモツ煮込み』とも言える料理で、魚の出汁がよく出たスープも美味しいこと。

 今日はあえて魚の身の部分ではなくて、モツの部分だけを選んでいただいたが、これらがずらりとメニューに並んでいるところが、いかに魚に恵まれた土地なのかを物語ってるよね。

Dsc01137a

 ゆっくりと3時間ちょっと楽しんで、お勘定は合計3,630円のところ、100円未満は切り捨てのようで3,600円でした。どうもごちそうさま。

 マグロのモツ。本当に美味しかった!

 今日は気仙沼名物というモウカザメの水揚げがなくて、「モウカの星(モウカザメの心臓)」が食べられなかったことだけが残念でした。

店情報YouTube動画

《令和5(2023)年12月5日(火)の記録》

| |

« 店情報: 居酒屋「ぴんぽん」(気仙沼) | トップページ | 仕事納めの自家製塩辛 … 立呑み「やきや」(荻窪) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 店情報: 居酒屋「ぴんぽん」(気仙沼) | トップページ | 仕事納めの自家製塩辛 … 立呑み「やきや」(荻窪) »