呉、冬の屋台通りにて … 屋台「一二三(いちにっさん)」(呉)
2026年2月27日(金)、午後10:00~10:30、NHKの「ドキュメント72時間」で、「広島・呉 冬の屋台通りにて」が放送される予定だそうです。
番組紹介のHPには、『ラーメンやおでんの匂いに誘われて、今夜ものれんをくぐってしまう。今回の舞台は広島・呉、9軒の屋台が連なる通り。ほとんどが10席ほどのこぢんまりとした店構え。隣の人と肩寄せ合って一杯やれば、つい胸の内がこぼれ出る。忘年会のシメに訪れた造船会社の同僚たち、20歳になる息子を連れて飲みに来るのが楽しみと語る夫婦、初めての屋台デビューにちょっと緊張する若者たち。寒さ深まる年の瀬の夜、屋台で聞こえる会話に3日間、耳を傾けた。』と書かれている。
これは楽しみですねぇ!
ということで今回は、今年の年明けに私が呉の屋台「一二三」を訪問したときのお話です。

2026年、新年最初の呉出張。となれば、やはりここにもご挨拶に伺わないわけにはいかない。
金曜日の午後7時。蔵本通りに並ぶ屋台の灯りを目指して歩き、赤提灯を掲げた「一二三」へと到着した。

のれんをくぐり、防寒のビニールシートを開けて中へ入ると、お母ちゃん(女将)がいつもの笑顔で迎えてくれた。
「明けましておめでとうございます!」
まずは新年のご挨拶を済ませてから、席に落ち着く。

注文はもちろん、いつもの「麦 水割」(450円)だ。
この店の水割りは、ほとんどが麦焼酎で、少しだけ水が足されるスタイル。
「このぐらいの濃さが一番うまい!」という、亡きお父ちゃんの信念がいまも脈々と受け継がれているのだ。
さっそく一口。
ックゥ~~~ッ! 効くねぇ!
この焼酎たっぷりの「麦 水割」こそが「一二三」なのである。

さて、1品めのつまみは「おでん」から始めよう。
「アキレス」(170円)と「あつあげ」(120円)を注文すると、屋台の中央に据えられた大きな鍋から、よく味が染みていそうなものを選んで取ってくれた。
「アキレス」というのは「牛すじ」のことなのだが、単に「牛すじ」と呼ぶ場合、すね肉やネックなど硬い部位を総称することが多い。その中でも「アキレス」は、白くて透明感があり、非常に硬いのが特徴だ。
これをじっくりと煮込んで軟らかくしているのだが、それでも口の中で楽しめるしっかりとした弾力感。これがまた嬉しいよねぇ。

その2個のおでんで、濃いめの水割りをひとしきり楽しんだところで、いよいよ「一二三」に来たら外せない鉄板焼きの出番だ。
「豚足」(850円)と「豚耳」(850円)の二大巨頭。どちらにしようか迷うのも「嬉しい悩み」なのだが、まずは「豚足」をお願いした。

「豚足」も「豚耳」も、コロンとまるのまま茹で冷まされた状態でスタンバイされていて、注文を受けてからお母ちゃんがチャチャチャッと見事な手捌きで切り分け、鉄板の上で焼きあげてくれるのだ。
「豚耳」は軟骨だけなのでスライスすればいいのだが、「豚足」には骨がある。関節のところで的確に切り分けるのは、まさに熟練の技を必要とする仕事。本当に恐れ入るよねぇ。

焼き上がった「豚足」と一緒に、おしぼりも出してくれるのがこの店の流儀。
基本的には骨のところを手づかみにして、ワッシワッシと食いちぎるようにしていただくのが一番旨い。
鉄板の上で、豚足そのものから出た脂で焼き上げられているため、ジューシーさも格別なのだ。

「麦 水割」をおかわりしつつ、ちょうど他のお客さんからも「豚耳」の注文が入ったので、私も「豚耳」を便乗注文。
何人分もの「豚耳」が、鉄板の上で一斉に踊るように焼き上げられる光景は、見ていても本当に楽しいものだ。

さぁ来た、「豚耳」だ。
細くスライスされた豚耳は、ちゅるんと軟らかい身の中に、コリコリとした軟骨の食感が同居している。
豚足も美味しいけれど、豚耳もまた捨てがたい。それぞれ美味しさの方向がちょっと違うのが、これまた楽しいところなんだよねぇ。

4杯めとなる「麦 水割」をもらって、最後の締めくくりは、呉の屋台のド定番「中華そば」(650円)だ。
「中華そば」を作るのが、お母ちゃんと一緒に屋台を切り盛りしている娘さんの仕事になったようで、お母ちゃんの「胡椒は入っとらんけぇの!」という名ゼリフが聞けなくなったのはちょっとだけ残念だけど、「中華そば」の美味しさはまったく変わらない。
そうそう。今は母娘お二人に加えて、若い外国人の男性もお店を手伝ってくれているようです。力仕事は彼に頼めるので、これまたひと安心といった状況ですね。

やぁ、今夜もすべてが美味しかったなぁ。
お母ちゃんとの会話も楽しみ、思いっきり「一二三」を堪能してのお勘定は4,440円でした。
どうもごちそうさま。今年もよろしくお願いいたします。
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