« 元祖もつカレー煮込み … 「金の字(きんのじ)支店」(新清水) | トップページ

懐かし旨しイギス豆腐 … 居食屋「声聞(せいもん)」(今治)

Dsc06364a

 今治の居食屋「声聞」で、「お通し」として出されたのは地元の郷土料理「イギス豆腐」。

 イギスというのは、今治市周辺の海岸で夏場にたくさんとれる海藻の名前。

 このイギスと、生の大豆粉を、だし汁で煮溶かして、エビや、人参・ごぼう・しいたけなどの野菜類も加えて、寒天のように固めたものが「イギス豆腐」なのだ。

 「残っとったエビなんかも全部入れたけん、今日のイギス豆腐は具が多いよ」と笑う女将さん。

 いやいや、それがとてもいいつまみになって、ありがたい。

 イギス豆腐、ここから20キロほどのところにある、故郷のわが家でも、夏場にはよく出されてたなぁ。すごく懐かしい味です。

Dsc06355a

 土曜日の今日、居食屋「声聞」に着いたのは、まだ明るい午後5時過ぎ。

 それでもビルの奥のほうにある「声聞」の入口あたりは、ちょっと薄暗くて、提灯の明るさが映えてますねぇ。

Dsc06359a

 開店直後の店内には、先客として、いかにもご常連らしき高齢の女性客がお一人。

 その方が、5人分ほどのカウンター席の右端に座っていたので、私は左のほうに座らせてもらって、まずは「ビンビール(大瓶)」(650円)。

 アサヒとキリンが選べるところを、父が好んで飲んでいたアサヒをもらって、グッと喉を潤したタイミングで、冒頭でご紹介したお通しのイギス豆腐が出されたのでした。

 イギス豆腐にアサヒビール。懐かしくて、美味しいなぁ。

Dsc06363a_20241130104401

 「声聞」には、卓上に置かれた印刷メニューの他に、日替りのおすすめメニューが、手書きのホワイトボードに書き出されている。

 この日替りメニューが季節感もたっぷりで、見ているだけでワクワクするのだ。

Dsc06365a_20241130104401

 そんな日替りメニューの中から、「地アジ刺身」(800円)を選ぶと、「今日は『なめろう』じゃけど、ええですか?」と確認が入って、「地アジなめろう」を出してくれた。

 アジは『なめろう』にしても美味しいんだねぇ!

Dsc06367a_20241130104501

 大瓶ビールも飲み終えて、いつものように故郷(松山市柳原)の地酒「雪雀」(450円)を注文すると、女将さんが、「もしよかったら、これ飲んでみん?」と、同じく愛媛(東温市志津川)の地酒「小富士」の冷酒を勧めてくれて、それをいただくことにした。

Dsc06366a_20241130104401

 目の前でトトトッと、枡にあふれるまで注いでくれる冷酒。

Dsc06368a

 初めて飲んだお酒だけれど、すっきりと飲みやすくて、これもいいですねぇ。

 女将さんのお勧めに従って良かったよ。

Dsc06371a_20241130104401

 カウンターの上段には、大皿のおつまみがズラッと並んでいて、その中に美味しそうな「鮭かま焼き」があったので、それを注文すると、温め直して出してくれた。

Dsc06370a_20241130104401

 故郷の地酒「小富士」に続いては、先月、5人で来たときにボトルキープした、麦焼酎「二階堂」の一升瓶を出してもらって、炭酸割りでいただく。

Dsc06373a_20241130104701

 つまみに「イシジャコ唐揚」(600円)を注文すると、「これから揚げるので、ちょっと時間がかかる」ということで、それを待つ間用の「枝豆」を出してくれた。

 これが、地元・今治産の枝豆なんだって。

 豆の旨みが濃くていいですねぇ。素晴らしい。

Dsc06374a_20241130104701

 さぁ、「イシジャコ唐揚」もできあがってきた。

 見た目でわかりますよねぇ。呉でメンパチ、福山でネブトと呼ばれているテンジクダイです。今治ではイシジャコと呼ぶんですね。

Dsc06375a_20241130104701

 なかに卵が入ってるのも嬉しいですねぇ。

 日替りのおすすめメニューには「小いわし天ぷら」もあって、どっちにするか、すごく迷って、「イシジャコ唐揚」にしたのでした。

 イシジャコは仕入れは安いけど手間がかかって大変な魚なんだそうな。それでもそれを出してくれる酒場があるのが、とてもありがたいことだと思います。

Dsc06379a

 すぐに麦焼酎「二階堂」の炭酸割りもおかわりだ。

 女将さんは呉造船でも働いていたことがあるとのことで、呉の街のこともよくご存知だった。

 その女将さんを手伝って、一緒に店を切り盛りしている若い男性は、中国から来たコウちゃん。去年の10月頃に店に入り、前にこの店を手伝っていた中国人のおねえさんから、短期間だったけど引継ぎを受けて、今に至っているとのこと。

