海なし県でも魚が自慢 … 野楽炉「大関(おおぜき)」(小山)

小山(栃木県)への出張で、同行のAさんと二人でやって来たのは、小山駅前の居酒屋、「野楽炉 大関」だ。

コの字カウンターの一角に腰をおろし、まずは「生ビール」(660円)を二つもらって乾杯。
合わせて出された「お通し」(210円/人)は、ひとり2本ずつのカニカマだ。

生ビールを飲みながら、ゆっくりと「本日のおすすめ」メニューを確認する。
料理は1本150円の串焼きから、そのほとんどが770円以下の手頃な価格帯。
その一方で、たまに「和牛生姜焼」(1,050円)や「ワンポンドステーキ」(2,980円)といった高級志向の料理が並んでいるのも、この店ならではの面白さである。

最初に注文したのは「刺身三品盛」(550円)。
この日の三品は、「ひらまさ刺」(単品660円)が3切れ、「まぐろづけ」(単品420円)が3切れ、そして「ホタルイカ」(単品設定なし)が4杯という内容。
単品価格を考えると、この三品盛がいかにお得かがよく分かる。

生ビールを飲み切ったところで、麦焼酎「いいちこ」をボトル(900ml、1,980円)で注文。

この店は焼酎ボトルの安さも大きな魅力だ。
なかでも「宝焼酎」の一升瓶が2,860円というのは驚きの安さ。
ボトルはキープも可能なので、常連客の多くが利用している。
割り材は、水が無料。アイス・お湯・ウーロン茶・緑茶などが各330円、ホッピー(ソト)が390円といったラインナップだ。

さっそく、やや濃いめの麦水(麦焼酎の水割り)を作る。
アイスは最初に人数分(二人だと660円)を支払えば、後はおかわり自由。水はもともと無料なので、この後はいくら飲んでも追加費用が発生しないのが実にありがたい。

「刺身三品盛」をあっという間に平らげ、「しめさば」(550円)を追加注文。
海なし県・栃木でありながら、この店の魚は安くて旨い。

店内に掲示されている過去の週刊誌の記事によれば、この店の創業者・鈴木繁次さんのお父上は、この地で大きな魚屋を営んでいて、鈴木さんも子供の頃から父親に同行して築地市場に通っていたそうだ。
30年ほど前にこの店を開いてからは、地元の栃木県南市場に誰よりも早く足を運び、最も良い魚を『大関価格』で仕入れてきているという。

刺身に続いて注文したのは「生ホルモン炒め」(720円)。
これがまた絶品! 生ホルモンならではの食感に、タレの味付けも秀逸だ。
添えられたニンニクとゴマ油を絡めると、さらに酒が進む。

この「生ホルモン炒め」を完食した後、皿に残った旨みたっぷりのタレや、小皿のニンニク、ゴマ油をどうにか活用できないかと考えた。
そこで「串焼きを塩でもらって、このタレに絡めて食べるのはどうだろう」という話になり、さっそく串焼きの注文を入れた。

まずは『とり串』から、「砂肝」「ひな皮」「しんぞう」を2本ずつ塩で(各150円/本)。
しっかりと塩コショーが効いており、そのままでも十分に旨い。
皿の縁に添えられた辛ミソも良いアクセントだ。
そして狙い通り、残ったホルモンのタレを絡ませてみると、これがもう最高。
思わず「やったね!」と声が出る旨さである。

「しんぞう」は一切れ一切れが大きくて、食べ応えも十分。
ちなみにメニューには「串焼きは二串からお好みで注文できます」とあるが、これは『1種2串以上』ではなくて、『各種合計で2串以上』とのこと。ひとり飲みでもいろいろな種類を楽しめる嬉しい配慮だ。

『とり串』3種6本に続いては、『豚ホルモン串』から「かしら」「シロ」「タン」を、これまた2本ずつ塩で(各150円/本)。

メニューには『とり串』『豚ホルモン串』の他に『野菜焼』もあり、いずれも1本150円。
さらに「手羽焼」(250円/串)や、岩手県産の銘柄鶏「菜彩鶏」の大串(290円/串)、豚バラの「トントン焼」(2串420円)などもある。

串焼きを堪能した後は、「ニラスタミナ漬」(420円)を注文。
今朝、出張先で聞いた『栃木はニラの産地』という話を思い出しての注文だ。
ニラをニンニクと一緒に漬け込んだ一品で、これまた酒の肴にぴったり。

最後は「五目焼そば」(550円)で締めくくる。
焼きそばは栃木県のソウルフード。宇都宮の「後掛けソース&太麺」、栃木・足利の「ポテト入り」、那須塩原の「スープ入り」など地域ごとに特色がある。
ここ小山市は、隣接する栃木市の影響からか「ポテト入り」が根強い人気。
この「五目焼そば」に入っている白いスライスも、てっきりポテトだと思い込んで口に運ぶと、なんと正体は「クワイ」だった。
ポテトのホクホク感とは違う、クワイ特有のシャキッとした食感が焼きそばに意外なほど合う。嬉しい驚きだ。

ゆっくりとたっぷりと3時間近く楽しんで、麦焼酎のボトルもしっかり飲み切った。
今宵のお勘定は二人で8,970円(ひとり当たり4,485円)。
「野楽炉 大関」ならではの、満足度の高いひとときだった。どうもごちそうさま。
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