初もののサンマ塩焼き … 「森田食堂(もりたしょくどう)」(呉)
久しぶりにやって来ましたねぇ、呉。
電車で呉駅に到着したら、まず真っ先に行きたいのが、大正2年(1913年)創業、今年で創業111年となる、呉駅前の老舗大衆食堂、「森田食堂」だ。
創業時は食堂を兼ねた旅館だったが、終戦直前の昭和20年(1945年)7月、呉空襲に遭い、戦後、食堂として営業を再開したそうだ。
土曜日、午後2時前の店内は、それほど混んでなくて、奥のテーブルにゆっくりと座ることができた。
「森田食堂」に来たら必ず注文したいのが、アサヒかキリンの大瓶が選べる「ビール大」(580円)である。今日はキリンをもらった。
なぜ必ず「ビール大」を注文するのか。その理由は、突き抜けるほどに心地よい抜栓の音を聞きたいからだ。
この店ならではの独特な形をした栓抜きをはめて、もう一方の手を手刀のように振り下ろすと、シュポッッ! と実に軽快な音を立てて栓が抜けるのだ。
っかぁ~~っ、今回もこの音が聞けて、うれしいねぇ!
そのビールをコップに1杯、キューッと喉を潤したところで、入口近くにある陳列ケースにおかずを選びに行く。
と、そこへ、女将の森田鈴子さんから、「今年の初もののサンマがもうすぐ焼けるけど、食べる?」と声がかかった。
なんと! 初ものとな! それは是非いただかなければ。
改めて席に戻ったところへ、初ものの「サンマ塩焼き」(400円)がやって来た。
焼きたての熱々がうれしいではありませんか。
焼きあがったばかりのサンマの、最も美味しいところがお腹の内臓の部分。
これをガバッと食べるのではなくて、ちょっとずつ、ちょっとずついただきながら、そのたびにビールもクイクイ。最高のつまみですねぇ! 幸せじゃ!
初サンマのあまりの美味しさに、最初のビール1本で、サンマもすべて完食してしまいました。
続く飲み物は「冷酒」(300ml瓶、680円)。
音戸の「華鳩 特純冷酒」か、呉の「千福 生貯蔵」が選べるところ、今日は「華鳩 特純冷酒」をいただきます。
合わせるつまみは、「森田食堂」を代表する名物料理、「湯豆腐」(300円)です。
毎朝、音戸のイリコ丸ごと(=頭や内臓を取らない全身)を使って取るという出汁は、旨みがたっぷり。
さらに仕上げに、たっぷりの『とろろ昆布』ものっけてくれるもんだから、旨みも倍増以上なのだ。
音戸のイリコに、音戸の地酒。合わないはずがない!
ここの「湯豆腐」、私はいつも、汁まできっちりと飲み干しています。というか、旨みの強い汁もまた、いいつまみになるんですよねぇ。
午後3時を回ると、店内もすいてきた。
「森田食堂」には定食メニューはありません。入口近くの陳列ケースから、好きなおかずを取ってきて、食事の人は「めし」や「みそ汁」を注文する。
我われ呑兵衛は、その「めし」や「みそ汁」の代わりに、ビールやお酒を注文するのでした。
「うどん」や「中華そば」もあるので、飲んだ後の〆にもぴったりです。
ゆっくりと1時間半ほど楽しんで、お勘定は1,960円でした。
やぁ、美味しかった。どうもごちそうさま。
初もののサンマをいただいて、寿命も七十五日延びたかな!
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