 「できるだけ女将さんを支えたいです」と話してくれるのが嬉しいではありませんか!

Dsc06380a_20241130104701

 予約の4人客がやってきて、これから店が忙しくなりそうなところでお勘定をお願いした。

 ゆっくりと2時間半ほど楽しんで、今宵のお勘定は4,500円でした。どうもごちそうさま。

店情報前回) 《YouTube動画

《令和6(2024)年7月27日(土)の記録》

(食べログ) 声聞居酒屋 / 今治駅

◆ ◆ 追加情報 ◆ ◆

Dsc05312a_20241130111501

 本文中にも書いた、先月、5人で来たときにいただいた料理の数々も、簡単にご紹介しておきたいと思います。上の写真が、その日の「日替メニュー」です。

Dsc05317a

 奥のテーブル席を囲んで、まずは5人で「生ビール(中)」(500円)で乾杯。

Dsc05318a_20241130111601

 すぐに出された「お通し」は茹でエビでした。

Dsc05319a

 さっそく麦焼酎「二階堂」の一升瓶をボトルキープして、それを炭酸割りでいただきます。

Dsc05320a

 「カツオタタキ」(800円)は、サッと表面を炙ったタイプでした。

Dsc05321a

 「タコ天ぷら」(800円)。今治、松山のみならず、対岸の呉、広島のほうも含めて、瀬戸内では、たいていどこの酒場でも出される料理なのですが、関東ではあまり見かけないですよねぇ。

Dsc05322a

 「クジラ竜田揚」(1,000円)。昔、学校給食で出されていたクジラは、筋張ってて、とても硬かったんだけど、今のクジラはすごく軟らかい。

Dsc05323a

 「まぐろ切り落し」(800円)。逆にマグロは、子供の頃に食べた記憶はないんだけれど、今は愛媛でも普通に食べることができるんですね。物流が発達したおかげかな。

Dsc05324a

 「地アジ刺身」(800円)。来島海峡はタイだけじゃなくて、こんな立派なアジもとれるんですねぇ。

Dsc05325a

 「ミノ唐揚げ」(800円)。印刷された定番メニューにあったのは知ってたけれど、注文したのは初めて。大勢で来ると、いろんなものを食べることができて嬉しい。そして、この「ミノ唐揚げ」も美味しいじゃないか!

Dsc05327a

 「ハギザンギ」(800円)。カワハギの唐揚げである。本当は1人前は4個なのだが、5人だから5個出してくれた。ありがとう!

Dsc05328a_20241130111701

 「ゴボー唐揚げ」(500円)。サッと塩を振っただけのゴボーの、自然な甘みがいいよねぇ。瀬戸の海塩との相乗効果なのかな。

Dsc05330a_20241130111701

 ジャーン! 「漬物盛合わせ」(500円)である。写真、左上の椎茸の漬物が珍しくて、特に美味しく感じたなぁ。また食べたい。

Dsc05331a

 『そろそろ〆に』ということで、まずいただいたのが「ニラチヂミ」(700円)。チヂミもまた、この店の定番メニューなのである。

Dsc05332a

 「ホルモン焼」(800円)は、〆というよりも、普通のつまみだよねぇ。これも印刷されたメニューに載っている、いつでも食べられる料理です。

Dsc05333a

 「ニラチヂミ」が美味しかったので、もう一品、「海鮮チヂミ」(800円)もいただいた。いやぁ、すべての料理が美味しかったなぁ。ごちそうさま。

《令和6(2024)年6月13日(木)の記録》

(食べログ) 声聞居酒屋 / 今治駅

| |

« 元祖もつカレー煮込み … 「金の字(きんのじ)支店」(新清水) | トップページ

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 元祖もつカレー煮込み … 「金の字(きんのじ)支店」(新清水) | トップページ