ちょい飲みうどん酒場 … 「マタタビ饂飩店(うどんてん)」(丸亀)

2024年(令和6年)2月9日に、丸亀駅のすぐ近くにオープンした、「マタタビ饂飩店」にやって来た。
店に着いたのは開店時刻の午後6時。
店頭で開店を待っていた男性ひとり客のあとに続いて、本日、二人目の客として入店。

店内はカウンター5席とテーブル12席の全17席。
先客がカウンター席の一番手前に座ったので、私は同じカウンター席の一番奥に座らせてもらった。

なにはともあれ、まずはアサヒ、キリン、サッポロが選べる「瓶ビール」(中瓶600円)を、サッポロ(ラガー赤星)でもらうと、キンキンに冷えたグラスと一緒に出してくれた。

この店のキャッチフレーズは『ちょい飲みうどん酒場』。
うどん店なんだけど、おつまみもいろいろとそろっていて、丸亀のうどん店にしては珍しく、夜だけ(18:00~22:00)営業しているのである。

クイッと最初の一杯を飲み干して、ノドを潤してから席を立ち、入口近くに置かれているおでん鍋のところへ向かう。
香川県のうどん店には、セルフスタイルのおでんがあるのが当たり前。
この店にも、もちろんおでんはあって、たまご、だいこん、こんにゃく、讃岐白天、焼き豆腐が、それぞれ140円。牛すじと日替わりおでんが、それぞれ170円だ。
今日の日替わりおでんは「ウインナー」と、観音寺で明治40年に創業した『路地裏のかまぼこ屋』こと山地蒲鉾の「しゅうまい天」である。

そのおでんにつけるのが、おでん鍋の横に置かれている「赤みそ」と「白みそ」。
どちらも、地元のみそに、当店のかけ出汁などを混ぜて作った、店主こだわりのオリジナルみそなんだそうな。

取ってきたのは「こんにゃく」(140円)と「焼き豆腐」(140円)。
「赤みそ」「白みそ」も、もちろん添えさせてもらった。
このみそが絶品! 赤みそは生姜も効いていて、白みそはフワッと甘みがある。
呑兵衛には、特に「赤みそ」だなぁ。これだけで無限に飲めそうな感じだ。

店主の藤原清隆さんは、脱サラして職業訓練学校で技術を身につけた後、昨年、48歳のときに念願だったこのお店をオープンした。
『マタタビ』という店名には、店主が猫好きということに加えて、ご常連さんたちには『また度々来てください』、観光客のみなさんには『丸亀にまた旅に来てください』という想いが込められているのだ。

またカウンター席やテーブル席のあちこちに書籍が置かれているのも、『本でも読みながらゆっくりと過ごしてね』という想いからなんでしょうね。

中瓶ビールを飲みきって、次にもらったのは「麦焼酎 水割り」(450円)。

焼酎の銘柄は、麦・芋ともに、福岡県久留米市の鷹正宗「ごりょんさん」である。

その「麦焼酎 水割り」に合わせるつまみは「伊吹イリコの素揚げ」(300円)。
注文を受けてから揚げて出してくれるイリコが美味しいこと。
ゴマが振り掛けられてるのもいいよね。旨みがグンとアップだ!
ちなみに『伊吹イリコ』というのは、観音寺沖の伊吹島で獲れたカタクチイワシを、伊吹島で加工した煮干魚類のことを言うんだそうな。

すぐに「麦焼酎 水割り」(450円)もおかわりだ。

そしてつまみは「親鶏の皮酢」(450円)。
揚げ冷ました皮に、注文を受けてからおろし生姜と刻みネギをトッピングし、ポン酢醤油をかけて出してくれるようで、あっという間に出てきた。
親鶏の皮、しっかりとした食感で、これまた旨いねぇ。

さらに「エビちくわ天」(200円)も注文。
メニューには『瀬戸内のエビのすり身と搾り豆腐を、昔ながらの製法で練り上げて焼いた、観音寺名物の焼き竹輪です』という説明書きがある。
ほんわりと軟らかい竹輪は、初めての食感。これも旨みが強くていいねぇ。
瀬戸内海の名物料理は、なにしろ旨みだね!

この「エビちくわ天」の旨さに引かれて、もう一度おでん鍋のところに行って、「やまぢの白天」(140円)を取ってきた。
メニューには「讃岐白天」とある。
もともと真っ白な蒲鉾だけど、おでん鍋で煮込んでいるうちに、うっすらと色がついてくるんだそうな。
それにしても「赤みそ」、やっぱり旨いよねぇ。ものすごくいい酒の肴だ。

「麦焼酎 水割り」を2杯いただいた後は、「芋焼酎ロック」(450円)。
初めていただいた「ごりょんさん」。麦も美味しかったけど、芋もいいねぇ。こんな焼酎があったんだ。

合わせるつまみは、〆も兼ねての「きつね布団」(600円)。
ここの麺は、讃岐うどんのために開発された香川県のオリジナル小麦「さぬきの夢」をベースに、その日の温度や湿度に応じて3~4種類の小麦粉をブレンドして作った自家製麺なんだそうな。

そのきつねの布団をそっとめくってみると、布団の下には薄切りのちくわを枕にしたイリコが眠っていました(笑)

添えられた刻みネギと、おろし生姜を投入して、ちょっとずついただきながら、「芋焼酎ロック」もちびりちびり。
うどんも焼酎も美味しいねぇ!

麺と具材を食べ終えても、丼に残っている出汁ツユがこれまたいいつまみになる。

途中で卓上に置かれている揚げ玉やゴマを投入し、旨みをアップ。汁好きにはたまらんね。
出汁ツユの熱さと旨み、芋ロックの冷たさとすっきり感の無限ループにおちいりそうだ。

2時間半ほど、ゆっくりと楽しませてもらって、今宵のお勘定は3,920円。
PayPayで支払って店を出た。

いやぁ、いただいた料理もお酒も、すべてが美味しかった。
心地良く酔って、超満腹である。どうもごちそうさま。
◆ ◆ ◆
令和6年7月から休業 … 「藤ちゃん(とうちゃん)」(丸亀)

今回の丸亀出張で、ぜひ行きたかった店の1軒が「藤ちゃん」だったのだが、なんと! 昨年の6月末を持って休業していたことが判明。
店主の藤ちゃんこと、藤 純治さんの体調不良もあって、営業が難しくなったとのこと。
丸亀に到着してすぐに店の前まで行ってみたところ、やっぱり休業してました。
看板などはそのまま残っていて、ご自宅も兼ねているらしき店内からはテレビの音も聞こえる。

「藤ちゃん」と言えば、なんといっても丸亀名物の「骨付鳥(親・若)」(各900円)。
丸亀市で骨付鳥が生まれたのは70年ほど前のこと。

骨付鳥発祥の店で創業期から働いていた藤ちゃんが、1974(昭和49)年に独立して開業したのが「藤ちゃん」だったのだ。
味付けはシンプルに塩とコショウ、ガーリックのみなんだけど、これがとても旨いんだ。

骨付鳥のみならず、日替わりの刺身などももちろんあった。

さらにはカウンターの上にずらりと並ぶ大皿料理。
骨付鳥の焼き上がりを待つ間はもちろん、骨付鳥を食べ終えた後も、これらのつまみでグイグイと麦焼酎の水割り(450円)飲んだものだった。

最後はもちろん「むすび」(3個300円)をもらって締めくくる。
銀色のお皿に残った骨付鳥のタレをからめて食べるのが旨かった。

向かい側の駐車場も、そのまま残っているので、店主の体調が回復すれば、営業も再開となるのかな。ぜひそうなって欲しいなぁ。
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