長崎郷土料理の奥深さ … 居酒屋「桜(おう)」(浦上)

長崎での二夜めもやっぱり「居酒屋 桜」である。
長崎には他にも良い酒場がたくさんあるんだけれど、このところすっかり「居酒屋 桜」にハマってしまっているのでした。

今日もまた開店時刻の午後6時に、同行のAさんと二人で入店して、昨日と同じ席につき、「生ビール中」(528円)をもらって乾杯である。

今日の「お通し」(275円)は、チヌとツバメウオの『づけ』に、ほぐした明太子をトッピングしたもの。「お通し」からしてすごいよねぇ!

大将から「今日はハトシがあるよ」と教えていただき、さっそくその「ハトシ」(638円)を注文した。
「ハトシ」は、長崎ならではの卓袱料理の一品で、一言で言えば『エビのすり身をパンで挟んで揚げたもの』。

ここ「居酒屋 桜」では、冷凍の『エビのすり身』は使わない。だから、新鮮な芝海老が入った時だけ、「ハトシ」がメニューに登場するのだ。
長崎のいろんなお店で出されるハトシなんだけど、私はここのが一番好きなんだなぁ。
サクッとしたパンの中から溢れるエビの旨み。今日もやっぱり美味しいや。

そして今日も、最初の生ビールの後は、「壱岐ゴールド」の濃いめの水割りに移行である。

「ハトシ」を食べ終えて、次は、これまたこの店の名物料理の一つ、「鯨盛り合せ」(1,408円)をいただく。
鯨料理は、ほぼいつもあるこの店の定番メニューなんだけど、注文したのは今回が初めて。どんな料理が出てくるか楽しみに待っていると、ベーコン、さえずり、赤肉の3種盛りがやって来た。

お皿の横には『おろし生姜』と『もみじおろし』も添えられていて、醤油とポン酢醤油が、それぞれ小皿で出される。

「ベーコン」(単品だと1,078円)は、クジラの下アゴからお腹にかけての縞模様の部位(畝)を塩漬け・燻製加工したもの。
縁の赤い色が鮮やかで、白身(脂肪)と赤身の層が美しいのが特徴だ。

「サエズリ」(単品だと1,078円)は、クジラの舌(タン)の部分。プルプルとした独特の弾力感があり、噛むほどに濃厚な旨味が出てくる。

「赤肉」(単品だと638円)は、クジラの背中の部分などの筋肉にあたる部位。馬刺しや牛刺しに似た濃い赤色をしていて、食べた感じも肉刺しに近い。

実は長崎の食を語る上で欠かせないのがこのクジラなのだ。
長崎には江戸時代から続く捕鯨の拠点(大村湾など)があったため、現在もクジラを食べる文化が色濃く残る地域の一つなのである。

鮮やかな朱色が美しいベーコン、プルプル食感の舌サエズリ、そして濃厚な赤肉。それぞれの部位に個性があって面白いよね。

昨日追加した「壱岐ゴールド」のボトルも飲み切って、今日も新たなボトル(2,200円)を追加した。
濃いめの水割りを、生ビールのジョッキでグイグイと飲んでいるもんだから、すぐになくなってしまうよねぇ。
それでも「壱岐ゴールド」が美味しいので止まらない。困ったもんだ。

次なるつまみは、これまた以前から存在は知っていたけど、注文するのは初めての「薩摩芋フライ」(418円)。
皮が付いたまま、ゴロッと大きくカットした薩摩芋を素揚げして、塩をパラリ。

このまま食べてももちろん美味しいんだけれど、一緒に出されるメープルシロップをからめていただくと、なんと! これが爆発的にうまいのだ!
甘いのに、こんなにもいいつまみになるなんて、なんとも不思議な体験だ。

江戸時代、唯一の貿易窓口だった長崎は、輸入された砂糖を京都や江戸へと運ぶ「シュガーロード」の起点でもあった。そのため、料理に砂糖をたっぷり使う文化があるんだそうな。
揚げた薩摩芋に、まず塩が振られているというのも、『つまみ力』が強くなっている大きな要因だと思う。

さらに「これも必ずいただいて帰らねば!」と注文したのが「いわし桜干し」(418円)。
本来は3尾で1人前なんだけど、「二人で分けにくいだろうから」ということで、4尾分を焼いてくれた。ありがとうございます。
『桜干し』というのは、いわゆる『みりん干し』のこと。開いたイワシの形が、桜の花びらに似ているから『桜干し』と呼ばれるようになったという説もある。

ここの「いわし桜干し」や「あじ桜干し」(418円)は、店主自らが魚を干して作っているのが大きな特長で、これがまたうまいんだ。
身の側に、白ゴマがたっぷりと付いているのも、旨みアップに貢献してるよね。

最後は「おにぎり こんぶ」(165円)で締めくくる。
実は「ニンニクチャーハン(748円)かエビチャーハン(748円)も食べたいよね」と話していたんだけれど、残念ながらすでに満腹。とてもチャーハンまではたどりつけず、「おにぎり こんぶ」におちついたのだ。

なお「おにぎり」は、こんぶの他にも具材が選べ、梅、明太子は165円、サバ、シャケは220円だ。具材がたっぷりなのもいいよね。

今日も9時過ぎまで3時間を超える長丁場。お勘定は二人で6,800円(ひとり当たり3,400円)でした。
やぁ、今日もおいしかったなぁ。どうもごちそうさま。
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