とん汁でソト1ナカ5 … 「いづみや本店」(大宮)
日曜日の午後6時半。
「ひとりです」と入った「いづみや本店」の店内は、ぎっしりと満席状態だ。
年中無休の「いづみや」は、平日のみならず、日曜日もにぎわってるんですねぇ。
『もしかしたら入れないかも』とちょっと不安に思ったが、店のおねえさんが「こちらにどうぞ」と案内してくれて、細長いテーブル席の、おじさんの向かい側に案内された。
『おろろ? 知らない人同士で、せまいテーブルを挟んで向かい合わせになることもあるんだな』と思いながらも、まずは「ホッピー」(430円)と「いづみや名代もつ煮込み」(170円)を注文した。
するとそのホッピーを作り終えるまでの間に、向かい側のおじさんは席を立って帰っていった。
なるほどなぁ。おじさんのお勘定が終わっていて、すぐに席を立つのが分かっていたから、その向かい側のこの席に案内してくれたんですね。
面白かったのはマドラー代わりの割箸。
「ごめんね、マドラーが全部出ちゃってるので、代わりに割箸を使ってね」と言いながら、その割ってない割箸の先っぽを開いて、瓶の口を挟むようにセットしてくれた。
「ホッピーの中に入れちゃうと泡がいっぱい出るから。こうしておくと泡は出ないのよ」とおねえさん。
なるほど! その手があったか!
ホッピーを注文しても、マドラーを出してくれないお店も多くて、そういう時は、よく割箸を使っていたのだが、おねえさんが言うとおり、その割箸を瓶の中に入れると、泡がいっぱい立ってしまうのが困りものだったのだ。
目からウロコとはこのことだ。今度からこうしよう!
1杯めのホッピーはすぐに飲み切って、おかわりとなる「焼酎」(250円)をお願いすると、氷も追加してくれた。
2杯のホッピーで「もつ煮込み」も食べ終えて、3杯めとなる「焼酎」をもらうとともに、「しらすおろし」(300円)も注文した。
すぐに出てきた「しらすおろし」は、「しらす」も「おろし」もたっぷりだ。これに醤油をサッとかけていただく。
右どなりのおにいさんは、伝票がいっぱいになるぐらい飲み食いしているのに、さらに「ラーメン」(490円)と「チャーハン」(550円)を注文している。
思わず「すごいですねぇ!」と声をかけると、「まだ食べられるよ!」って。
彼はテレビの大食い番組にも出たことがあるんだそうで、『食べる』のみならず、『飲む』のも量が多い。どれだけ飲んでも、ぜんぜん酔わないんだって!
他人事ながら、エンゲル係数がすごいことになってるんじゃないかと心配してしまいました。
私のほうも4杯めとなる「焼酎」をもらってホッピーを作ると、まだソトがのこっている。
えぇ~~っ。これはソト1ナカ5でいけるなぁ!
もう1杯、飲めるんだったら、つまみももう1品もらおう。
「餃子」(330円)か「シュウマイ」(330円)、「肉豆腐」(250円)もいいねぇ。
「チーズ」(230円)+「韓国のり」(150円)というのもありだなぁ。
なにしろ壁にずらりと並んでいる料理の品数が多いので、迷うこと迷うこと。
迷いに迷って決めたのは「とん汁」(170円)。5杯めの「焼酎」と一緒に注文した。
これでソトもちょうど注ぎきって、ソト1ナカ5。
「とん汁」には七味唐辛子をかけていただく。
普通の味噌汁椀で出される「とん汁」ながら、豚肉も豆腐も、とにかく具材がたっぷりで、しかも美味しい。
これが170円って、どうよ!
名物の「もつ煮込み」に匹敵する『つまみ力』があるし、肉も多いしワカメも多い!
これまた絶対に頼むべき逸品だなぁ。
「もつ煮込み」でスタートして、何品か料理をいただいたあと、最後は「とん汁」で締めくくるという、今回のようなパターンが良さそうだ。
午後9時過ぎまで、2時間半ほど楽しんで今宵のお勘定は2,070円。
「いづみや本店」では初めての『ひとり呑み』だったが、良くも悪くも、ほっとかれるのがいい。自分の気持ちだけにしたがって、ゆっくりと飲むことができる。
その酒場にどっぷりと浸かって心身をいやす。『酒場浴』とは、まさにこういうことなんだなぁ、と改めて認識いたしました。
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