新年初のひとり呑みは … 「森田食堂(もりたしょくどう)」(呉)

新しい年、2025年(令和7年)が明けて初めての出張先は、呉(広島県)である!
駅前のホテルに荷物を預けて、やって来たのは1913年(大正2年)創業の老舗大衆食堂、「森田食堂」だ。
今年、初めての『ひとり呑み』です。

席に着くなり、まずはやっぱり「ビール大」(大瓶ビール、600円)である。
この店独自の、先端が曲がった栓抜きで、シュポンッッッ! と景気よく栓を抜いてくれるのが大きな特長で、これが飲み始めの号砲となるのだ。
あぁ、今年も「森田食堂」に来れたねぇ! 改めてそう感じさせてくれる瞬間である。

最初のつまみも決まっている。
この店一番の名物料理である「湯豆腐」(300円)だ。
イリコを丸ごと使ってとった出汁に、少量の薄口醤油を加え、弱火でじっくりと煮込むことで、「す」が立たず、おいしい湯豆腐ができあがる。
これにたっぷりの刻みネギと、これまたたっぷりのとろろ昆布をトッピングし、一片の柚子の皮を添えて出してくれる。
豆腐のみならず、出汁つゆまですべてがつまみとなる、とてもありがたい逸品なのだ。

店に入ったのは平日の午後1時半。
それでも店内には何人かの先客がいて、それぞれチビチビとやっているのがいいよねぇ。
「森田食堂」の営業時間は、朝8時半から、夜9時までの、12時間半!
定休日の日曜日以外は、『思い立ったらいつでも飲める』と言える食堂なのだ。

私にしても、この時間帯に偶然この店に来たわけではなくて、『昼過ぎに呉に着くように移動して、まずは「森田食堂」での昼呑みを楽しもう!』と計画を立てて、朝8時に東京駅を出発する新幹線(のぞみ61号 広島行)に乗ってやって来た次第。

湯豆腐をつまみに、大瓶ビールも飲み終えて、2品めのつまみを選びに、店頭近くの冷蔵陳列ケースを確認に行く。
刺身各種(600円)の他、「だし巻たまご焼」(150円)、「さばの煮付」(250円)、「ひじき」(200円)、「煮しめ」(300円)、「ポテトサラダ」(300円)、「小いわしの煮付」(300円)などがずらりと並んでいる。

そんな中から、「鯛タタキ」(600円)を取って席に戻ってくると…。

ラップフィルムを外し、醤油皿にポン酢醤油を入れて仕上げてくれた。
どぉ~れどれと、まず一口。
おりょ! いいですねぇ、鯛タタキ。ちょっと炙っているだけで、鯛刺身とはまた違った味わいと食感になっている。

その鯛タタキに合わせていただいたのは、呉は音戸の地酒、「華鳩(はなはと)特純冷酒」(700円)だ。
地元の魚に地元のお酒。絶対に合うよねぇ!

そして今夜は、NHKの「100カメ」という番組で、『100年食堂』が放送される予定日。
ここ「森田食堂」をはじめ、全国5箇所の100年以上営業を続けている老舗飲食店が紹介されるそうだ。
「ちょっとだけ出ます」と書かれているけれど、どんな仕上がりになっているのかは、お店の人たちもまったく知らないんだって(笑)

鯛タタキを食べ終えても、まだ冷酒が残っているので、カウンター上に置かれている「ゆでたまご」(70円)をひとつもらうことにした。

「生たまご」(70円)と間違えないようにするために、「ゆでたまご」のほうには『塩の帽子』を付けるようにしているんだそうな。

殻をむいた後の「ゆでたまご」には、ちょいと塩をつけて食べたいので、その点でも『塩の帽子』が付いてるのはいいよね。

店内には、呉のタウン誌「月刊くれえばん」に、私が「呉酒場礼賛」を連載させていただいていた時の、「森田食堂」の記事(2011年7月号)も掲示されている。
あれからもう13年半も経ったんですねぇ。
ずっと掲示し続けていただいて、本当にありがとうございます。

ゆっくりと1時間半ほど楽しんで、お勘定は2,270円でした。どうもごちそうさま。
家を出る前に録画予約もしてきたけれど、今夜の『100年食堂』が楽しみです!
(次回) 25.03.05 100カメを100年食堂で … 「森田食堂(もりたしょくどう)」(呉)
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