桜干しは店主の手作り … 居酒屋「桜(おう)」(浦上)他

前回の記事で、居酒屋「桜」の刺身盛り合わせを紹介したが、もうひとつ、いやもう二つお勧めしたい、この店ならではの名物料理のひとつが「あじ桜干し」(418円)だ。
『桜干し』というのは、醤油や砂糖、みりんなどを加えた甘めの調味液に魚を漬け込んで干した、いわゆる『みりん干し』のこと。
長崎では、アジやイワシ、サバ、タイなど、さまざまな種類の魚が『桜干し』に加工されているそうだ。
手開きにした魚が桜の花びらのように見えるから『桜干し』と呼ばれているというのも、なんとも風流でいいではありませんか。

裏返して身の側を見ると、白ゴマがたっぷりとまぶされているのもいいよねぇ。最高のつまみだ。
この店の『桜干し』は店主の手作り。なんと店主は、子供の頃からアジやイワシの干物をご自宅で作っていたんだそうな。
今やもう、熟練職人さんの域に達しているんだろうなぁ。まさに絶品である!
そうそう、今日のメニューに並んでいるのは「あじ桜干し」だが、去年の11月に来たときは「いわし桜干し」(418円)だった。
時季によって魚も変わるそうだが、どちらも美味しいよねぇ。

今日も事前に席の予約を入れた上で、開店時刻の午後6時ちょっと前に居酒屋「桜」へ。
お客のみならず、近くにいる野良ネコたちも居酒屋「桜」の開店を待っているのが面白いところ。

ネコたちは、店主ご夫妻がちょっと出してくれる料理を楽しみにしているのだ。

人にもすごく慣れていて、足元にスリスリと寄ってくるのも可愛いよね。

店頭でのネコたちとの触れ合いも楽しんだ後、昨日と同じくカウンター席の一番奥の席に座って、今日も「生ビール中」(528円)からスタートだ。

同時に出される「お通し」(275円)は、今日は牛バラと茹で野菜の牛しゃぶ風(ゴマドレ)だ。

とそこへ大将から、「今日はハトシも用意しておきましたよ」と声をかけていただいたので、もちろんその「ハトシ」(528円)もいただいた。
この「ハトシ」こそが、ぜひともお勧めしたい2品の内の、もう1品なのだ。
「ハトシ」は、エビなどのすり身を食パンで挟み、油で揚げた、長崎の郷土料理。
明治時代に中国から伝わり、もともとは卓袱(しっぽく)料理の一品だったそうな。
中国語の「蝦多士(ハートーシー)」が語源で、「蝦=エビ」、「多士=トースト」という、そのまんまの語意である。

生ビールを飲み切った後は、そのジョッキを再利用して、ボトルキープしている「壱岐ゴールド」の水割りを作るのが、この店のご常連さんたちの流儀である。

この店の「ハトシ」は、もちろん店主の手作りで、冷凍保存の品ではないのが大きな特長。だからこそ、ここの「ハトシ」は旨いんだなぁ。
逆に、冷凍保存しないので、いつもある料理ではないのが残念なところ。もしメニューに並んでいたら、必ず注文したい逸品なのだ。

そのあと「あじ桜干し」をいただいて、2時間ちょっとの酒場浴。今宵のお勘定は1,700円でした。どうもごちそうさま。
となりのお客さんが注文した「串なし焼鳥」(638円)も、すごいボリュームで、すごくいい香りだったなぁ。
この店の638円料理は、ボリュームたっぷりのものが多いようだ。

店の隣の駐車場でゴロゴロしているネコたちにも別れを告げて、路面電車で長崎駅前へ。

今日の2軒めとして、長崎駅前の立飲み処「紫羊 SHIYOU」にやってきた。
2022年に居酒屋「桜」を知ってから、「桜」に行くことが多くなったが、それより前によく通っていたのがここ「紫羊」だったのだ。

ビル1階の奥のほうにある「紫羊」の店内は、U字の立ち飲みカウンター。

その一角に立って、ここでも麦焼酎「壱岐ゴールド」(370円)を水割りで注文し、つまみとして「焼きあご」(70円)を取ってきた。

麦焼酎は、焼酎と、氷入りのグラスが別々に出されるので、自分の好きな濃さで水割りを作ることができる。

ちなみに焼酎類はボトルキープすることもできて、「壱岐ゴールド」(720ml)の場合は2,600円だ。
この店のご常連さんの多くはボトルキープしているようだ。

「焼きあご」などの小さな袋菓子系のつまみは、卓上に並ぶ容器の中に入っていて、そこから自分で取って、一人で切り盛りしている女将さんに申告する仕組み。
この店は品物と引き換え払いのキャッシュ・オン・デリバリーなので、その場で清算してくれるのだ。
この「焼きあご」。ガツッと硬いのがいいねぇ。
小さいけどスルメより硬いぞ!
これをクッチャクッチャと噛みしめているうちに身がほぐれてきて、口の中に「焼きあご」ならではの旨みが広がっていく。
とっても小さいのに、長持ちするつまみだなぁ。呑兵衛には実に嬉しい硬さである。

卓上には、ほかにも大きな袋菓子や缶詰、カップ焼きそばなども並んでいる。

改めてメニューを眺めていると、「揚げかまぼこ(夏季)」(170円)があったので、何種類かから選べる「揚げかまぼこ」の中から、今日は「ちくわ」をもらった。

「おでん」の時は、ふっくらと大きくてやわらかい「ちくわ」なんだけど、そのネタである「ちくわ」そのものは、キュッと小さくしまっていて、弾力感が強い。
これもいいねぇ! 旨みがギュッと凝縮されている。

いやいや、このちくわはマジで旨いよ。塩加減が実に呑兵衛向け。
しかもこれまた硬めの食感なので、チビチビと時間をかけて食べ進めることができる。
「焼きあご」に続いて、「ちくわ」も長持ちするツマミだなぁ!

さっくりと1時間近く楽しんで、現金と引き換え払いでの支払い合計は610円でした。
どうもごちそうさま。
・「桜」の店情報(前回) / 「紫羊」の店情報(前回) 《YouTube動画》
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