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ただいま呉、百年の味 … 「森田食堂(もりたしょくどう)」(呉)

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 年明け早々の神戸への出張に続いて、新年2度めの出張先は呉(広島県呉市)である。

 呉は新入社員時代の5年間(1983/04/01~1988/01/31)と、50代前半の3年ほど(2010/04/01~2012/12/31)を過ごした懐かしい土地。

 呉駅に着くと、「帰ってきたぁ~っ!」という感じがするんだなぁ。

 そして、まずまっ先にやって来るのが呉駅のすぐ横にある、創業大正2年(1913年)の歴史を誇る老舗、「森田食堂」だ。

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 朝8時半から夜9時までの営業(日曜定休)。思い立ったらいつでも食べて飲める食堂なのである。

 今年に入って、ちょっと値上げしたそうだけれど、大きくは変わっていないようですね。

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 女将の鈴子すずこさんや、義妹いもうと範子のりこさんに、新年のご挨拶をさせていただいてから席に着き、まずは絶対に「ビール大」(600円)である。アサヒとキリンが選べるところを、今日はキリンにした。

 「森田食堂」ならではの、ちょっと先が曲がった栓抜きで、「シュポンッ!」と軽快な音を立てて栓を抜いてくれる。

 この音この音! これを聞かなきゃ「森田食堂」は始まらないのだ。

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 つまみの1品めも決まっている。自分の中での三大湯豆腐の一角となっている、「森田食堂」の「湯豆腐」(350円)だ。

 これはもう、ほとんどのお客さんが注文する、この店の一大名物料理でもあるのだ。

 丼に、絶品のお出汁で煮込まれた豆腐が鎮座し、さらにその絶品のお出汁もなみなみとつがれる。その上にカツオ節と刻みネギ、とろろ昆布がたっぷりと盛られ、仕上げに一片の柚子。

 このお出汁が旨いんだよなぁ。

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 基本はイリコ出汁なんだけれど、鈴子さんによると、イリコの量がポイントなんだそうな。

 イリコがたくさんとれる瀬戸内では、ついつい多めのイリコを使って出汁をとる家庭が多いのだが、このイリコの適量を見定めて使うのが、「森田食堂」のお出汁の旨さの大きな秘密。実はけっこう少なめなんだって!

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 毎回必ずお出汁まで完食である。

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 「湯豆腐」の後は、席を立って入口横の冷蔵陳列ケースのところに行き、次なるつまみを選ぶ。

 私は最初から「ビールと湯豆腐」と決めてたから、すぐに席に着いたが、「森田食堂」の基本の流れは、店に入るとまず目の前にある消毒スプレーで手を消毒し、それから入口左手の冷蔵陳列ケースのところに行って、自分の好きなおかずを自由に選ぶ。

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 冷蔵陳列ケースには、刺身、煮付け、卵焼き、お浸しなど、家庭的で丁寧な料理がずらりと並んでいて、選ぶ楽しさも味わえるのだ。

 そうして選んだおかずを手にもって、空いている席に着き、食事の場合は、ごはんや味噌汁を、飲む場合にはビールやお酒を注文するのである。

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 私が選んできたのは「小いわし煮付」(350円)。

 「小いわし煮付」のように、電子レンジでの温め直しが必要な料理は、席まで持ってきたところで、お店の人が温め直してくれるのだ。

 セルフサービスでおかずを取ってくるお店では、電子レンジで温めるのもセルフサービスになっていることが多いのだが、ここ「森田食堂」は、『温め直して美味しい料理として提供するまでがお店の責任』という考え方が貫かれていて、お客は電子レンジには触ってはいけないという『聖域』のようなルールがある。郷に入れば郷に従う、これもまた老舗の流儀なのである。

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 その「小いわし煮付」に合わせて、「清酒二級」(350円)を熱燗で注文すると、チロリで燗をつけた後、目の前に置かれたコップについでくれる。

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 ビシッと、ちょうどコップいっぱいになるように、こぼさずついでくれるのも技のひとつだよなぁ。

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 「清酒二級」の銘柄は西条(広島県東広島市)の「白牡丹」。

 広島のお酒の中でも群を抜いて甘いお酒なんだけれど、これを熱々の燗にして、ズズッとお茶をすするようにして呑むと、まずはお酒のアルコール感がドンと飛び込んできて、その後にお酒の甘みが舌の上に広がっていく。

 「あぁ~、甘い日本酒も旨いんだ」ということを初めて知ったのも、ここ「森田食堂」だったのでした。

 そして「小いわし煮付」は間違いなく骨まで旨い。

 広島の地酒に広島の小魚。合わないわけがないよねぇ!

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 昼のお客さんが少なくなった午後2時から3時までの1時間、お店は休憩タイムに入る。

 この時間帯を利用してお店の人たちも昼食をとるのだ。

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 お客さんがほぼいなくなったところで、店内の様子を撮影。

 写真の右奥が入口で、入るとすぐに、映画「この世界の片隅に」関連の展示コーナーがあり、その先がカウンター席。

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 入口から見て左側に冷蔵陳列ケースがあって、その奥側に8人座れる長いテーブル席が2列、平行に置かれているのだ。

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 まだ「小いわし煮付」もあるけれど、お店の人たちが食事をしている間は働いてもらわなくてもいいように、先に冷蔵陳列ケースから「たまご焼」(150円)を取ってきて温め直してもらった。

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 お酒のほうも、『冬季限定』と書かれた「千福」の「冬にほっこり にごり酒」(700円)を注文。「千福」は呉の地酒ですね。

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 冷蔵庫からサッと出してくれた「にごり酒」。この状態では透き通っているんだけれど…

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 瓶ごと振ると、中が白く濁ってくる。

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 これをグラスについでいただくんですねぇ。

 あぁ、飲みやすい。お酒っぽさがなくて、クイクイと飲めてしまうのが危ないかもなぁ(笑)

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 せっかく「小いわし煮付」と「たまご焼」の両方があるので、「たまご焼」をちょいと切り分けて、「小いわし煮付」のツユにつけていただくと、これがまた美味しいこと!

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 ゆっくりと2時間ほど楽しませていただいて、今日もしっかりと完食完飲!

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 NHKの『100年食堂』でも取り上げられた70年モノの算盤そろばんでパチパチと計算してくれてのお勘定は2,150円でした。

 どうもごちそうさま。今年もよろしくお願いいたします。

店情報前回) 《YouTube動画

《令和8(2026)年1月14日(水)の記録》

(食べログ) 森田食堂食堂 / 呉駅

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