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呉の屋台のフルコース … 屋台「一二三(いちにっさん)」(呉)

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 日曜日の今日は、屋台「一二三」の口開けを目指して、午後6時半にやって来たところ、まだ開店準備中だった。

 開店準備中のお母ちゃん(=女将)が、「悪いのぉ、開くんは7時過ぎになりそうじゃ」と教えてくれた。

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 せっかくの機会なので、懐かしい呉の酒場街をじっくりと見て回り、7時過ぎに改めて「一二三」に戻ってくると、今度はちゃんと開いてました。

 というか、すでにお客さんがいっぱいで、むしろ座る場所があるかどうかが心配な状況だ。

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 ラッキーなことに、おでん鍋の前あたりに、ポツンとひとり分の空席があって、そこに座ることができた。

 まずは「ビール」(アサヒスーパードライ中瓶、650円)をもらってスタートである。

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 「1品めのつまみは、何にしようかな?」

 改めてメニューボードを見ながら考えているところへ、近くのお客さんから「ナスビ」(400円)の注文が飛んだ。

 おぉ、そうよ! この店の「ナスビ」もうまいんだ。

 最後の〆にいただくことも多い一品だが、今日は最初のつまみにしてみよう。

 「すみません、こっちもナスビをお願いします」と急いで便乗注文した。

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 なぜ急ぐかというと、「ナスビ」は注文を受けてからナスをカットして、それをビニール袋の中で塩もみにしてから出してくれる、鮮度の高い即席浅漬け。

 タイミングを逃して後から注文すると、お母ちゃんは、この作業をもう一度くり返す必要があるのだ。

 出された「ナスビ」は、ボリュームもたっぷり。

 好みで醤油をかけていただくのだが、このまま何もかけなくても美味しいよねぇ。

 飲み始めの一品として、ちょうどいい前菜だ。

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 瓶ビールも飲み切って、この店に来るといつも注文している「麦焼酎」(450円)の水割りをもらう。

 焼酎がグッと濃い目の水割りなのが、「一二三」の大きな特徴。

 ックゥ~~~ッ! 効くねぇ!

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 せっかくおでん鍋の目の前に座っているので、おでんももらいましょう。

 「アキレス(牛スジ)」(170円)、「あつあげ」(120円)、「棒天」(120円)を、1つずつ取ってもらった。

 この、ちょっと甘めの、やさしい味付けが、「一二三」のおでん、引いては呉のおでんなんだよなぁ。

 調味料置き場に置かれている練りガラシを添えながらいただきます。

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 そのおでんをいただきつつ注文したのが「豚足」(700円)だ。

 豚足もまた、コロンと丸ごとの足先として、ゆで冷まされているものを、注文を受けてから、お母ちゃんが、その関節にそって細かく切り分けて…。

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 屋台の鉄板の上でザザッと炒めたあと、クロッシュ(ドームカバー)をかぶせて、蒸し焼きにするようにしながら、熱々に仕上げてくれるのだ。

 今日は注文しなかったけれど、「豚耳」(700円)も調理法は同じだ。

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 そうやって「豚足」ができあがっていく様子を見ているうちに、かなり濃い麦焼酎水割りも飲み切ってしまったので、おかわりをもらった。

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 ちょうどそこへ、「豚足」も焼きあがってきた。

 こうして細かく切り分けてくれてるから、食べやすいんですねぇ。

 おしぼりも出してくれるので、手づかみでワシワシといただく。

 あぁ~~っ、うまいっ。

 私が初めて豚足を食べたのは、学生時代の博多の焼き鳥屋。

 博多の豚足も、焼き鳥用の焼き台で焼いてから出してくれるものだった。

 大学を卒業して、新入社員としてやって来たのが呉の街。

 博多の豚足とは違うけれど、やっぱり熱々に仕上げてくれる呉の屋台の豚足にも大満足だったのでした。

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 ところが! 呉で5年ほど過ごしたあと、東京に転勤すると、豚足は冷たいまま出されるのが普通で、それを酢味噌でいただくスタイルだった。

 というか、豚足というと、全国的にはむしろこのスタイルのほうが一般的らしく、博多や呉の、熱々の豚足のほうが珍しいことに気がついたのでした。

 だからこそ、呉に来ると、この豚足を食べたくなるんですねぇ!

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 最後の〆は、もちろん「中華そば」(650円)。

 お母ちゃんが、「胡椒は入っとらんけぇの!」と言いながら出してくれるのも、「一二三」ならでは。

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 その「中華そば」に、自分で好みの量の胡椒を振りかけていただきます。

 うーん、この味、この味。美味しいねぇ!

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 ゆっくりと、たっぷりと、3時間ほど過ごさせてもらって、ナスビに始まり、おでん、豚足、中華そばと、呉の屋台のフルコースを堪能。

 今日のお勘定は4,160円でした。どうもごちそうさま。

店情報前回) 《YouTube動画

《令和6(2024)年9月15日(日)の記録》

(食べログ) 一二三ラーメン / 呉駅

◆ ◆ 献杯 ◆ ◆

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 なんとも悲しいことに、来るたびにとてもお世話になっていた「一二三」のお父ちゃんが、今年(2024年)6月に亡くなられたそうだ。

 今年の1月に「一二三」に伺ったときにはお元気そうだったのに…。

 この店の焼酎も水割りがグッと濃いのも、「このくらいの濃さが一番うまい!」というお父ちゃんの信念によるものなのだ。

 お父ちゃんがいない今は、お母ちゃんと娘さんが中心になって「一二三」を切り盛りされていて、屋台の設営や撤収などで力がいる仕事は、娘さんのご主人が手伝ってくれているとのこと。

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 実は同じく今年の6月に、呉にいるときに、たいへんお世話になった、呉のタウン誌、「月刊くれえばん」の創刊編集長、木戸俊久さんが急逝されたとの報を受けて、昨日、九州出張の帰りに呉にやってきたのでした。

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 昨日は、木戸さんとよく飲んでいた「オオムラ亜」に、いつも一緒に飲んでたメンバーで集まって、その後、これまたいつもの「鳥乃家」に流れて、長時間にわたって木戸さんを偲んだのでした。

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 「鳥乃家」を出て解散し、最後に「一二三」にやってきたところで、お母ちゃんから、お父ちゃんが6月に亡くなったことを伺ったのでした。

 昨年末(12月28日)には、呉の独身寮時代にお世話になった後久保寮長が亡くなられ、明けて1月20日には、会社の先輩で、これまたお世話になりっ放しだった比翼さんが亡くなられと、ここ呉でお世話になった方々の訃報が続いていて、ガックリと悲しみにくれているところです。

 これまでありがとうございました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。献杯。

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