営業再開を待ってます … 立呑み「やきや」(荻窪)

愛してやまない酒場の1軒である荻窪「やきや」が閉店するというので、仕事帰りに立ち寄った。
この閉店情報は多くの「やきや」ファンたちの知るところとなっていて、水曜日の午後4時半にも関わらず、すでに店内は満員の状態。
一番奥の、ベテランのご常連さんたちが集うテーブル席のところにだけ、ちょっと空きがあったので、そこに入れてもらうことにした。

すぐに女将さんが「ホッピー」(セット360円)を出してくれたので、それに合わせて1品目のつまみ、「珍味わたあえ」(330円)を注文した。

「やきや」の閉店は『立ち退きのため』とのこと。
前に荻窪駅北口側から、ここ南口側に移転したのも『立ち退きのため』だったよなぁ。
駅近くの物件は、残念ながらこういう事態も付きものなのかもねぇ。

「珍味わたあえ」を持ってきてくれた女将さんは、「12年ごとに立ち退きになるのよ」と苦笑されている。
なるほどなぁ。
「やきや」の創業は1999年(平成11年)7月。この時の店が荻窪駅北口側の路地の中だったのだ。
それから12年たった2011年(平成23年)1月末に、立ち退きのため閉店となった。
その半年後の2011年7月1日に、南口側の、今のこの店舗で営業を再開した。
北口のときと同じ内容、同じ値段での営業再開に、「やきや」ファンたちは大喜びしたのでした。

「焼酎おかわり」(ナカ180円)をもらって、「いかみみ刺身」(330円)もショウガで注文。

「いかみみ刺身」は、醤油で食べてももちろん美味しいのだが、「珍味わたあえ」の残りダレでいただくのが爆発的に旨いのだ。
6月末で閉店したら、またしばらく、この味にも会えないと思うと悲しいなぁ。

さらに3杯めとなる「焼酎おかわり」ももらって、「いか焼」(330円)である。
私なんかは、時々、この店にやってくる程度なのだが、奥のテーブル席のご常連さんたちは、毎日、午後4時の開店と同時に、ほぼ同じメンバーでこの席を囲んで、ワイワイと楽しそうに過ごされている。
まさに『放課後の部室』状態なのである。
6月末に「やきや」が閉店したら、午後4時からは、どこに集まるんだろうなぁ。

ソト1・ナカ4の4杯めとなる「焼酎おかわり」に合わせるのは、これまたこの店でしか食べることができない「自家製塩辛」(330円)だ。
イカ塩辛はどこにだってあるのだが、この店の「自家製塩辛」は、それらとはちょっと、いや、かなり違うんだなぁ。イカのフレッシュ感が半端ないのだ。
「この店の地下には、『荻窪ロフト』というライブハウスがあって、若いころによく来てたんだよ」と話してくれるのは、奥のテーブル席を囲む大常連さんのひとり、Aさん。
『隣近所に遠慮なく音が出せるように』というのが、ライブハウスが地下になった理由で、荒井由実(松任谷由実)やサザンオールスターズなどのライブが行われたんだそうな。
この地には、そんな歴史もあったんですねぇ。

ゆっくりと2時間ほど立ち飲んで、今宵のお勘定は2,220円でした。
どうもごちそうさま。なるべく早い営業再開を心より祈っております!
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