お勧めに従うのが最良 … おばんざいの店「はる」(相生)

1年ぶり2度目の「はる」にやって来た。
店はJR相生駅南口の向かい側の、飲食店が何軒か入っているビルの2階にある。

このビルの階段をトコトコと上がっていくと、左手に「はる」の暖簾が現れるのだ。

入口を入るとすぐ目の前が、L字カウンターのちょうど角のあたり。
初めて来た前回は、この角の席で飲ませてもらったのだが、今日はその席に先客がいたので、“L”の字で言うと、右下あたりの席に陣取った。

何はさておき、まずはアサヒとキリンが選べる「瓶ビール中」(605円)を、アサヒでもらうと、すぐにお通しの「切り干し大根の煮物」(385円)も出してくれた。

去年来たときはご夫婦二人で切り盛りされていたが、今年はもうひとり、女将さんと同世代の女性店員さんも加わっていて、そのおねえさんから「ぶりかま塩焼」(660円)を勧められたので、オススメに従って注文した。

ちょうど他のお客さんから「ぶりかま塩焼」の注文が入ったところだったようで、「オススメなんだけど焼くのに時間がかかるから、もしよければ一緒に焼こうと思ったのよ」と話してくれながら、焼き上がりを待つ間用のつまみとして、これまたオススメという「酢玉ネギ」(330円)を出してくれた。
これは赤玉ねぎの酢漬けなんだそうな。酸っぱいだけじゃなくて、ほんわりと甘みがあるのがいいよね。
『おばんざいの店』と銘打っているだけあって、ここの料理はすべて手造り。オススメに従って注文しておけば、まず間違いないのである。

「瓶ビール中」の残りが、コップ1杯分になったところで、地元・姫路の銘酒、「八重垣」(2合770円)を熱燗で注文した。

その直後に、「ぶりかま塩焼」も焼き上がってきた。
店のおねえさんが「時間がかかるから」と言ってたとおり、でっかいブリカマは、注文してから焼き上がるまで20分ほどかかりました。

表面はグッとよく焼きだけれど、中はふんわりとちょうどいい火の通り具合で、表面に振られた塩っけも絶妙。熱燗にピッタリのつまみだ!
店のおねえさんに、「これ、すごく美味しいですよ!」と感想を伝えると、「オススメして良かったわ」と笑顔を返してくれた。
すると、角の席で飲んでいる先客の年配女性ひとり客も、「ここは何でも美味しいのよ」と破顔一笑。本当にそうですねぇ。

この「ぶりかま塩焼」で2合の「八重垣」を飲みきって、次は同じヤヱガキ酒造の麦焼酎「あらき」(440円)を水割りでもらった。

その麦水割りに合わせるつまみは「きんぴら」(330円)。
蓮根と牛蒡のシャキシャキ感、そして自然な甘みと旨みがたまらない。

「きんぴら」の美味しさに、さらにもう一品、なにか野菜系のつまみをもらおうと、改めてカウンターの上段に並ぶ大皿料理を見ていたら、女将さんが「焼茄子」(330円)を勧めてくれたので、これまた素直に従った。

小鉢で出された「焼茄子」の美味しいこと!
焼きナスなんだけれど、いつもの醤油をかけて食べる焼きナスとはまるで違って味が付いている。かといってナスの煮物とも違う。面白いなぁ。こんなナス料理があったんだ。

すぐに麦焼酎「あらき」(440円)の水割りもおかわりした。

ゆっくりと2時間半ほど楽しんで今宵のお勘定は4,290円でした。
やぁ美味しかった。どうもごちそうさま。
(食べログ) おばんざいの店 はる (居酒屋 / 相生駅)
◆ ◆ ◆

今から40年ほど前、私が20代の頃にもよく来ていた相生。
そのころは相生に来たら必ずと言っていいぐらいシャコをつまみに飲んでいたものでした。
なにしろバケツに満杯のシャコがドンと出されて、その皮を取っては土間に捨てながら、ムシャムシャといただいたのを思い出します。
ところが! 最近は相生に来てもシャコに出会う機会はほとんどなくなり、その代わりの一大名物として前面に押し出されてきたのが、『相生牡蠣』というブランド名まで付いているカキなのでした。

相生市観光協会オフィシャルサイトによると、相生湾には、山々の栄養分をたっぷり含んだ雨水が、揖保川と千種川の2本の川から注ぎ込むので、養分が大変豊富なんだそうです。
さらにここ播磨は日本酒のふるさとでもある。
地元のカキに、地元の日本酒。間違いないですよねぇ!

さらに揖保川と千種川といった播磨の清流は、水深が浅く流速が速いために川底の石の苔の育成が良く、兵庫県下で屈指のアユ釣り場として知られている。
だから相生では、美味しいアユもいただけるのでした。
なお、この記事でのカキとアユの写真は、相生駅から徒歩5分ほどのところにある日本料理の店、「隠し包丁 縁粋」で飲み会をしたときのものです。
《令和6(2024)年6月19日(水)の記録》
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